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2023年11月29日04:00

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大根 (だいこん)

 立冬を過ぎて寒さが増すと「大根」の出番が多くなります。おでんでの存在感はもちろん、ブリ、イカ、牛肉などとの相性もよく、煮物全般に大活躍。頬張れば、柔らかい歯ざわりのとともに、熱い出汁がしみ出してきます。
 大根が主役にもなるこの季節、あらためて日本における大根の歩みを追ってみましょう。いまは、根の上部が緑色を帯びた「青首大根」が私たちの抱く大根像かもしれません。しかし、各地にはゆかりの地名などを冠した大根が多様に存在してきました。

 漢字では「大根」。ダイコン属は意外にもアブラナ科です。原産地も意外で、野生種は地中海または中央アジア。栽培種も中央アジアかと。諸説あるようですが。
 4000年以上前に古代エジプトではすでに栽培されており、ピラミッド建設の人夫たちは、たまねぎやにんにくとともにだいこんも食料にしていました。

 日本への渡来は古墳時代とされています。
 大根の種は腐りやすいため、化石として遺りにくく「何年前の遺跡から発掘」といった成果は上がってきていません。ただし、土中の花粉には大根の属するアブラナ科のものが多く見つかっており、稲作より前に大根は日本に広まっていたとする説もあるのです。

 大根についての最古の記録は、712年成立の歴史書『古事記』における仁徳天皇の歌にあります。
   「<つぎねふ山城女の木鍬持ち打ちして淤富泥(おほね)
     根白の白腕(しろただむき) 枕かずけばこそ 知らずとも言わめ」
 この歌は皇后に向けて詠んだもの。「淤富泥」が大根を指します。「木の鍬で育てた大根のように白いあなたの腕を枕にしたことがなければ、知らないと言うだろう」と歌っています。昔は「大根」を身体のよい喩えに使っていたようです。
 仁徳天皇が在位していたとされる4世紀、すでに木鍬で大根が育てられていたこともうかがえます。
 平安時代中期の律令を定めた『延喜式』にも大根の記述があります。当時は「蘿菔」と書いて、やはり「おおね」とよんでいました。<営蘿菔一段。種子三斗。惣単功十八人>などとあります。大根の畑1段分につき18人の労力を使ったといった栽培法が記されているのです。

 大根は「すずしろ」と称されており、「だいこん」と呼ばれるようになったのは室町時代以降とされています。
 ちなみに日本原産の野菜は独活(うど)や、芹(せり)、三つ葉、蕗(ふき)、山葵、自然薯など数えるほどです。 大根や茄子、蕪、茗荷や葱などは古くから食べられていますが、海外から伝わったものと考えられています。 牛蒡も古くに中国大陸から伝わったとされていますが、食用としているのは主に日本で、他の国ではほとんど食用とはされていません。

 ダイコンの葉はビタミンAを多く含み、青汁の原料として使われます。汁はビタミンCやアミラーゼを多く含みます。
 大根にはビタミンCや消化酵素のアミラーゼ、辛み成分のイソチオシアネートが含まれており、これらの成分はいずれも熱に弱く生食がベストのようです。
 消化を助ける酵素や、デトックス作用があるイソチオシアネートが豊富。 これらの成分をとり入れる大根おろしダイエットは、控えめな食事量でも必要な栄養素を無駄なく吸収しつつ、有害なものを排出することで健康的に減量できると考えられています。

 古くは「おおね(大根)」、春の七草では「すずしろ(清白)」。英語のradishはラテン語で「根」を意味する radixが由来ですが、日本のダイコンとは種類が違うので、本邦のものはdaikon radishと区別されます。

 日本には弥生時代には伝わっており、奈良時代の歴史書『日本書紀』にも記され、仁徳天皇の歌に「於朋泥」(おほね)として登場するのが最も古い記録です。

 春に種をまいて、6月以降に収穫する「春まき」と、5月以降に種をまいて8月頃に収穫する「夏まき」、そして、9月頃に種をまいて11月以降に収穫する「秋まき」の3季で栽培することができます。
 東京近郊なら、春まきは3月上旬から4月中旬までがベスト。秋まきは9月の第2週頃がベストシーズンです。

 東北大学などの研究で、500品種ほどある世界のダイコンは4種類のルーツがあり、日本のものは独自のグループなのだそうです。

 我が国でもっとも出回っているのが青首大根。色が白くクビが青い例のやつです。桜島大根や三浦大根、練馬大根などは、サイズが不揃いで流通に不都合な面があったため、全国的に出回っていないそうです。

 ご当地ダイコンは他にもいろいろありますが、ゴボウのように細長くて2mにもなる守口大根はその名のとおり、大阪の守口市が原産ですが、現在は名古屋や岐阜県の名産となっています。

 味噌汁の具、たくあん、煮物、おでん、大根おろしあたりがお馴染みですが、レシピはこちら ↓
https://mariegohan.com/12030
 豚の角煮にも欠かせませんよね。

 JAグループのサイト ↓
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=4
   秋・冬の旬野菜 ダイコン

(2023年07月21日のmixiの「野菜大好きっ!●自然大好きっ!」に投稿したものに大幅に加筆しました)
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