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2023年09月09日18:30

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【再鑑賞】『バービー』が人間になるまで

 
8月30日(水)、『Barbie』吹替版を大和郡山で鑑賞。2回観た作品は今年初。

シアター内が明るいうちに着席した観客は女性3人だったが、予告が始まってから
�ゞ遒厩�みカップル、�△�ばさん、さらに本編開始後、��ギャル2人組が入場。


初見の感想日記は、ライアン・ゴズリングが演じた老けケンの話が中心だった。

 【それぞれの自分探し】映画『バービー』 8月17日鑑賞
  https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1985796992&owner_id=1833905


【前編】ハリー・ポッター越えの大ヒット!!映画「バービー」【町山&藤谷】


【後編】祝!日本でも大ヒット!映画「バービー」【町山&藤谷のアメTube】



再鑑賞では女達についての「発見」が多かった。初回は何となく見過ごしていた。
ラストがバタバタする点だけは惜しいが、よくできた作品だと思う。



冒頭、赤ん坊人形で粛々と遊ぶ幼女達は、本当につまらなさそうな表情だった。
赤子の世話だけでなくアイロンがけなどの家事もしていた。将来の練習だった。
大人から「社会の期待に沿うよう仕向けられて」= 玩具をあてがわれていた。

そこへ、モノリスよろしく巨大な初代バービーが降りてきて「文明に触れる」。
幼女達は「こんなことやってられっか!」と今までのおもちゃを破壊する。笑
コメディだけど、意外とシリアスなものも内包していることが提示されていた。

フォト



ピンクと水色に彩られた理想郷で、主人公の定番バービー(マーゴット・ロビー)は
楽しく暮らしていた。綺麗な家に美しい衣装。しかしある日、次々と異変が…。
定番バービーは、友人バービー達の勧めで「変てこバービー」に相談しに行った。
定番は「変てこ」に対する偏見があったものの、「変てこ」は賢く親切だった。

フラットな足ではビルケンシュトックを履くしかないのに、定番は抵抗した。
答えは決まっているが「自分で選んだ感を持たせてやろうとした」のに!と変てこ。

けれど定番は、家と自信を持つものの、頭の中身はケンと大差ないようだった。
(定番は後発のバービー達と違い、綺麗なだけで「職業」もなかった)
(職業があればいい、という話ではないけれど)



定番バービーと老けケンは、バービーランドからカリフォルニアにやってきた。
人間の男達の下卑た視線。バービーに手を出す輩も。反撃して逮捕される人形達。
逮捕されてもケンはめちゃくちゃ楽しそうだ。笑 でも、バービーは戸惑っている。
人間界は「何もかもうまくいく」世界ではないと気づいたから。

バス停で腰掛け、持ち主の居場所をひとりで想像するバービー。(ケンは別行動に)
その時、彼女の視界にはとても多様な人々や自然が入ってきた。思わず涙する彼女。

「とても胸が痛いけど、なんだか素敵」

このシーンは意外と重要だった。
「定番バービーが、人間界の奥深い魅力に目覚め、やがて人間になりたいと思う」
布石だった。


ベンチの反対側にいた、バービーランドには存在しない「老女」を見て、バービーは
「あなた、綺麗」と声をかける。老女は「知ってる」とだけ答えて微笑む。

普通なら「ありがとう。あなたも綺麗よ」とか言いそうなところを、
「知ってる」一言だけで返す老女の自信に惚れ惚れした。そういう感想は多い。

ここで見落としてならないのは、定番バービーの「価値観の変化・広がり」だ。

もともと彼女は、老化サインである「腿に少しのセルライト」すら許せなかった。
それが、白髪でシワだらけの老女を見て「綺麗」と感じるまで心が成長していた。

定番バービーは、鋭敏な感受性、すばやい吸収力、心の柔軟性を持つキャラだった。
「何者でもない」彼女は、可能性の塊だった。



中学で、バービーは自分の持ち主と思しきサーシャを見つけ、話しかけた。
自分の価値を信じていたバービーは、サーシャに完膚なきまで自信を打ち砕かれた。
「ルッキズムで女性を苦しめ、フェミニズムを50年後退させたファシスト!」と
罵倒され、思わず泣きながら逃げ出すバービー。人間界に来てからよく泣いている。

人形が「泣く」という表現で、その内面が人間に近づいてきたことを示している。


マテル社に連れてこられたバービーは、化粧箱に入るよう促され、素直に従った。
再出荷されれば今までの問題はリセットされる。それが本来の望みだったはず。
ところが、彼女は間一髪で逃げ出した。なぜ?

社内を必死に逃げ回るバービーは、不思議な部屋にたどり着いた。
バービー人形の生みの親であるルース・ハンドラーが、キッチンで創作していた。
彼女にお茶(カップは日本?の風景柄)を出され、「あなたはありのままで美しい」
「今の方が素敵」と励まされたバービーは、戸棚から逃げ、外の世界を目指した。

社屋を出ると、マテル社秘書のグロリアが「早く乗って!」と車から叫んだ。
グロリアはサーシャの母で、バービーといろんな鬱遊びをしていた張本人だった。
それを聞いて呆れるサーシャ。激辛の彼女は反抗期もあり、母親を疎んじていた。

しかし、母がバービーを救うために追っ手と派手なカーチェイスを繰り広げると、
サーシャは母親を見直した。母が溜め込んでいた愚痴も聞いてその思いを理解した。
母娘の関係が「一人前の個人同士」のつながりに変化した。



追っ手から逃れるため、バービーランドに来たバービー・グロリア・サーシャ。
しかし、女の子の楽園は「家父長制のケンダム」に変貌していた。
老けケンに家を奪われ、ドレスを投げ捨てられて、定番バービーは心が折れる。

(投げられた服を見て「それは限定の!」「あれ持ってた!」「私着れるかも」と
 グロリアとサーシャが叫ぶのが面白かった)
(心折れたバービーが不貞腐れてひっくり返る様子が人形らしい姿で笑えた)

不貞腐れたバービーを見限り、現実世界に戻りかけたグロリアとサーシャは、
「ケンダムは嫌だから僕も連れて行って」と頼むアランに声をかけられた。
「彼らがレンガを横にも積める(壁を作れる)ようになったらもう行けないから」

レンガを縦にしか積めないおバカなケン達と、バービーランドを見やったサーシャは
「戻ろう!バービー達を助けなくては!」と決断、母やアランと共に舞い戻った。
(弱っちそうなアランが、意外にもケン達と戦って圧勝したのも喝采ものだった)


落ち込んだバービーに、グロリアが「女のジレンマ」を語るとバービーも奮起。
変てこバービーの家で、ランド奪還の作戦が練られる。サーシャは策士だった。

グロリアの話で次々と洗脳が解けたバービー達も作戦に加わり、ケン達を罠に。
仲間割れしたケン達の裏をかいて、バービー達はランド奪還に成功した。


老けケンは「自分の存在に自信が持てなかった」と告白。
しかし、それは現実世界を経験した定番バービーも同様だった。

グロリアは「"普通の"バービー」を社長に提案。「職業があっても、なくてもいい」
「お母さんでも、そうでなくても、何もなしでも、どっちもありでもいい」

定番バービーも老けケンに、「ケンは、ただケンであるだけでいい」と謝罪した。
しかし、「腐れ縁の煮え切らない彼女には戻らない」と決別も告げた。

そこへ、ルース・ハンドラーが再登場。
定番バービーに「自分の道を選ぶのに親の許可はいらない」と語りかけ、
さまざまな女性達の人生も見せて、バービーが人間になることを後押しした。

バービーは、「もう夢を見られる側ではなく、夢を見る側になりたい」と決断。


バービーは「バーバラ・ハンドラー」(ルース・ハンドラーの娘の名)になった。
グロリア一家が彼女をサポートしていた。彼らはバーバラを車で送り届ける。
(グロリアの夫が、存在感の薄いオタッキーな人物だったのも少し笑えた)

オフィスの受付で、バーバラは嬉しそうに「婦人科検診に来ました!」と言う。

もはや「つるぺた」ではなく、人間の体=現実とポジティブに向き合う態度は、
現実世界を生きる女の子達に向けた監督のメッセージだった。

いやもう本当に、女性は早くから婦人科と仲良くしておくべき!と私も共感する。




【関連作品】
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』 2020年06月25日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976106696&owner_id=1833905



Vogue Japan 『バービー』をより楽しむために知っておきたいポイント徹底解説
https://www.vogue.co.jp/article/hidden-details-in-barbie

「完璧」じゃないからこそ美しい…映画『バービー』が私たちに訴えるもの
https://wotopi.jp/archives/148452



「バービー」が「ハリー・ポッター」を抜いた ワーナー配給作品として史上最高興収
 https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=7544415


「バービー」の全世界興行収入が、「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2」(2011年)を抜いてワーナー・ブラザース配給作品として史上最高額を更新したことが分かった。米メディアによると、「バービー」は28日に13億4200万ドルを超え、13億4151万ドルでトップだった「ハリー・ポッター」を抜き去ったという。

先月21日に公開された米国では、最初の週末だけで1億5500万ドルの興行を収入を記録し、公開からわずか34日で「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を抜いて今年最大のヒット作となった。グレタ・カーウィグ監督は、女性監督として史上最高額を記録した。

一方、全世界興行収入ランキングでは、首位「アバター」(09年)の29億2370万ドルを筆頭に「アベンジャーズ/エンドゲーム」(19年)や「タイタニック」(97年)など歴代トップ10の記録にはまだ遠く及ばない。


 

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