ウルトラマンタロウ第32話　『木枯らし怪獣！ 風の又三郎 』

健一くんと、「空想屋のドンちゃん」と呼ばれる不思議な転校生の友情を描いた良質なジュプナイル。

嵐が近づく中、ドンちゃんは望遠鏡を通じて、怪獣グロンの姿を健一たちに見せる。

ドンちゃんが怪獣を呼ぶんだ、と責めたてる級友たちから、健一はドンちゃんを庇う。

果たして突風を巻き起こす怪獣グロンが現れた。

ZATが出撃するが、健一とドンちゃんがグロンの頭の上に乗ってしまったため、攻撃できず……。

ドンちゃんはニコニコ笑うだけで、セリフを発しない、不思議な少年です。

一方のグロンは、タロウ怪獣らしく、その出自や生態は語られませんが、嵐の中に潜み、風を武器にするなどキャラクターは際立っています。
その特徴的な一つ目で、泣いたりするユニークさも。

グロンの頭上から脱出する為、力を合わせるドンちゃんと健一君を、タロウが助けます。

光太郎さんとしてコンドルに乗っていた時から「グロンが息を吸う時に、口に栓をすればいいのではないか」と言っていたタロウは、前話に続き、ブレスレットで栓をして、グロンは体が膨らみ爆発！

せっかくウルトラの母に貰ったブレスレットが活用できてないので、ここに来てテコ入れでしょうか？

グロンは倒されたが、ドンちゃんは転校してしまった。

しかし健一くんには、空を舞うドンちゃんのコウモリ傘が見え、「ウルトラマンを好きになったよ」と言うドンちゃんの声が聞こえる（劇中では、ドンちゃんの声はここで初披露）。

ドンちゃんの名を呼ぶ健一君が見ている方向を見て、満足げに頷く荒垣副隊長に、他の隊長たちが「自分たちには何も見えないけど、副隊長、何か見えるんですか？」と尋ねる。

ここでの回答が、荒垣副隊長の、しいてはウルトラマンタロウという作品の魅力だと、僕は思います。

なお、この話も上野隊員は欠席。
そのせいか、森山隊員が地上戦で大活躍します。