SLIMは探査機に分類される宇宙機だが、目的は「着陸」そのものにある。
JAXAが事前に発表していた資料に「サクセスクライテリア」もきっちり公開されている。
https://fanfun.jaxa.jp/countdown/xrism-slim/files/SLIM-presskit-JP_2308.pdf
ミニマムサクセスは「月面着陸の実施、光学照合航法の検証、軌道上での動作確認」なので、これは完璧にできたと言える。
フルサクセスが「誤差100m以下の高精度着陸、データ解析による探査機の正常動作確認と精度達成の確認」。これはデータ解析がおわるまではなんとも言えない。
エクストラサクセスとして「日没までの期間(月の1日は地球の約1カ月)の間、各種探査データ取得」があり、これには太陽電池が必要となる。
それ以前に地球周回軌道での軌道操作、月スイングバイを行って月に「後ろから」近づくことでとても超低燃費で月周回軌道に入り、月周回軌道でも何度かの軌道変更を行っている。これだけでいくつもの難しいチャレンジをクリアしてきている。
着陸そのものは全自動で(地球からのコマンドではなく、探査機が画像処理などで自動的に実施)おこなわれた。
搭載されていた超小型探査機の放出も成功した。
あとは「ピンポイント着陸」という最難関がどうなったか、これはデータ解析が終わらないと断言はできない(着陸後の重力加速度データが1.627メートル毎秒毎秒となっていたので着陸はできている可能性は高い)。
成功か失敗か、ではなく「どこまで成功したか」を理解しないと宇宙開発はわからない。特に今回のSLIMのような「あれもこれも世界初の技術の塊」は地上で完璧な実験はできないので「実際にやってみないとどうなるかわからない」ことだらけだ。
姿勢が崩れた可能性、日陰に入ってしまった可能性などが太陽電池の問題の原因として挙げられているが、どちらも「日が当たれば動く」可能性はある。
今後のデータ処理、可能性に期待して待とう。
■月での着陸姿勢が影響か 探査機「SLIM」で太陽電池のトラブル
(TBS NEWS DIG - 01月20日 12:13)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=7718490
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