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2024年02月08日08:30

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小説「藻屑蟹」が現実に

今朝のニュースで聞いたとき「もくずがに…」と言葉に出た。

小説「藻屑蟹」は2018年読楽に掲載された赤松利市の作品で、
第一回大藪春彦新人賞を受賞している。
除染作業員をしたあとに小説を書き始めた赤松であるが、
その経験、除染作業現場や被災地で見聞きしたことが、かなり生生しい。
まるでルポルタージュのような印象の小説。

主人公は被災地のパチンコ屋で働いていた。
原発事故が起きて、パチンコ屋は大繁盛した。
最初に来たのは復興工事の土木作業員。
次に、除染作業員。
そして原発被災者。

自分が住むところも東日本大震災の被災地なので、わかる。
お金をもらっても使う当てがない、することもないので
パチンコ屋に押しかけるのだ。
前向きに将来の計画のためにお金を使うことができない人たち。
家族と仕事を失って、未来への希望が根こそぎなくなった人たち。

小説の話に戻る。
主人公は大金の報酬につられて「除染作業に人足を派遣する会社」に勤める。
電力からもらった金を中抜きして人足に渡すので、かなりの収入になる。
いやだったが、友人の頼みで断れず「1億稼いだら逃げる」と決めている。

人足のまとめ役の「おやじさん」と知り合う。
親切だし人あしらいが上手で技術もある、主人公はおやじさんを尊敬するようになる。
ある日、おやじさんから「焼身自殺」をするので手伝ってほしい、と聞いて
驚いた。
おやじさんは除染作業中のミスで高線量を浴び、体表には多数の皮膚腫瘍ができ、
内臓も破壊が進行していた。
「今朝の血便なんか、とろけた内臓を便器にぶちまけてるようだったよ」
と、おやじさんは淡々という。
説得など無駄だった。
おやじさんは自殺の経緯を書いた遺書を残して、ガソリンかぶって焼け死ぬ。
主人公は「火をつける役」。

この遺書をめぐって金儲けの話だの、遺書を奪うための殺人だの、
事件が次々に起きるわけだが、
おやじさんが自殺前に主人公に言う言葉、
「俺は高線量被ばくによる作業員の末路を知ってる。そりゃ悲惨なもんだ」
を読むと、高線量被ばくによる除染作業員の被ばく死が起きていたことがわかる。
もちろん小説の中だが、ルポ風の書き方から「もしかして?」と思わせる。

今回の汚染予想は220億ベクレル。
大金を見たことがない人間が「1億円札束の厚さ」を知らないように、
普通の方々では220億ベクレルの怖さはわからないと思う。
わからないからこそ、これを伝える記事はさらっと書き流す。
「広範囲の火事」なら「東京ドーム」何個ぶん、という言い方をするのだが、
220億ベクレルを、人間なら何人即死する、とは書かない。

「藻屑蟹」は原発事故発生に起因したさまざまな悲劇を描いて秀作だが、
中身は小説でなく、現実だ。
原発は実際に爆発し、今も大量の放射能が内部に渦まき、
除染作業はどこを目標にするか不明のまま淡々と続き、
事故の後始末が本当に終わる(デブリの取り出しと無力化)か全く見えない。
そして、こういう事故が起きる。たぶんこれからも起きる。

これまでも起きていたのではないか?

原発がある限り、日本のどこでこういうことが起きるか、想像がつかない。
広い無人の荒野を国土にもつロシアやアメリカの話ではない。
狭い島国、海に囲まれて逃げ場のない日本国では、無理な話なのだ。

なぜそれがわからない?

追記;(ウィキペディアから引用)
ベクレル(Bq)とは、1秒間に崩壊する原子核の数のことで放射能の強さの単位。
ベクレルなどの放射能の単位は、放射性物質から出ている放射線量を表す物理量であり、出てきた後の放射線が物質や生体に作用する程度はベクレルのみでは説明できない。
同ベクレルの放射能が存在しても、その人体への影響は線源の形状・遮蔽の評価、吸収線量や放射線の種類やそのエネルギーなどの条件によって異なる。

追記2;(TEPCOホームページから引用)
(シーベルトとは人体に与える影響を示す放射能の単位)

(例2)100Bq(ベクレル)/kgの放射性セシウム134が検出された飲食物を1kg食べた場合の人体への影響の大きさ
ベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)の換算例
100×(指数)=(ミリシーベルト)

※実効線量係数(mSv/Bq):ベクレルからミリシーベルト(mSv)に換算する係数。核種(放射性物質の種類)、化学形、摂取経路別に国際放射線防護委員会(ICRP)などで示されています。上の例では、原子力安全委員会の指針(発電用軽水型原子炉施設周辺の線量目標値に対する評価指針)で示された数値(経口摂取・成人)を用いています。なお、この数値は放射性セシウム134では1.9×10-5(10のマイナス5乗)、放射性セシウム137では1.3×10-5となります。
<換算例>
1マイクロシーベルト=0.001ミリシーベルト(千分の一)=0.000001シーベルト(百万分の一)
1テラベクレル=1,000,000,000,000ベクレル(1兆ベクレル)

追記3;
(単位はミリシーベルト)
1500 死亡率5%
2000から4000 30日以内に50%死亡
5000から7000 1週間以内に100%死亡
20000以上 数時間以内に死亡

追記4;
200億ベクレルとして、指数を2かける10のマイナス5乗とすると
4億ミリシーベルト。

■福島第一原発で“汚染水”5.5トンが漏れたか 放射性物質の総量は220億ベクレルとみられる
(TBS NEWS DIG - 02月07日 22:13)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=7741826
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