1899年6月23日にイタリアのValsamoggia(ヴァルサモッジャ)で生を受けたAmedeo Gordini(アメディオ・ゴルディーニ)は、1917年に徴兵されてイタリア歩兵隊に入隊、第一次世界大戦で従軍しました。翌年に終戦を迎えましたが、反乱鎮静のためにリビアに派遣されて1921年にようやく帰国しています。
辛酸を嘗めたゴルディーニは、帰国するとイソッタ・フラソキーニのシャシーにチューニングしたビアンキのエンジンを搭載したスペシャルを製作、クルマの世界に足を踏み入れました。
そして1925年に訪れたフランスに心底魅了され、程なくして帰化しています。ですので、名前はフランス語でAmédée Gordini(アメデー・ゴルディーニ)と表記するのが適当かも。彼が1946年にパリ南西のLes Ulis(レ・ジュリス)という街に創業したゴルディーニ社は、歴(れっき)としたフランスの会社ですしね。
クルマのパフォーマンス・アップを生業としていたゴルディーニは、シムカにその手腕を認められて1930年に同社のレーシングカーのエンジン・チューニングを請け負うようになりました。
"Le Sorcier(ル・ソルシエ=魔術師)"と呼ばれた彼が手掛けたクルマは、1930年代の中盤以降、ルマン24時間耐久レースに積極的に参戦しています。
1936年は750ccクラスに6台エントリーしましたが、残念ながらレースはストライキにより中止になりました。
1937年、フィアット508Sバリッラ・スポルト(本稿0236)のフランス版と言えるシムカ-フィアット6CVをベースにしたレーシングカー(水冷直列4気筒996ccエンジン搭載)で、Just Emile Vernet/Suzanne Largeot(ジャスト・ヴァーネット/スザンヌ・ラルジェオ)組のゼッケン48が総合12位(1100ccクラス1位)になっています。
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さらにフィアットの568ccエンジンを搭載したJean Viale/Albert Alin(ジャン・ヴィアーレ/アルバート・アリン)組のシムカ5ゴルディーニ(ゼッケン59)が総合17位 750ccクラス1位になっています。
https://images.app.goo.gl/GbcMA8zWBW28955HA
1938年はシムカ5ゴルディーニで参戦したMaurice Aimé/Charles Plantivoux(モーリス・エメ/チャールズ・プラントボウ)組のゼッケン51が総合14位( 750ccクラス1位)に、Albert Leduc/Athos Querzola(アルバート・レダック/アソ・クエルゾーラ)組のゼッケン52が総合15位(750ccクラス2位)になっています。
そして第二次世界大戦前最後となった1939年は、より大きな1089ccエンジンを搭載して空力的に優れた流線型ボディを纏ったシムカ8ゴルディーニ(ゼッケン39)で臨んだゴルディーニ自身/José Scaron(ホセ・スカロン)組が総合10位(1100ccクラス1位)でフィニッシュしています。
https://images.app.goo.gl/LNEpYfDvJpQ7Mejk9
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またGuy Lapchin/Charles Plantivaux(ガイ・ラプチン/チャールズ・プラントヴァウ)組の同型車(ゼッケン41)が総合13位(1100ccクラス2位)になっています。
さらに、総合19位(750ccクラス1位)にAdrien Alin/Albert Alin(エイドリアン・アリン/アルバート・アリン)組のゼッケン48のシムカ5ゴルディーニが、総合20位(750ccクラス2位)にMaurice Aimé/Albert Leduc(モーリス・エメ/アルバート・レダック)組のシムカ5ゴルディーニ(ゼッケン49)が入っています。
https://images.app.goo.gl/bNpGEEKnS8GVhPgk8
第二次世界大戦終結後、ルマン24時間耐久レースは1949年から再開されました。
その年は、1090ccエンジンを搭載したゼッケン47のNorbert Jean Mahé/Roger Crovetto(ノーバート・マイ/ロジャー・クロヴェット)組のシムカ8ゴルディーニ(クーペ)が総合12位(1100ccクラス2位)になっています。
https://images.app.goo.gl/d3sTf33szWpKhkZa6
そして1953年、Maurice Trintignant/Harry Schell(モーリス・トリンティナント/ハリー・シェル)組のDOHC2473ccエンジンを搭載したゼッケン35のT26Sが総合6位(3000ccクラス1位)に入賞しました。
https://images.app.goo.gl/qUr2WK7uaF9YPM2HA
1954年も2.5リットル・エンジンを搭載したJacques Pollet/André Guelfi(ジャッキー・ポレ/アンドレ・ゲルフィー)組のT15S(ゼッケン30)が総合6位(3000ccクラス1位)に入賞しています。
http://www.les24heures.fr/images/database-voitures/1954-30.jpg
しかし、1955年は1台参戦したもののリタイアに終わりました。1956年も3台参戦しましたが全車リタイア、1957年は2台参戦・両車リタイアしています。
(クルマ0386に続く)
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