暑い夏をやり過ごすには、寒い地域の音楽よりも暑い地域の音楽がよい。なぜなら、寒い国の音楽は暖かい部屋で聴くようにできていることが多いから。
でも、シベリウスの音楽は部屋の温度を冷やしてくれる効果があるようだ。コリン・デイヴィス/ロンドン交響楽団の交響曲全集を聴いてそんな気分を味わった。
シベリウスの交響曲と言えば、第2番がダントツ人気で演奏会のプログラムにもよく載る。
次は、強いて言えば第5番かせいぜい第7番あたり。私的にも第5番を好むがその他は殆ど聴いていない。
改めて第1番から聴いてみて、7つの「性格」ならぬ「骨格」があることを知る。第1番からすでにシンフォニストとしての風格を見せるのは流石。
第2番はよく聴いているせいもあるが、ちょっと冗長に聞こえたりする。
第3番はオッコ・カム/ヘルシンキ交響楽団のレコードを持っていて、とくに第2楽章の演歌チックなフレーズの美しさに惹かれていた。感想はおんなじ。
第4番は最高傑作の名にふさわしい。無駄なフレーズは一切無い引き締まった筋肉質な音楽だけど、けして退屈な訳ではない。カラヤンのレコードを聴き直してみよう。
痔5番はカラヤンの演奏で聴き慣れているせいか、ちょっとねっとりした印象も。
一番聴いていなかった第6番が実は本日一番の発見。もっとも涼しげな交響曲でもあり、第1楽章から第4楽章までお好みのフレーズ満載だった。これからじっくり聴いてみよう。
第7番も割と聴いているが、孤高の境地という印象は変わらない。
7つの骨格は時間をかけて味わってみる必要がありそうだ。
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