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2023年08月29日05:10

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検察が威信を取り戻す

東京佐川急便事件で、特捜部の捜査能力の低下が厳しく指摘されたことで、法務・検察当局は1992年暮れから、「特捜検察」の威信回復をめざし、再編成の方向で検討を行っています。

それが功を奏したのか、 翌1993年3月6日、特捜部は、前自民党副総裁の金丸信が無記名の割引金融債を購入するなどの方法で、収入を簿外資産として隠し、1987年と1989年度分の所得合計約7億5千万円を隠蔽、所得税約4億円を脱税していたことを突きとめ、金丸と元公設第一秘書の生原正久を所得税法違反容疑で逮捕に踏み切ったのです。

国会議員が在職中の収入をめぐり脱税容疑で摘発されたのは、1990年12月、元環境庁長官の稲村利幸が株の売買益約28億円を隠し、約17億円を脱税したとして在宅起訴されて以来のことでした。

元副総裁の逮捕は、検察当局の予想どおり大きな反響を呼びました。外国メディアの日本特派員もこのトップ級のニュースに飛びつき、ロイター通信は「日本政治の実力者、金丸信と生原正久元秘書が所得税法違反容疑で逮捕されたと日本のテレビ局などが報じている」と、東京発の至急電で伝えたほか、AFP電やAP電も相次いで金丸の逮捕を伝えました。

金丸が以前所属していた自民党旧竹下派にも激震が走りました。旧竹下派の狼狽ぶりを当時の朝日新聞(1993年3月7日付)はこう伝えています。「自宅のテレビで知ったという小渕派の小渕恵三会長は「ただただ、驚いている。政局への影響については考えも及ばない」。竹下登元首相は秘書を通じて「コメントを控えたい」と、沈黙を守りました。

羽田派の小沢一郎氏は、夜九時過ぎに帰宅後、ニュースを伝えるテレビに見入った。堅急事態に派の幹部が集まる話もあったが、「いまは激震のただ中」(幹部)という判断から、この夜はひとまず見合わせることにしたといいます。

他派閥では、三塚派会長の三塚博政調会長が「政治への信頼を取り戻すしかない。今はそれしかいえない」、渡辺派の佐藤孝行総務会長が「突然だった。政局にどう影響するかわからない」と語りました。

わずか半年前、厳しい世論の反発に遭い、政治家たちからの告訴騒ぎに、完膚なきまでに叩かれた特捜検察の見事なまでの威信回復でした。逮捕翌日、「金丸前副総裁を逮捕」の大見出しが踊る新聞を手に取り「涙がこぼれてしまった。これで検察の威信を取り戻せた」と話した検察幹部が仲間たちに語っています。

石原莞爾平和思想研究会 (ishiwara-kanji.com)

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