1942年生まれ。ラグビーで日本代表になり100ｍを11秒で走るという大型の逸材。しかし八幡製鉄に入社すると大卒の選手のほうがスポットライトを当てられるというのでラグビーから足を洗い、1965年に日本プロレスに入門。
しかしここでは練習嫌いと性格が悪いというので先輩たちから袋叩きにあい、腕を骨折。これが祟り、大型選手を相手にボディスラムで持ち上げることが困難に。
結局、試合に出場したのは前座での4試合のみ。
そしてサンダー杉山らと吉原功が創設した国際プレスへ移籍。
米国遠征し「タキ・ヤマグチ」「ビッグ・クー」としてそれなりの活躍(らしい.カナダではタイガー・ジェット・シンに勝ち)するもとくにタイトル獲得とはならず。
https://www.youtube.com/watch?v=PLSyBxwgGck
帰国すると国際プロレスの当時の大スポンサーであったTBSが「私たちが手を貸せば、3分でスターは作れる」として草津をエースにするため、TWWAなるカナダのトロントが本部とされる団体が認定したという世界チャンピオン、ルー・テーズに挑戦という大抜擢を受けました。
しかしキャリアも実績もない草津をテーズは認めず、一本目からバックドロップで葬り去りました。そのまま草津は立ち上がらず、試合放棄ということに。これがいわゆる「草津バックドロップ失神事件」。真相は草津がセコンドに付いていたグレート東郷の「そのまま立ち上がるな」という指示に従ったまでのことだそうです。これでTBSの目論見はおじゃんになりました。
https://www.youtube.com/watch?v=g8Y5T_qTFsM
1968年1月3日 隅田川決戦 グレート草津 ルーテーズのバックドロップに沈む 1968年1月3日 日大講堂
しかし身長191�僂箸いβ膩織譽好蕁爾覆世韻帽餾櫂廛蹈譽垢皀瓮ぅ鷸邱腓傍�用し続け、欧州路線にチェンジしたことで「英国西部ヘビー級王座」「英国南部ヘビー級王座」をこしらえあげてタイトルを取らせました。これで草津は復活しましたがやがてタイトルは封印され、その後はタッグ路線を歩むことになります。杉山との凸凹コンビは好きだったなあ。この二人でパリに本部を置くというIWAの世界タッグ選手権を獲得。このタイトルを巡ってのラリー・へニング＆ボブ・ウィンダム(後のブラックジャック・マリガン)組との連闘の最終戦は国際プロレスとしては珍しくエクスタシーを見る者に感じさせるものでした。
この時期には英国のレスラー、ビル・ロビンソンとシングルマッチ45分3本勝負をセミファイナルで何度も行っていました。ものぐさな草津をロビンソンが引っ張った名勝負でした。いつも1-1で時間切れ引き分け。個人的には全日本にロビンソンが移ってからのジャンボ鶴田との試合よりも心に残っています。
やがて再度渡米。AWAの支テリトリーであるネブラスカ州で無敵の快進撃。AWA世界チャンピオンのバーン・ガニアにも挑戦しました。
https://www.youtube.com/watch?v=VSHUEameaO0
1971年のグレート草津 国際プロレス
しかし帰国してみるとかえって試合が雑になっていました。バロン・シクルナとの連戦もぱっとせず、金網デスマッチで売っていたラッシャー木村に対して「チェーンマッチの鬼」としてこの試合形式でAWA地区などで売っていたワフー・マクダニエルに勝ちましたが、プロレスマスコミからの扱いはともあれ、大きな人気にはつながませんでした。
AWAと提携していた国際はついに「最凶コンビ」ディック・ザ・ブルーザー＆クラッシャー・リソワスキーの招聘に成功します。草津はストロング小林と組んで愛知県体育館で金網マッチでこの二人のWWA世界タッグ選手権に挑戦しました。しかしルールをアメリカのものと同じだと思ったブル＆クラは二人を一方的にめった打ちしてダウンさせると、金網のドアを開けて脱出して控室に引き上げてしまいました。完全決着が見られると期待した8500人の観客は大激怒。暴動になりかったので国際側はお詫びとして当日の半券を持参すれば後日の大会に無料で入れるという措置をとりました。
さらに東京体育館で友情参戦したジャイアント馬場とのタッグで入場する際、「どうぞお先に」と言ったため、馬場はむっとしました。草津によればアメリカではエースや格上が先に歩くからということですが、馬場は日本ではそんなことは考えられなかったからです。これはかつて草津がテーズに挑戦して国際のエースになりかかった時に空港で馬場と出会い、「馬場さんは全日本のエース、僕も国際のエースです。エース同士、お互いに頑張りましょう」と言ってかつての付き人からこんなことを言われたで馬場は呆れかえりました。
草津はエースの座に就いたストロング小林がゲイであったことを馬鹿にし、これを吹聴して吉原社長と小林の仲を裂かせて、ために小林は居心地が悪くなり、新日本プロレスへ走ってしまいました。
昭和53年には全日本・国際・大木金太郎ら韓国勢との三軍対抗戦。ここで草津は木村と組んで馬場＆鶴田のインタータッグ選手権に挑戦し、果敢に馬場をとらえて攻めるも草津がフォール負けしてしまいました。ここで試合後に全軍対抗戦でシングル対決での因縁を引きずっていきり立つ木村と鶴田のあいだに割って入り握手にまで持っていくという草津の珍奇な行動はYouTubeでも見られます ↓
https://www.youtube.com/watch?v=DxizCmM9vFM&t=68s
そして1975年の全日本マットでのオープン選手権。豪華な外国人選手を主にアメリカから招聘したこの大会は「アメリカマットをからっぽにする気か」と言われたほど。日本人選手は国際から木村・草津・井上の3人。しかしここでも草津はぱっとせず、馬場とのシングル対決では「思ったより動けたな」と余裕しゃくしゃくの言葉こそもらったものの完敗。
そしてお互いに4の字固めをフィニッシュとするザ・デストロイヤーとは「4の字をかけられて負けたほうが百万円を支払う」ということで対決しましたが、4の字ではなかったものの、デストロイヤーがピンフォール勝ちしました。けっきょく草津はミスターレスリングに勝っただけの2得点に終わりました。
https://www.youtube.com/watch?v=OEjcFIQJQIM
1977年12月の「世界オープンタッグ選手権」にもラッシャー木村とグレート草津が国際プロレス代表チームとして参戦しました。この時は8点獲得。
木村＆草津のチームはマイティ井上＆アニマル浜口があったゆえにタイトルこそ獲得しませんでしたが、ここ一番という時の国際の看板チームでありました。
https://www.youtube.com/watch?v=-rsagHw8ek8
https://www.youtube.com/watch?v=KZA1BscipVA
https://www.youtube.com/watch?v=39IUDGwpw34
https://www.youtube.com/watch?v=oEUf_g9ieeg
https://www.youtube.com/watch?v=k97XHvuREP4
素質日本一とまで謳われたものの、とにかく練習嫌い。開花させることなく、試合中、リング下の板が割れ、その隙間に走っていた草津の足が嵌って右足首を骨折。長期欠場を余儀なくされて二度とリングに上がることはありませんでした。
国際プロレス崩壊後、草津は静岡県三島市にある湯沸かし器製造会社に転職しました。このとき訪問した人が草津から焼酎とオレンジジュースを混ぜた飲み物を振るまわれたことを岩波新書で書いています。
とにかく問題のある性格で9年前に私も訪問した浅草のスナックで国際女子部のエース、小畑千代さんも草津が嫌いだったから別行動を取っていたと話していました。
武蔵野市吉祥寺にある居酒屋「浜やん」の主人の息子の語ったところによると、来店してきた草津から「こっち来い、いいからこっち来い！」と言われ、寄っていくといきなり頭をがーんと殴られたそうです。
2008年6月21日午後1時5分、がんとの格闘後、多臓器不全のため死去。66歳没。
https://www.nikkansports.com/battle/news/p-bt-tp0-20080622-374807.html#goog_rewarded
グレート草津さん死去、がんと闘病も… 日刊スポーツ
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