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2024年01月04日16:50

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【Belle Époque】映画『ポトフ 美食家と料理人』

 
12月27日(水)、ユナイテッド橿原にて朝イチ鑑賞。
観客は女性4人、うち2人は この劇場であまり見かけない若いオシャレ系の女性。


公式 https://gaga.ne.jp/pot-au-feu/



今、この日記を書くため、ギャガ公式の予告編動画をチェックしたら、概要欄は
「料理の過程」と「レシピの腕比べ」にフォーカスした紹介文になっていた。
あれれれ?

いや、確かに表面的なあらすじはその通りなんだが、本当に描きたかったことは
「最高の料理を作る挑戦」ではない気がするんだけど…。

ベルエポックを生きた美しく豊かな人々。大人男女の滋味深い愛。突然の喪失。友情。
天才的味覚をもつ美少女の静かなひたむきさなど、複雑な味わいを醸した作品だった。
それはあたかも、ウージェニーが魔法のように作り出す繊細な料理のごとき世界。


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ドダンがプロポーズの指輪を隠したデザート皿のポワールは官能的な佇まいだった。
それと瓜二つの姿でベッドに横たわったウージェニーが、寝室を訪ねたドダンに囁く。

「私は今まで、あなたが私の寝室にやってくるのを、何度も何度も夢想してきたわ。
 たった2度だけ、夢想をしていたら、本当にあなたが入ってきたことがある…」

いつも冷静に振舞っていたウージェニーが、実はツンデレだったとは。笑
これぞ大人の男女の駆け引きだなぁと感心した。


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林の中に長テーブルを出し、たくさんの友人たちと婚約祝いの食事を囲むシーンは、
ルノワール「舟遊びの人々の昼食」よりも優雅で美しく和やかな場面だった。

緑に包まれて幸せな微笑みを交わすドダンとウージェニー。
自立した2人の人生は最高潮に輝き、さらにこれから…との希望に満ちていた。


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光の輝きが強いほど、その後の暗転は際立つ。ドダンは突然の悲しみに襲われた。

ドダンを絶望から救ったのは、ドダンとウージェニーの友人たちと少女ポーリーヌ。
彼らの地道な寄り添いと働きかけで、ドダンは少しずつ立ち直っていった。



以下は鑑賞直後のつぶやき。傑作に興奮している。

橿原で『ポトフ』鑑賞。どうしても観たくて早起き、通勤渋滞1時間ドライブに挑戦した甲斐があったわと大満足の名作! 美しかったぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)

無言のドダンが林の中の白い花の小道を、下手から上手に突っ切るシーンで、何故だか涙が込み上げた。
この深い味わいは、観た人にしか分からない。劇場公開を逃さなくて良かった!

アジア系監督ではトラン・アン・ユン監督とバズ・プーンピリヤ監督が「私のお気に入り」。ウォン・カーウァイ監督より断然好きww

https://mixi.jp/view_voice.pl?post_time=20231227120225&owner_id=1833905



参考に、ギャガ公式の作品紹介も引用しておく。

食を芸術に高めた二人に心と味覚を揺さぶられる新たなるグルメ映画の金字塔!
【第76回カンヌ国際映画祭〈監督賞〉受賞】名匠トラン・アン・ユンが描く、
料理への情熱で強く結ばれた美食家と料理人の愛と人生を味わう感動の物語

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19世紀末、フランス。森の中に佇む美しいシャトーに暮らす有名な美食家ドダンと天才料理人ウージェニーが、究極のメニューを次々と創り出す。ウージェニーを演じるのはオスカー女優のジュリエット・ビノシュ(『ショコラ』『真実』)、ドダンにはブノワ・マジメル(『ピアニスト』『愛する人に伝える言葉』)。深い絆と信頼で結ばれ互いをリスペクトしているが、プロとして自立しているウージェニーは、ドダンのプロポーズを断り続けてきた。そんな二人の料理への情熱と愛の行方が描かれる。

監督は繊細な映像美で高く評価されるトラン・アン・ユン(『青いパパイヤの香り』『夏至』『ノルウェイの森』)。調理過程の撮影はワンカット、魚や肉を焼く音が音楽、ミシュラン三つ星シェフのピエール・ガニェールが完全監修。新たな文化が繁栄した時代“ベルエポック”に、“美食”もまた芸術のひとつとして追求された。つまり、〈食〉とは一大エンターテインメントだということ。その深さと楽しさを存分に堪能させてくれる、〈新たなるグルメ映画の傑作〉が誕生した!

<STORY>
〈食〉を追求し芸術にまで高めた美食家ドダンと、彼が閃いたメニューを完璧に再現する料理人ウージェニー。二人が生み出した極上の料理は人々を驚かせ、類まれなる才能への熱狂はヨーロッパ各国にまで広がっていた。ある時、ユーラシア皇太子から晩餐会に招待されたドダンは、豪華なだけで論理もテーマもない大量の料理にうんざりする。〈食〉の真髄を示すべく、最もシンプルな料理〈ポトフ〉で皇太子をもてなすとウージェニーに打ち明けるドダン。だが、そんな中、ウージェニーが倒れてしまう。ドダンは人生初の挑戦として、すべて自分の手で作る渾身の料理で、愛するウージェニーを元気づけようと決意するのだが ── 。

監督:トラン・アン・ユン 
脚本・脚色:トラン・アン・ユン 
料理監修:ピエール・ガニェール 
出演:ジュリエット・ビノシュ ブノワ・マジメル



https://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=1833905&id=5625982


あらゆる瞬間が美しい!
全編うっとりする魅力に満ちた、違いがわかる大人のための映画。

長編デビュー作『青いパパイヤの香り』で女性たちと食べ物を瑞々しく描き、観客を虜にしたトラン・アン・ユン監督の美意識が、本作では円熟味を増して眩しかった。

19世紀末フランスの自然豊かな一軒家を舞台にした、大人の恋愛物語。
全編劇伴を排し、BGMは鳥のさえずりや虫の声だけ。自然の音がとても心地よかった。

また叙情豊かな映像は、数々の西洋名画を彷彿とさせた。
窓から斜めに光がさすキッチン内は、フェルメールのよう。緑いっぱいの屋外風景はルノワールやモネを思い出させた。そして、美食家ドダン(ブノワ・マジメル)の20年越しプロポーズに応えた天才料理人ウージェニー(ジュリエット・ビノシュ)がベッドに横たわる姿は、まさにアングルの「グランド・オダリスク」だった。
光のコントロールが素晴らしく、どのシーンも気品高い色調で完璧に統一されていた。

ラストシーンにも驚いた。なんと、溝口健二の『雨月物語 』!
まさか、1953年発表の伝説的トリック撮影を、外国人監督がオマージュするとは…。しかも見事な映像本歌取りで、儚い幸福の余韻をファンタジックに表現していた。感服。

エンドロールになって初めて流れる音楽「タイスの瞑想曲」は、詩情あふれるゆったりした調べが最高だった。バイオリンの印象が強い曲だが、ピアノ独奏の方が渋くて、落ち着いた物語にマッチするなと感じた。演奏も巧かった。ユン監督の美意識は、作品の隅々にまで行き渡っていた。

主演のジュリエット・ビノシュ(59歳)とブノワ・マジメル(49歳)は、実際にカップルだった過去があるそう。道理で2人はしっくりしていた。一流のプロフェッショナルとして互いを尊敬し信頼すると同時に、魅力的な大人の男女として愛し合う関係は理想的だった。

料理はとても美味しそうだった。作る手間を見て(あ、これは無理…)と感じた。苦笑 フランス料理はソースが命だとよく分かった。ふんだんにバター等を使っていたが、調理器具や食器をどんなふうに洗っているのかが主婦目線で気になった。
劇場を出たのはちょうど昼時だったが、あれだけの料理を見た直後につまらないものを食べると残念感が倍増しそうなので、水だけ飲んで帰った。笑


 
【INDEX】映画/舞台 関連日記(3)
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映画.com https://eiga.com/movie/99300/
Filmarks https://filmarks.com/movies/109460


【監督インタ】

◆仏料理人と美食家の絆を描き、カンヌ 監督賞を受賞したトラン・アン・ユン
  自身の人生を反映し、夫婦愛を表現
 https://crea.bunshun.jp/articles/-/45647

◆『ポトフ 美食家と料理人』トラン・アン・ユン監督インタビュー
 「味覚、嗅覚という感覚的記憶を呼び覚ますような映像を提供したい」
 https://ginzamag.com/categories/interview/431209

◆『ポトフ 美食家と料理人』トラン・アン・ユン監督 最も難しいのは空気感の創出
 https://cinemore.jp/jp/news-feature/3274/article_p1.html

◆『ポトフ 美食家と料理人』トラン・アン・ユン監督が語る
 https://lp.p.pia.jp/article/news/300913/index.html?detail=true

◆名匠トラン・アン・ユンが『ポトフ 美食家と料理人』で再び魅せる“料理と官能”。
 https://lee.hpplus.jp/column/2829497/


トラン・アン・ユン監督 インタ  https://youtu.be/7IHBk2l6EFc
ブノワ・マジメル    インタ  https://youtu.be/0UriIM-_E-Q
ジュリエット・ビノシュ インタ  https://youtu.be/BvFNJBbmL7Y


【評論】

「ポトフ 美⾷家と料理⼈」 五感の全てを刺激する料理の演出
 https://hitocinema.mainichi.jp/article/weekend-cinema-potaufeu

官能に通じる美食の道 
グルメなトラン・アン・ユン監督が作った真のグルメ映画「ポトフ」
 https://hitocinema.mainichi.jp/article/interview-anhhungtran-lapassiondedodinbouffant


【完全ネタバレあらすじ】
 https://tanpopojyo.exblog.jp/33608258/


 
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