震災で壊滅、再建された蒸留所を親から継いで切り盛りし。
その時に失われた「幻のウイスキー」を再現しようと奮戦する、早見沙織声の若女社長の「泣いて笑ってケンカして」を描いた『駒田蒸留所へようこそ』。
俺も、早見沙織声の女社長の会社で働きてぇ。
これも良かった。
凄く良かった。
これ昔なら、女社長・琉生さんの、ド根性細腕繁盛記になると思うんですよ。
そこを、彼女を取材する、ゆとり世代のニュースサイト記者 高橋くん(ダメ人間)の視点で描いているのが、凄い今風。
「若くしてウイスキーのブレンドの天才で、会社を継いだ天才。完璧超人はいいよなー」的な。
高橋くんは、仕事にやりがいがないし、つまんないし、上司に怒られるし、「辞めようかなー」とか言ってる訳です。
中盤まで、他人行儀で社交辞令なお付き合いだった二人が。
ウイスキーを味見した後、琉生さんが味の情報を書きこむテイスティング・ノートを、うっかり高橋くんが見てしまい。
その恥ずかしい内容(これは実際、映画で見てほしい)を社員の前で撒き散らされるという羞恥プレイに、琉生さん激怒。
二人が「生の感情」をぶつけてから、映画は加速します。
あとウイスキーには。
「原酒を少しづつ混ぜて、味を調整する」というブレンドの面白さと。
「作ってから、何年か寝かす」という、タイムカプセルの様な面白さもあり。
そこも、上手く活かされておりました。
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