すぐに食事がやってきた。
オムライスにゆり根が載っていた。
さらにケチャップライスにも刻んだゆり根が入っている。
本当にこのレストランは何を食べてもおいしい。
純子もゆり根のかき揚げの、揚げ具合の絶妙さに感激していた。
昼飯を食ったらやることが無くなったので様似に向かう。
ナビに従って走ったら寂れた山の中やら、狭い農道に導かれたが、最後にはいつも通る天馬街道に出た。
様似町に入るには塩釜トンネルを通るのだが、ちょうど工事をやっていて交互通行になっていた。
純子にこのトンネルにまつわる話を伝える。
https://psychic-spot.chobi.net/Hokkaido/town/Samani.html
まあ俺は�妬欅�子という人は何でも幽霊に結び付ける、怖がりなおばさんだと思っているんだが。
怪談話というのは人の口を経るに連れて尾ひれが加わるので、地元の人が絶対近づかないトンネルの筈はない。
だって此処を通らなければ生活できない重要なトンネルなんだから。
幽霊を鎮めるために多数の観音像を祀った観音山に登ったら墓地があった。
様似の町が見渡せる景色の良いところだった。
様似にも牧場がたくさんあって白い柵に囲まれた牧草地に馬が草を食んだり、
寝そべっていたりしている。
寝ている馬は死んでいるように見えてしまう。
牛飲馬食と云うが、牛の飼われている牧場は泥だらけの所が多い。
そんなところで寝そべったりしているから牛も汚れている。
そこへゆくと馬の放牧場は明るく乾いた芝生で清潔感がある。
馬の体も手入れが行き届いているらしくピカピカ光っている。
どこの柵の中にも不思議なオブジェみたいなものが置いてある。
玉みたいな物の上に雨傘みたいな物が被さっている。
純子と「一体あれは何なんだろう」と不思議がる。
牧場と云えばハエが多い。
良く馬が尻尾を振って追い払っている。
馬にとって煩わしい昆虫を匂いかなんかで呼び寄せて、ウツボカズラみたいに捕まえる仕掛けなんじゃないか？
とか話していたが、これはアブキャップというものだった。
https://item.rakuten.co.jp/denkisaku/abucatch/
我々の推察も当たらずとも遠からじ。
様似の工藤商店に行くと入り口に「ズワイガニ入荷」と張り紙がしてあった。
聞いてみると一杯４５０円だった。
それで１０杯予約を入れた。翌朝９時に受け取る約束。
そのあと生協に行ったら２００円で生の奴が売られていた。
地元なら生を買っても良いが、札幌だと茹でた物の方が良いので高くても仕方ないとあきらめる。
生協の入り口の傍に工事用の足場が建てられていて、警察官が数人現場検証の様なことをしていた。
足場の上には工具やら材料やら置かれていて、現場の親方みたいな人が警察官にいろいろ聞かれていた。
作業員が落下でもしたのだろうか。
生協の駐車場には小さなクレーンの付いたダイハツの軽トラが停まっていて、新車らしく青っぽい銀色に光っている。
あおりの所に「ストロング防錆」と書かれているところを見ると、塩害用に錆びにくい塗装がされているらしい。
クレーンで昆布を吊り上げて荷台に降ろすのだろうから、錆びにくい塗装をされていなければすぐ腐ってしまうのだろう。
生協で食料を買って４０分かけて今晩の宿泊地である三石の道の駅に行く。
三石の道の駅は売店が無くなって久しく、集めているマグネットシールが欠けていた。
欠けているのは此処と「フォーレスト276大滝」だったが、後者は廃止となったので、三石だけが残っていた。
ところが今回行ってみたら事務所の窓口の前にシールが飾られていて、中に声を掛けたら買うことが出来た。
https://www.city.date.hokkaido.jp/hotnews/detail/00005176.html
晴れていて暑く、駐車しておいた車の中はムッとしていた。
左右の引き窓に換気扇をセットしたら風の当たる場所は良いが、空気の流れの無い奥が暑い。
小型の扇風機を取り出して空気をかき混ぜようとしたが、固定する場所に苦労する。
簡単に固定できるように細工をしなければ。
この日も酒を飲みながら「大富豪刑事」を見る。
「たった５億円ぽっちで犯罪を犯すなんて」
と、俺も言ってみたい。
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