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2024年03月25日00:03

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ならぬなら、なるまで待とう

漢字に限らず、日本語というものは難しいですが、
飲食店に入って注文をして出てきた時、持ってきた店員さんが、
「こちらカツ丼になります」
この言い回しに違和感を覚える人は多いですよね。


「『カツ丼になります』という事は、黙って見てたら、これからカツ丼になるって事なのかな?」
「これからカツ丼になるというのなら、今までは何だったのかって、前歴を知りたくなるよね」
「既にカツ丼である物を持ってきてるって事は、オーダーミスって事?」


色んなツッコミをしたくなる方もいるでしょうが、
飲食店の店員が『○○になります』といった言い回しを使うようになったのは、
1980年代からあったようですね。


もちろん『カツ丼になります』と言っても、これからカツ丼に変わるわけではありません。
【なる】には【変わる】以外にも『高さ5メートルにもなる銅像』とか『逃がしてなるものか』など、
色々な意味の【なる】がありますから、『カツ丼になります』も、
多くの意味の一つだと考えれば気にならなくなるかもしれませんね。


では『カツ丼になります』の【なる】はどういう意味なのかといえば、
【相当する】という意味のようですね。
建物の入り口を指して『こちらが正面になります』といった言い回しをしますよね。


遅くとも明治時代から【なる】は【相当する】の意味で使われてきたんですね。
ですから飲食店の場合、『カツ丼です』と直接的に言うのでなく、
『こちらがカツ丼に相当します』と婉曲に言っているというわけですね。


では普通に『カツ丼でございます』と言う方がベターなのかというと、それでもいいのですが、
『カツ丼でございます』は『カツ丼です』を単純に丁寧に言ったものですね。


『こちらがカツ丼になります』は、
さらにカツ丼を直接に指すことを避けた婉曲表現ですから、
どちらを使うかというのはそれぞれの飲食店の雰囲気に合わせて、
表現を選ぶのがいいようですね。


ある方が定食屋に入ってカツ丼を注文したんですね。
出てきた物を食べてみたら、どうもトンカツではない別の食材が使われてるみたいなので、店員さんに、
「これ、カツ丼じゃないでしょう?これは一体何ですか?」って聞いたら
「こちら、カツ丼になりすます」
カツ丼のなりすましは嫌ですよね。


ファーストフード店をあまり利用した事がない高齢者の方がお店に来ると、
注文の時に店員さんが戸惑うなんて事がありますよね。


「私、マックでバイトしてるんだけど、この間、お爺ちゃんが来て
『【芋の天ぷら】と【鶏の唐揚げ】をください』って言われたの」
「えっ、何それ?」
「私が困ってたら店長が出てきて『はい、
【フライドポテト】に【チキンナゲット】ですね』って、翻訳してくれたの」
高齢者の使う言葉は、もはや外国語扱いなんでしょうかね。


微笑亭さん太
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