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2024年03月28日03:28

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【美術】文句無しの五つ星「大吉原展」

皆様、お今晩は。5月19日迄上野の東京藝術大学大学美術館にて開催されている驚愕の大展覧会「大吉原展」に行って参りました。その感想です。

この展覧会、開催前から一部の方から厳しい御意見があり、開催が危ぶまれたと言う経緯がありましたが、無事に開催されて本当に良かったです。関係者の方々に心からの敬意と感謝を申し上げたいです。

東京藝術大学大学美術館はちょっと特殊な展示空間になっていて、地下二階に第一展示室と第二展示室。そして最上階の三階に第三、第四展示室があると言う他の美術館では中々お目に掛かれない構造をしているんですが、今回は全部の展示空間を使うことによって今迄に語られてこなかった吉原の全貌とその歴史が体感できると言うこの機会を逃したらもう二度と同じ空間で一堂にかえすことが出来ない大変貴重な空間でして図録が銀子三千五百円ですが迷わずに購入致しました。

初めて知った事実も沢山あって、吉原での最上級クラスの娘娘である「太夫」は明治時代迄存続していると思いきや、一人の太夫を育てられるだけの太客が減っていったことから宝暦年間(1751−63)には吉原では居なくなったとか、江戸琳派の創始者である酒井抱一の奥方が小鶯女史(しょうらんじょし)と言う方で、書画にも長けていたことから抱一は彼女を身請けして正妻に迎えております。何と御夫婦の合作もあるとか。

今回の展示で驚いたのは大英博物館、たばこと塩の博物館、そして千葉市美術館のコレクションの豊かさでして、他にも細見美術館や、サントリー美術館も惜しげも無く良いものを出していますが、今回のメインビジュアルにも採用された喜多川歌麿の『吉原の花』ワズワース・アテネウム美術館が本作品を貸すのは二度目だとかで大変に有難いです。静嘉堂文庫美術館や出光美術館、さらに山口県立荻美術館・浦上記念館のコレクションも流石。

意外なのがボストン美術館やメトロポリタン美術館からの出展が無かった事でしたが、協力を仰がなくてもこれだけの作品を揃えられるんだと思いましたし、歌川豊春の四幅揃いの肉筆画掛軸である『四季三遊里風俗図』これが何と「個人蔵」と言う凄さ。これは欲しいわぁ。

そんな訳で日本美術ファン必見の展覧会として文句無しの五つ星を進呈させて頂きます。



https://daiyoshiwara2024.jp/index.html
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