「ススキーノと共に」第８７６回は今年２月１９日に８２歳で亡くなった私の大学時代の後輩で博報堂に勤務していた中村好夫さんを偲び、９ヶ月前の去年７月１８日にこの番組にゲスト出演したときのものを再放送しました。
好夫さんは１９６２年に早稲田大学に入学し、早稲田大学混声合唱団（通称・早混）に入団した２年後輩。
この日かけた１曲目は私が３年、好夫さんが１年の時に一緒に歌ったバッハの『モテット��Jsu meine Freude 』は今でも覚えている大好きなフーガでした。
卒業後は私は放送局、中村さんは広告代理店という近い関係で度々会う機会もありました。
入社して３年目に早混の後輩・聖子さんが就活で会社訪問したことがきっかけで、上司の勧めで婚約し、卒業と同時に２６歳と２２歳で結婚しました。
この日の放送では結婚式で父の親友・いずみたくさんが作曲した『見上げてごらん夜の星を』（作詞・永六輔）を参列者全員で歌ったエピソードを披露してくれました。
また、お父さんが岩下志麻さん主演の「古都」「智恵子抄」など海外でも評価の高かった映画の巨匠・中村登さんでした。
２０１４年には「ベルリン映画祭」で中村作品が上映され好夫さん夫妻が正式招待されて父について講演しました。
実は去年５月「何もしなければ余命３か月」といわれて、抗がん剤治療をはじめて、「体力のあるうちに全国の会いたい人にあっておきたい」と真っ先に札幌に会いに来てくれ、私のラジオに出演してくれたのです。
今年１月１３日に届いた「寒中見舞い」には余命宣告を受けてから抗がん剤治療に踏み切った目標のひとつは愛妻の聖子さんなど大学時代の仲間の合唱団「早混OBOG合唱団」の１０月の演奏会に出演することであり、中村さんは車椅子で全ステージ出演しました。
最後に「皆さまからの数々のご厚情に恵まれたこと、寿命が分かって『お礼とお別れが言える人生』これもまた恵まれています。ありがとうございました。」と書かれていました。
私はこれほど死とまっすぐ向き合いながら肝の据わった言動、行動をして見事に天国に旅立った人を知りません。
亡くなった電話が神奈川県逗子の聖子さんからあった時「遺影の写真は山崎さんがラジオカロスで撮った写真を使わせていただきます」と言ってくれました。 合掌。
ログインしてコメントを確認・投稿する