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2024年04月14日15:14

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イランに思う。

この度のイスラエルへの報復攻撃はイラン・イスラーム共和国としてはある意味当然なのだが、相手が悪すぎたと思う。
得てして中東圏の国々は西側基準で非民主的な国が多いのだが、イランは内側に爆弾を抱えたような状況で、イスラエルの反撃に対して守勢に立てば国がバラバラになる可能性があるのだ。

その根拠は?と問われると、イランの行き過ぎた民族教育が国内各地でブーイングを受けていることにある。
https://www.arabnews.jp/article/middle-east/article_102478/
なんと児童教育課程でアラビア語を含む外国語教育を全面的に禁止したというのだ。
クルアーンで書かれているアラビア語は正則アラビア語(フスハー)と呼ばれ、拡張は高い(らしい)が文法がラテン語並みに複雑であり、難なく読めるようにするには暗記力のある子供のうちから刷り込んでいかないと間に合わないのだ。
イスラーム共和国なのにその聖典が読めぬ子供を大量生産するとはどういうつもりなのだろう。ちなみにイランの中でインド・ヨーロッパ系のイラン人にあたるのは全人口の6割程度であり、後はアラブ語(アーンミーヤと呼ばれる口語)やアゼルバイジャン語を話すのだが、これも公の場で禁止されるそうだ。最高指導者ハーメネイーはアゼルバイジャン系なのに何を考えているのやら。
当然ながらこんな無理のある教育方針は国民ほぼ全員からブーイングを浴び、イランにおける重要な政治資金源であるバザールが献金をやめたりするなどの騒ぎが国内のあちこちで発生している。一方で何を考えているのか最早不明だが、革命防衛隊の一部が暴走してパキスタンへ越境攻撃をして迎撃されたとのニュースも聞く。
決して民族的には一枚岩になっていないイランは空中分解してしまう可能性を抱えているのだ。もちろん当局としてはそれを座視するわけにもいかず、ちょうどよい?タイミングで発生したシリアへの攻撃を口実に対外戦争へ国民の興味をそらし、体制維持を図ろうとしているといえる。まぁ、殺されたらやりかえす、ということをきちんとしないとシーア派の盟主というメンツは丸つぶれになるし。

しかしこれはあまりにも危険な賭けだと思う。結局のところ200発を超えたミサイル攻撃のほとんどはイスラエルのアイアン・ドームに阻止された模様なので。イスラエルが本気に「報復の報復」に出たら何が起こるのだろうか?
イラン・イラク戦争ではホメイニーの自宅の敷地内にイラクのミサイルが着弾したため、大慌てで講和したという経緯がある。ハーメネイーはどう出るのか?

個人的にはイランにもイスラエルにも思い入れはないが(なのにペルシア語を勉強している)、イランはメンツのために虎の尾を踏んだとの印象が拭えない。
しかも実はイランはアラビア人(シーア派も含む)に余所者だと嫌われているのだ。それに危機感を覚えて上の民族教育強化をしたのだが、どう考えても頭の良い判断とはいえない。そんなはっきり言ってバカな国がほとんど戦闘国家といえるイスラエルと対等に渡り合えるのだろうか。
ホルムズ海峡閉鎖という手もあり得るがこれをやると、サウジ・UAEなどが干上がるためますます嫌われることになる。でもバカだからやってしまうかもしれない。行き着く先は国家の空中分解だったとしても。

自分は「ルバーイヤート」等を通じたペルシア文化の愛好者だが、それだけに今のイラン・イスラーム共和国の体制の酷さに呆れている。西側の民主主義が根付くとは思えないが、1979年の革命も知らない若者たちにイラン流イスラーム原理主義を押し付けるのには相当な無理があるだろう。ラフサンジャニやハターミーといった一部の政治家たちはそのことに気づいていたが、最高指導者とその側近によって身動きが取れなくなってしまっていた。その結果が今日のイランである。

第五次中東戦争になるかもしれんね、これは。

■イランからのミサイル イスラエルに着弾 政府高官「今後大規模な反撃する」
(TBS NEWS DIG - 04月14日 11:49)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=7825242
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