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2024年04月28日14:22

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帰ってきましたー !!  日曜日のメインコンテンツは日本中世史 → 鎌倉時代と北条氏 46 「平家滅亡と新しい仏像と」 上

 平安時代末期、仏師の流派には京都に拠点を置く「円派」「院派」と、奈良の興福寺に拠点を置いて「奈良仏師」と呼ばれる集団が存在しました。ともに平安中期の仏師・定朝(じょうちょう)の流れを引いています。平家滅亡によって、皇族や大貴族が顧客であった京都仏師たちは鎌倉幕府から敬遠され、奈良仏師が重用されるようになりました。定朝の直系が途絶えた奈良仏師の作風を継承したのが康慶を祖とする「慶派」であります。

 1180(治承4)年、以仁王の挙兵の余波で平家による南都焼討が起き、東大寺や興福寺が消失すると、後白河法皇の命で東大寺の再建が始まりました。ここで活躍したのが康慶の息子・運慶と、康慶の弟子である快慶でした。

 東大寺南大門の金剛力士像の制作を指揮した二人ですが、運慶の写実的で力強い作風は武士の気質に合い、幕府関連の仕事を多く引き受けたのに対し、快慶の作風は繊細で優雅であったことから、主に皇族や都の貴族から仕事の依頼を受けたのです。そのため、地頭が全国の荘園を支配する武士の時代ということもあって、運慶の子孫や弟子が慶派の主流となりました。



参考文献

 『運慶 仏像彫刻の革命』 西村公朝・熊田由美子(著) 新潮社
 『院政期の仏像 ─定朝から運慶へ─』 京都国立博物館編集 岩波書店
 『週刊朝日百科』「康慶と運慶」「日本の国宝57 奈良/興福寺3」所収 山本勉(著) 朝日新聞社
 『仏教美術事典』 中村元・久野健(監修) 東京書籍、
  展覧会図録『運慶・快慶とその弟子たち』 奈良国立博物館

 『日本仏像事典』 真鍋俊照(編) 吉川弘文館

  シリーズ日本近世史2『鎌倉幕府と朝廷』 近藤成一(著) 岩波新書
 『もっと知りたい禅の美術』 薄井和男(監修・編) 東京美術
 『日本美術の歴史』 辻惟雄(著) 東京大学出版会、

 『日本中世の政治と制度』「武家政権について」
         岩田慎平(著) 元木泰雄(編) 吉川弘文館
 『日本中世の朝廷・幕府体制』 河内祥輔(著) 吉川弘文館
 『図説 鎌倉幕府』 田中大喜(編) 戎光祥出版

 『日本の中世国家』 佐藤進一(著) 岩波現代文庫
 『日本中世の朝廷・幕府体制』 河内祥輔(著) 吉川弘文館
 『弘前大学國史研究』第64/65号「武家政権について」
      佐藤進一(著) 弘前大学國史研究会
 『日本の中世国家』 佐藤進一(著) 岩波現代文庫
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