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2024年03月09日14:55

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カラーパープル(The Color Purple)

 巨匠スティーブン・スピルバーグが1985年に手がけた名作映画「カラーパープル」をミュージカル映画としてリメイク。ピュリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの同名小説と、ブロードウェイでロングランヒットを記録したミュージカル版をもとに再映画化する。

横暴な父に虐待され、10代で望まぬ結婚を強いられた女性セリー。唯一の心の支えである妹とも離れ離れになり、不遇な日々を過ごしていた。そんな中、型破りな生き方の女性たちとの出会いや交流を通して自分の価値に目覚めたセリーは、不屈の精神で自らの人生を切り拓いていく。

主人公セリー役にはブロードウェイ版でも同役を演じたファンテイジア・バリーノを起用し、「ドリーム」のタラジ・P・ヘンソン、実写映画「リトル・マーメイド」のハリー・ベイリー、シンガーソングライターのH.E.R.らが共演。また、ブロードウェイ版でソフィア役を演じてトニー賞にノミネートされたダニエル・ブルックスが本作にも同役で出演し、第96回アカデミー助演女優賞にノミネートされた。製作総指揮にはスピルバーグをはじめ、オリジナル版に出演したオプラ・ウィンフリー、オリジナル版の音楽を手がけたクインシー・ジョーンズが名を連ね、アリス・ウォーカーのピュリッツァー賞受賞小説を原作に新鋭ブリッツ・バザウーレ監督がメガホンをとった。(映画.comより)





<2024年2月12日 劇場鑑賞>

 若かりし頃に旧作も見ました。当時、パンフレットが1000円(だったと思う)もして、今なら普通と思うかもしれませんが、あまりの高額に手が出なかったのを覚えています。当時、大評判で映画館も大入り満員。私も「これは見ておかなくちゃ」と勇んで都会まで出たのですが、残念ながらあんまり理解できなかったのでした。黒人女性が虐げられていたのはわかるのですが、その割には成功した裕福な黒人歌手も出て来るし、若かった私は、何をどう解釈すべきかよくわからなかったのです。「名作」の誉れ高い本作を理解できない自分が恥ずかしく、長らく黙っていたのですが、この度リメイクされたということで、飛びつきました。

 今回は年齢を重ねたぶん、理解しやすかったのと、ミュージカルになっていたので見やすかったですね。ミュージカルと言っても普通のセリフの部分の方が多く、違和感もなかったです。

 当時の家長制度のいやらしかったこと。よぼよぼの爺さんになっていても、女性を侮辱するしか知らない当時の男たちには辟易しました。主人公のセリーは大人しい女性で、母に習った裁縫の腕も確かです。それなのに、父親に「バカだ」とか「不細工な奴」とか散々罵られたうえに、かなり年上の男ミスターにむりやり嫁にやられてしまいます。ミスターは、最初妹を望んだのですが父は「あれはまだ若い。姉がいるからそちらからもらってくれ。バカだがよく働くから」とかなんとか言って、渋る男に押し付けたのです。なので、ミスターはセリーを虐待しっぱなし。好きでも何でもなかったのですから。そして、横暴な父親から逃げて来た妹が姉を頼ってやって来ると、その夜のうちに襲いかかります。抵抗した妹(当たり前だ)を大雨の中放り出し、殺さんばかりの仕打ち。妹は命からがら逃げてゆきます。

 それからミスターのセリーに対する風当たりも強くなるばかり。妹はもちろん、落ち着いた後は手紙など送ってくれているのですが、そんなもの見せるはずはありません。でも、セリーは苦境のなかでも、ふんばって子供たちを育てます。

 息子は父親に似ず、優しい青年でした。恋した彼女ソフィアは気が強く、バカにされることを決して許さない女性でしたが、そんな彼女ともうまくやっていけるはずでした。しかし、環境が悪すぎました。関係が破綻しただけでなく、白人の偽善によっても彼女は傷つき、ボロボロになってしまいます。でも、そんなときでもセリーは刑務所に通い続け、優しく接していました。

 近所にもう一人、黒人女性でありながら、また牧師の娘でありながら、華やかなシンガーとして成功した女性シュグがいました。彼女もまた、誠実なセリーを助け、また女性たちの地位向上に挑んでいたのでした。そんな環境にも押され、また父亡き後はその店が実はセリーたちのものだったことが判明したこともあって(母が残した財産であって、父が生きている間も彼のものではなかった。セリーたちは母の連れ子で彼は本当の父親ではなかったのです)、元々裁縫が得意なセリーは「セリーのパンツ」店を開き、成功してゆくのでした。

 前半の壮絶な虐待のことを思えば、後半の展開はセリーが恵まれているように見えるかもしれません。しかし、どんなに辛い時でも誠実な人柄を決して崩さなかったセリーは、みんなの信頼を得ていったのですね。冒頭で産むと同時に父親に取り上げられていた二人の子供にも、再会できました。この頃には、なぜか夫であるミスターも心を入れ替えて優しくなっているのです。

 見ていて辛い場面も多々ありましたが、やはりよい作品でした。このタイミングで再見できてよかった。「リトルマーメイド」のハリー・ベイリーも、出番は少なかったけれど、魅力的でした。おすすめです。
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