日本が抱えているリスクについて考えてみると、それはやはり東アジア情勢でしょう。台湾有事は起こるのであろうか。中国が台湾に軍事侵攻するようなことがあれば、アメリカのバイデン大統領は「台湾を守る」と言っていますから、アメリカ軍が出動することになるでしょう。
どこから出動するのか。沖縄のアメリカ軍基地からです。中国がアメリカ軍に攻撃させないためには、そもそも出動する前に基地を叩いておくのが一番です。となると、沖縄のアメリカ軍基地が攻撃を受けることになります。
それは日本の領土が攻撃を受けるということですから、日本の自衛隊が自国を守るために出動する、あるいはアメリカ軍と行動を共にするのです。そこで岸田政権は、防衛費を増やすと宣言し、防衛力強化に大きく舵を切りました。しかし中国にしてみれば、いま軍事侵攻をすれば大きな打撃を受けます。
ロシアによるウクライナ侵攻で、ロシア側が酷い目に遭っていることもわかっていますから、いますぐ台湾に軍事侵攻することは考えにくいでしょう。ただし頻繁に軍事演習をすることによって、台湾の人々をすっかり精神的に萎えさせてしまおうとしています。
「もういい加減、こんな生活はいやだ」となれば、中国との関係を改善しようという国民党に政権を任せたほうがいいのではないかと考えるようになっても不思議ではありません。国民党が政権を取る可能性は十分にあります。つまり中国の習近平国家主席は、孫子の兵法にある「戦わずして勝つ」という戦略を持っているのではないでしょうか。
「軍事的なオプションを放棄しない」という言い方をしながら脅し、ひたすら軍事演習を続けることで台湾の人たちをうんざり、くたびれさせて、柿が熟して落ちてくるような形で台湾を手に入れようとしているのか。中国がこうしたビジョンを持っているとしたら、日本としてはどういう対応を取るべきか考える必要があります。
防衛費をどうすべきなのか、いったいいくらならふさわしいのか、どう使って備えていけばいいのか、私たちはこれからリアルに考えていかなければなりません。防衛費の増額が是か非かではなく、何が必要で何が必要でないのか、あるいは何が近々必要で、何はもう少し後でもいいのか。
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