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2023年08月20日15:27

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病院以外での分娩の出生証明

外国での話は法律とかいろいろ違うので、日本の話をする。

出生証明は基本的には「お産に立ち会った人間」が書くものだ。
だから別に産んだ本人が書いてもいいんだが、
その場合「本当にその本人が産んだのか?」の証明が必要になる。
世間は広いので、他の人の赤ん坊を盗むとかの場合もあるし、
「未婚の母」がひそかに産んだ子を売るとか、犯罪も考えられる。
他人を疑うのはいやな気持になるけど、
万が一にもうまれた赤ん坊の不利益になるようなことになってはいけない。

きちんと妊婦検診を受けていたけど、陣痛が急にきてしまって
病院に来る前に分娩してしまった場合。
検診の記録が病院にあって診察結果とか予定日とかわかってるので、
その妊婦さんがある日「家で生まれちゃいましたー」と赤ちゃんを抱いて受診し、
妊婦さんの診察で「明らかに分娩後」とわかる場合、
ワシなら「そうですかー、安産でよかったですね」と出生証明書を書く。
…のだが、これはどうも、日本全国共通ではないようだ。
地域によって、または病院によって違うようなのだが、
ワシがネットで読んだある事例は「病院に来る救急車内でお産」して
「救急隊員がへその緒を切った」のだが、病院の医師は
「へその緒が切られているので証明書はかけない」と言ったそうだ。
「切れてる場合と切れてない場合で何が違うの?」と聞いてみたい気もするが、
その昔そういうことでイヤな事件を経験した、とかがあるのかもしれないしね。

じゃあどうするのか?と言うと、救急隊員か母親本人が証明書を書く。
その証明書を役所にもっていくと、医師でない者が書いた証明書は
すんなりと受理されない。
その女性が妊娠してた証明としての母子手帳、とか、
救急車内でお産に至るまでの時間経過を書いたメモとかが必要になる。
でもまあ、妊婦検診受けて母子手帳もあれば、1か月以内で受理されるんじゃない?

問題になるのは「確信犯的自宅分娩」の場合。
妊婦検診など受けず母子手帳もなく、予定日も診断されておらず、
しかも陣痛きても救急車も呼ばないで自宅で産んだ場合。
まあそれ自体はいいですよ。
何かあったらどうするんだ?!って思うけど、何もなければ
あとでぶーぶー言っても仕方ないしね、ふふ(冷笑)。
この場合は、産んだ人間以外に「妊娠してたことを証明」する人がないので、
最終的にはDNAによる親子鑑定までいく可能性がある。
出生証明書が受理されるまで、2,3か月かかるでしょうね。

そういうことまでわかっていての確信犯ならまあいいですよ。
ところがとある「自宅分娩したことを誇らしげに書いたブログ」では
「出生証明が受理されるまでのあいだに赤ん坊に何かあったらどうするんだ?」って
書いてあって本当にあきれた。

この人が「何かあったら」ってのはたとえば重病になるとかの場合、
出生証明が受理されてないから戸籍がない、保険証がない、
だから医療費が自費になる、とかそういうことでしょ?
でもね、病院できちんと産んだ人でも、赤ちゃんがいきなり状態悪くて
NICUでいろんな管つながれて高額な医療行為てんこもり、なんてことは
あるわけですよ。
死亡診断書は夜中でも受けつける窓口あるけど、
出生証明は平日昼間のみだかから、連休のはじまりにこんなことになれば、
連休終わって赤ん坊の戸籍作って健康保険手続き終わるまでは自費診療よ。
もちろんたいていは退院までには戸籍と保険証が間に合うので、
退院時に清算して保険診療扱い、できるけどね。
(高額医療で一時的に自分が支払うのと補助金申請はまた別の話)

それよりなにより。
妊婦検診受けないで自宅でお産、ってさ、
そこまでのあいだに「赤ちゃんに何かある」とか
分娩時に「母子ともに命の危険」とか、
そっちに可能性も高かったわけだよね。
そこは無事に終わったから別にいいのよ、って
どのクチが言うんだか。
そういうやつに限って赤ん坊に何かあったとか
自分が大量出血か何かで搬送されたとかの場合、まったく何も言わないんだよ。
自慢気に自宅分娩をネットで披露しているのは、「結果的に無事」だった人だけ。

…アレと似てるわ。
「クロレラでがんが消えた」とか言う記事に出てくる人。
同じ状態でクロレラでがんが消えたのは、何人中何人?とか絶対書かない。
しかもその記事の内容が真実かどうかも全く不明。
主治医がたとえばCT画像とか出してきて「ここがこんなふうに」って
解説してくれたらわかりやすいし、信じられる。
主治医の話も出さないのは、その人はクロレラ以外にも治療してたとか、
そもそも「本人ががんと思い込んだ」で実は体調悪いだけだったとか、
そういう可能性がけっこうあるよね。

問題なのは、がんで今苦しんでいる人がこういう記事でクロレラに頼って
医者の治療をやめてしまうこと。
ワシの患者でもずーっと前だけど半年くらい外来に来なくて、
来てみたら状態悪化してたので「何かあったの?」と聞いたら
「がんにきくサプリ」を飲んでいたけどちっともよくならない上に
お金がものすごくかかった、って小さい声で言ってた。
気の毒だけど仕方ない、オトナが自分の治療を自分で決めるのは自由。
でも、お産は「自分ではない人間を生み出す」ことなので、
何かあったら「自分が死んだあと生きてこの社会を作る人間」の未来を
潰すことになる。
お産もどこでどう産むのかは、法律的には個人の自由だけど
「何かあったとき取返しがつかない」ことを体験して知るってのは
あまりにもひどい話だと思う。
そして上のほうに書いたとおり、赤ん坊にとってとても大事な
「社会の一員として認めてもらうための書類」がすぐには受理されない、
場合によっては数か月かかる可能性があることを
ぜひ知っていてほしい。


ビーチでの自然出産のために渡航した英国人夫婦、赤ちゃんのパスポートが取れず帰国困難に
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=103&from=diary&id=7530983
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