映画「ベビーシッター・アドベンチャー」（87)

「ホーム・アローン」「ハリー・ポッター」シリーズのクリス・コロンバス監督の監督デビュー作『ベビーシッター・アドベンチャー』（87）を見ました。

これ公開当時「えらい面白い」と評判で、そのうち監督が、どんどん出世して行くから「やっぱりね」と思いました。

ボーイフレンドとのデートがパーになった女子高生が、マセガキ3人のベビーシッターのバイトをしたら。

ちょっとしたボタンの掛け違いで、ピタゴラスイッチの様に、状況がどんどん悪化し、シャレにならない犯罪集団から追われる事になり、一晩、逃げ回る話。

郊外の安全な住宅街に住んでいる子供が、治安の悪いダウンタウンに紛れ込んだら、怪物や悪魔がいなくても、命の危機になる、って話なんだよね。

あと大人と子供のゾーニングの話なんだな、と、今回、見て思いました。

大人が出入りするパーティーや店には、子供は絶対、入れないし、だからこそ、そこに入ってしまったこの映画は輝く、と言う。

あとはもう、「いちゃいけない場所に、いちゃいけない人たちが集まって出会わない様に右往左往する」とか、「余計な事を言って（もしくはやって)、状況が劇的に悪化する（もしくは改善する)」の繰り返しで、「情報格差による緊張と弛緩のテクニック」の見本市です。

散々、危険な目に遭ったのに、最後、親より早く帰宅して、ずっと家にいたフリが出来るかどうか、のサスペンスになるのもいいよな。

個人的には、視点をあくまで高校生のヒロインに据えて、あまり子供に寄らないのにも、感心しました。

一晩のうちに、恋と友情が生まれ、また終わる恋もある、ちょっと切ない話でもあるが、切なさの方に寄せてないのが上手い。

まあしかし、ジャンル問わず、傑作は今、見ても古びませんな。
これなんか40年近く前の映画なのに、全然、古くない。

なお、劇場公開時は、メインビジュアルのバックに義手の男がイメージイラストで描かれてましたが、この映画に出てくる義手のおじさんは、いい人です（笑）