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2023年07月23日07:43

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「夏の思い出」

 こんなテーマで書こうと考えると、どうしても子供時代の記憶ばかり蘇って、後のサラリーマン時代は「以下同文」となってしまいます。どうもエアコンの普及以前と以後のような気がしてなりません。

 少年時代の夏ははだしで裸、焼杉の下駄をはいて、近所を遊びまわる子供でした。一番暑いのは「天神さん」の頃、今のようにコンビニもなく自転車の後ろに木製の箱。「アイスキャンデー」と書かれたのぼりを立てたおじさんが来るのを待って、10円を握りしめて走っていきました。その頃はまだ本格的に水道が普及していなかった時代で、至る所に井戸がありみんなセルロースのひもであんだ網にスイカを入れてぶら下げて、井戸で冷やすのが一般的で、まだ冷蔵庫のない時代でした。

 当時、近所の畑は2毛作で冬場に植えた麦の麦わらで蛍籠を編んで、近くの川に「蛍狩り」に行きました。当時はおかっぱ頭の女の子が浴衣を着て現れると、急に大人ビタ雰囲気になってドキッとしました。うなじのパウダーが真っ白だったんです。近くの小川にはまだ当時は「護岸工事」はされていないままで、メダカやドジョウ、シジミや川エビなどたくさん獲れて、そこに「川二ナ」も棲んでいて、それを餌に蛍が来ると言われていました。「蛍狩り」が終わると家では寝室の布団を敷いた部屋に蚊帳が張られていて、その中で蛍を放すのです。一瞬でロマンチックなムードが漂い、暑さを忘れたモノでした。畑で取れた大麦の実を噛んでいると「天然素材のチュウーンガム」が出来るんです。やったことありませんか?

 当時の海はまだ汚染されてなくて、鰈とか青のりとか海水浴のついでに取って帰りました。当時の海パンは下に「サポーター」と呼ぶ小さな黒いふんどしのようなものを付けていましたが、海パンなしの子も多かったです。家から10分で浜に出ます。ですから着替えて出かける人も多かった。浜は「唱歌:海」で歌われているように「松原遠く消ゆる処 白保の影は浮か〜ぶ 干網浜に高くしてカモメは低く波に飛ぶ」まさにこんな感じの「海」でした。当時と言えば、真っ黒に日焼けした方が逞しく見えて人気が高かったので「ビタミンDだふえるから」などと言って、麦わら帽子をかぶって藁草履をはいて出かけました。きのう「孫が育てたアサガオがきれいな花を咲かせた」と写真を送ってきました。「筆にお酢を浸して文字を書いたら・・」と提案したら、「折角綺麗に咲かせたのに嫌だ」とのこと。「悪かったなぁ」と返事しました。

 僕が作った「雲の記念日」は8月8日です。少年時代のある年に縁側で空を見上げていたら、動物の形をした入道雲は次々と現れて、それ以来今でも「僕の雲の記念日」は続いています。当時は家の周りの畑にたくさんの野菜が作られており、その中でトマトが次々に大きく実ってきます。それを朝いちばんにもぎに行きそのまま食べるのが一番の楽しみでした。これは街で買ってきたものでは味わえない最高の贅沢です。ぼんやりして居たら兄や妹に取られてしまうので、雨戸から差す明かりを目安に飛び起きて前の日に目を付けていた完熟一歩前のトマトにかぶりつきます。

 夏と言えば「盆踊り」が盛んでした。「炭坑節」や「そうらん節」「花笠音頭」や「佐渡おけさ」何でもありで、どこの街も同じようなものですから、潜り込んで一緒に踊れば、たくさんのお菓子がもらえるんです。オニヤンマ、シオカラトンボがお盆を過ぎると「松露トンボ(赤とんぼ)」に変わります。蝉もミンミンゼミやアブラゼミからツクツクボウシに変わります。仕方なしに「夏休みの友」を広げて宿題の制作にかかります。

 僕は親に頼んでヒヨコを20羽ほど買ってもらい、こずかいを稼いでいました。卵を産ませて近くの八百屋さんに持って行って売るんです。それで人気雑誌「少年」を買いたいのです。餌は米ぬかに野菜くずを混ぜます。時に貝殻も混ぜてやります。もっぱら「日光寫眞」とか「ピンホールカメラ」などの付録が欲しかっただけです。記事はほとんど覚えていません。やたらマントを着たサタンが現れて人が危険な目に合う所をヒーローが出てきてやっつけると言うパターンが多かった気がします。

 今になってその頃の話を兄弟ですると、「あの時兄ちゃんはこんなことを言った」とか、「こんなことされた」とよく言われますが、ほとんど覚えていません。ただ身の回りのどこかにやたらと「蚊取り線香」と「うちわ」があった記憶があります。戦後のヒモジイ時期でしたから、畑のとうきびやサツマイモを生のままかじった方が焼いたものよりおいしかった記憶があります。そんなわけで、家には現在4台もエアコンがありますが、今でも使わずに「消夏法」で暮らしていますが、さすがに「行水」はやめて「水シャワー」にしています。

 庭のあんずも終わりになりまして、今年も柿が大きくなってきました。グレープフルーツは2階の屋根より高いところに実を付けます。鶯も泣き止んで今はツグミが遊びに来てくれます。あと何回乗り越えたら、お盆も終わりになって両親のところに行くのやら・・。精々孫にサービスをして、今年も夏の思い出を残してやりたいと思います。
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