ニューヨーク・タイムズ紙の記者ミーガン・トゥーイー(キャリー・マリガン姐さん）とジョディ・カンター(ゾーイ・カザン姐さん）は、大物映画プロデューサーのワインスタインが数十年にわたって続けてきた性的暴行について取材を始めるが、ワインスタインがこれまで何度も記事をもみ消してきたことを知る。被害女性の多くは示談に応じており、証言すれば訴えられるという恐怖や当時のトラウマによって声を上げられずにいた。問題の本質が業界の隠蔽体質にあると気づいた記者たちは、取材対象から拒否され、ワインスタイン側からの妨害を受けながらも、真実を追い求めて奔走する。
遅まきながらU-NEXTにてポイント鑑賞致しましたが、これこそ映画館で観ておけば良かったと悔しがった作品でありまして、当日は『TAR』と翌日は、新宿武蔵野館で『インスペクション ここで生きる』の3本を鑑賞致しましたが、完成度で言っても面白さで言っても本作が断トツの凄さでして、最初は暴露物だけかなぁと思っていたら、調査報道をする際の難しさ、真相に迫る二人の記者の執念。そして何十年もこの辛さ、苦しみを外に出せなかった性的被害者の魂の叫びが鮮烈なだけでは無く、撮影や美術面でも完璧でしてどのシーンを取っても「一枚の画」になる凄み。ここまでの映画には早々お目に掛かれるものではありません。文句無しの大傑作でありました。
本作を観終えて、色々と検索してみたんですが公式HPは削除済み。本作より遥かに見劣りがする凡作の『スキャンダル』はアカデミー主演女優賞、助演女優賞、メイクアップ賞の3部門にノミネートされているんですが、此方は第二第三の脛に傷を持ったハーヴェイ・ワインスタインの子分達が牛耳る米国アカデミー賞では無かったことにされてしまう程の扱いに心底怒りを感じております。確かに『TAR』も凄い作品ではありましたが、総合的な映画の完成度から言えば自分は此方を推します。
https://www.youtube.com/watch?v=yHhz6qxYTEk
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