2輪のサーキット走行会で転倒した。
幸い身体へのダメージは軽微なものだったが、マシンが大破した。
無理やり修理すれば復旧も可能だとは思われるが、もう骨董品レベルの車種だったため、損傷した部品の交換在庫がこの世に存在するかどうかも分からない。
愛機を甦らせるには、長い期間と大金が必要となる。
コース上をバイクが横滑りしていく後を追って、自分も身体を丸めながらゴロゴロとアスファルトの上を転がっていくその瞬間、私の中で終わりを感じた。
18歳で免許を取得し、高校卒業と同時に趣味として親しんできたモータースポーツの世界とのお別れの時が来た。
永く趣味の大きな柱であり、私のアイデンティでもあったモータースポーツだったが、今後活動を続けても、ここまで以上の高みを目指すことは困難であろう。
自分の能力の限界を感じた。
マシンは廃車となったが、幸い借金も無く、身体も無事で、何より他の人を巻き込むことも無かった。
引き際としては丁度良い。
2輪もそうだが4輪でのスポーツ走行も、この機会を持って区切りをつけたいと思う。
今後、自動車は移動の手段として、穏やかに長く付き合っていきたい。
転倒した日のイベントのランチはやけに豪華だった。
新しい門出を祝う席に似合いそうな上品さがあった。
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