はやり病の歴史をたどり、コロナ禍に生かす知恵を拾っていく試みは大切なことでしょう。感染症関係の様々な書物がベストセラーに入っています。様々な書物では、「クラスター」という言葉も頻繁に使用されています。
総理大臣とか大統領とか王侯貴族は、多くの人間と接触します。しかも、その接触相手の生活圏が広いです。軍人・外交官は国内外から帰ってきて報告することでしょう。地方からは多くの人々が陳情や式典に来て接触するのです。
パンデミックになると、為政者とその周辺はクラスターになりやすいです。これが歴史の教訓であり、首都のトップ政治家は相当気をつけても感染防止が容易ではないのです。スペイン風邪 の歴史分析から、その事例を示して警告します。
アメリカのトランプ元大統領も気の毒なことに新型コロナウイルスに感染してしまいました。イギリスのジョンソン元首相も、新型コロナ対策の行動規制に批判的なブラジルのボルソナロ元大統領も感染を防げませんでした。
「歴史は繰り返さないが、よく韻をふむ」という格言があります。歴史上、全く同じ事件は起きないでしょうが、類似したことがしばしば繰り返されます。スペイン風邪のパンデミック時の日本の首相は「平民宰相」とよばれた原敬ですが、彼も感染しました。
のちの昭和天皇、当時皇太子であった裕仁親王殿下も感染されました。さらにはその弟宮である秩父宮さまも感染されました。この三人の感染経路の解明を試み、治療の内容をも分析する本を見て、史料から見通しを詳述しました。
概要を述べれば、政党内閣であった原首相は連日、支持者対策で財界や産業界の昼食会や産物試食会に出席し、不特定多数と挨拶をかわし、三密のなかで飲食していました。原は感染症研究所である北里研究所の記念式典に出席して「風邪」にかかったが、藩閥に気を使い、寒中、伊藤博文の墓参りを強行して発症しました。
裕仁親王は上野の山に美術展を鑑賞に行かれ、そこで土方久元という老人の側近と会話しました。その後、新宿御苑でのゴルフ中に悪寒を感じ、発症しています。幸い裕仁親王は回復されましたが、土方は重症化して死亡しました。
このように国のトップはクラスターになりやすいのですが、一旦、感染すると、社会の頂点だけに場合によっては、最先端の高度な医療が受けられます。これも歴史の示す所で秩父宮さまのケースがそうです。十七歳でスペイン風邪に感染され生死をさまよいました。
「治り間際の兵隊の血液をとり、血清をつくり、殿下に御注射申し上げる」回復者血漿療法が検討されました。治り間際の患者はウイルスを抑える中和抗体をもつとの見込みで、当時最高の先端治療が試されようとしました。ただ兵隊の血を皇族に注射するのには抵抗があり、宮中の賢所で「御安泰の御祭り」をしてから注射がなされました。これが効いたのかは不明ですが、宮さまは生還しました。
やはり歴史は韻をふむらしく百年がたち、今回コロナで、トランプ大統領も先端の抗体医薬治療をうけました。彼は未承認の抗体医薬・抗ウイルス剤(レムデシビル)・ステロイド(デキサメタゾン)投与の三つを全部うけた、世界でも極めてレアな患者となったのです。
このレアケースから人々の治療法が前進するのか。安全確実なコロナ治療の確立と一般人への普及が望まれます。『感染症の日本史』という題の本からの抜粋です。文春新書です。
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