mixiユーザー(id:17855561)

2023年08月04日00:02

46 view

古典落語『紙入れ』考

超メジャーな古典落語のひとつに
『紙入れ』という噺があります。


カテゴリーとしては艶笑噺に入るんでしょうが、
寄席や独演会で頻繁に聞く事が出来ますし
アマプロ問わず、得意にされている方は多いと思います。
かく言う私も、時々かけたりしています。


『紙入れ』
http://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%99%E5%85%A5%E3%82%8C


落語ファンの方々は
よくストーリーはご存知でしょうが、
一言で言えば【間男】、不倫の噺ですよね。


若いイケメン、新吉を引っ張りこんだおかみさん、
さあこれからという時に、
帰ってこないはずの旦那が帰ってきてしまい
レベル4のエマージェンシー状態を迎えます。


ところが、このおかみさんは落ち着いていて、
新吉を裏口から逃がすと、
自分は何食わぬ顔で旦那を迎え入れます。
この結果、旦那には
【全くバレていない】という事になります。


しかし、
本当にそんな事が可能なのでしょうか?


というのも、おかみさんも新吉も
旦那は泊まりで帰ってこないと信じきった上で
逢瀬を楽しもうとしています。
そういう意味では、
【全くディフェンスに気を配ってない状態】であったと
予想するのが妥当ではなかろうかと思います。


実際、おかみさんは新吉のために鰻をあつらえて、
それを卵で蒸して調理したりしています。
お酒も直前まで飲んでいたと考えられます。
お猪口なども2人分あったと予想できます。
新吉はあまり飲めないという設定ですが、
おかみさん自身は飲んでいた事でしょう。


そんなノーガード状態に、不意に旦那が帰ってきて
早く開けろと戸を叩かれたわけです。
証拠隠滅の時間は、そんなに長時間なかったはずです。


それなのに、旦那が室内を見て
違和感を感じないレベルまで取り繕う事が
果たして物理的に可能なのでしょうか?
しかもおかみさんは、
新吉が忘れていった紙入れまで冷静に見つけて
隠しているわけです。


この旦那は、
ちょっとお間抜けな感じに描かれてはいるものの、
新吉のような若者の面倒を見ているという
親方的な存在なわけです。
いくら何でも、室内のおかしな様子に
気づいてしかるべきではないのかと
最近、この噺を聞いていて思ってしまうんですね。


そんなツッコミは野暮だと
言われるのを承知で書いてはいるんですが、
聞いてるお客さん方は、そういった疑問や違和感は
持たれたりはしないんでしょうかね〜?


微笑亭さん太
8 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年08月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

最近の日記

もっと見る