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2023年06月25日13:41

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「あそこに子どもがある」「彼女には子供がある」goo 辞書

 下記の仲間。
日本語アレコレの索引(日々増殖中)【31】
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1984406750&owner_id=5019671

mixi日記2023年06月24日から

 テーマサイトは下記。
【「あそこに子どもがある」とは言えないにも関わらず、 「彼女には子供がある」と言えるのは、なぜですか?】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13509157.html
===========引用開始
質問者:park123質問日時:2023/06/23 09:59回答数:17件
「あそこに子どもがある」とは言えないにも関わらず、
「彼女には子供がある」と言えるのは、なぜですか? 
===========引用終了

 おそらく下記が関係する。
【「持っている」 「ある」 「いる」〈5〉】
https://ameblo.jp/kuroracco/entry-12666407066.html

 まず当方のコメントを回収する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━引用開始
No.15

回答者: 1311tobi 回答日時:2023/06/23 21:35
原則的には
「あそこに子どもがある」は不自然でしょう。

「彼女には子供がいる」が一般的なのに
「彼女には子供がある」とも言い得るのはなぜか。

 あまりむずかしく考えても仕方がないでしょう。
 考え方は2つあると思います。

1)古い言い方が残っている
 すでにコメントがあるように、昔は「昔、男ありけり」なんて文章がフツーでした。
 こういう言い方が一部の残っているのでしょう。
 そう考えるなら「あそこに子どもがある」もOK? とも思いますがこれはなしでしょう。
 人間に「ある」を使えるのは、ごく限られた場合です。
 個人的には「彼女には子供がある」とは言いません。古くさいですよ。でも言う人は言う、ということです。

2)所有のニュアンスがある場合はOK
「妻子あり」「夫ある身」などなら異和感はありません。これは「ある」に所有のニュアンスがあるからでは。
「彼女には財産がある」「彼女には持ち家がある」「彼女には子供がある」
 こう並べるとおかしくないのでは。

 以前下記の質問をしました。
 意味不明の念仏コメントがしつこくて困りました。まともに相手をしてはいけません。
【「いる」と「ある」の違いは、対象が生きているかどうかと聞きましたが、幽霊はなぜ「いる」ですか その2】
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/13458761.html

 No.3のかたとのやりとりをご確認ください。
===========引用開始
昔は人も「ある」と言っていたので、古い形でしょう。

時代劇で武士が大声で「たれかある(誰か居らぬか)」と呼んだりします。
伊勢物語の一節に「むかし男ありて人のむすめのかしづく」とあります。
紀州方言で「人がある」と言うのは古い形が残っているのだと思っていました(私見)。

(略)

『広辞苑 第七版』 <用例略>

あ・る【有る・在る】《自五》[文] あ・り(ラ変)
(ものごとの存在が認識される。もともとは、人・動物も含めてその存在を表したが、現代語では、動きを意識しないものの存在に用い、動きを意識しての「いる」と使い分ける。人でも、存在だけをいう時には「多くの賛成者がある」のように「ある」ともいう。⇔無い)

(略)

『広辞苑』の記述がいい感じですね。
〈もともとは、人・動物も含めてその存在を表したが、現代語では、動きを意識しないものの存在に用い、動きを意識しての「いる」と使い分ける。〉
 ただ、例外がけっこうあるようです。
===========引用終了 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━引用終了

 No.17のかたがNHKのサイトをひいている。全文は末尾に。
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/097.html
 相当困っている様子がうかがえる(笑)。
〈人間・動物の存在を表すのに「ある」が絶対に使えないというようには、必ずしも言えないと考えています。〉……なんという回りくどい言い方(大笑)。
 それは「ほぼ誤用」って言ってないか?
 たしかに「乗客の中に、けが人はいませんでした」はなんかぎこちない気がしなくもない。そうなると、「乗客の中に、けが人はありませんでした」にしたくなる気持ちもわかる。
 だったら「乗客(の中)に、けがをしたかたはいませんでした」とでも言えばいいのでは。
「ありませんでした」は「なかった」を無理やり敬体にした結果……という気がする。「乗客の中に、けが人はなかった」なら自然に感じる。もちろん、「乗客の中に、けが人はいなかった」でもいいと思うけど。

 興味深いのは『日本国語大辞典』の記述。
〈「現代語でも抽象的な存在を表わす場合や漠然と有無を問題にする場合には、人間を主語とする場合でも「ある」が用いられる。「相手のあることだけに」「兄弟が三人ある」など。」と明記されています。〉とのこと。
 この〈抽象的な存在〉がビミョー。おそらく「相手のあることだけに」のことをいっているのだろう。「相手」を〈抽象的な存在〉ととらえているのだろうか。〈人間性を意識しない〉ぐらいの意味かな。
 これが「彼女には子供がある」にあてはまるとはとうてい思えない。
「彼女には子供がある」の場合は、〈漠然と有無を問題にする場合〉ともとれそう。
 いずれにしても「いる」でいいような。

 別の辞書を見る。
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%81%82%E3%82%8B/#jn-7643
===========引用開始
出典:デジタル大辞泉(小学館)

あ・る【有る/在る】 の解説
[動ラ五][文]あ・り[ラ変]
【1】
5 (その存在を客観的、抽象的なものとして捉え)人が存在する。居る。「昔々、おじいさんとおばあさんが―・りました」「異を唱える人も―・る」
8 自分のものや付属として持っている。所持・所有している。「財産が―・る」「投票権が―・る」「バラにはとげが―・る」 
===========引用終了
「5」で〈客観的、抽象的なものとして捉え〉か。いったいどういう意味? 
「昔々、おじいさんとおばあさんがありました」は古い言い方。「異を唱える人もある」はなんじゃろね。
「8」の所有のニュアンスなら、すでに書いたように「ある」にするのは一理ある。

 手元の電子辞書を見る。例によって海賊サイトとは細かいところが違う。
『明鏡国語辞典』
===========引用開始
❸ 人が存在することを初めて紹介するようにいう。いる。
「昔、ある所におじいさんとおばあさんが━・りました」
❹ 《人・動物の意を表す語の上に連体修飾語を冠して》何らかの形で類型化された人・動物が存在する。いる。
「賛成の人も━」
「無関心な子も━・れば目を輝かせる子も━」
「私には強い味方が━」 
===========引用終了
 ❸は「古い言い方」だろう。
 ❹は〈人・動物の意を表す語の上に連体修飾語を冠して〉らしい。これだと「相手のあることだけに」を説明できるのかできないのか。「彼女には子供がある」を説明できるのかできないのか。違う気がする。
 いずれにしても「ある」より「いる」のほうがフツーじゃないか?

『新明解国語辞典』
===========引用開始
ある
(自五)
【一】【有る】⇔無い 〈どこ・なに・だれニ―〉
(二)備わっていることが認められる(状態を保つ)。
「△教養(説得力・人間味)が―/実の―もの/理解―態度/妻が―〔=妻を持つ〕/広い庭が―/ガスが―〔=引いてある〕/必修課目の中にフランス語が―〔=含まれている〕」
【二】【在る】〈どこ・なにニ―〉
(一)居る。「昔むかしおじいさんとおばあさんがありました/賛成する人が―/政権の座に―/何分 相手の―ことだから」 
===========引用終了
 よくわからない(泣)。

 辞書の記述はいろいろで、かなり苦労していることがうかがえる。結論としては「彼女には子供がある」と言える理由を明快に示しているものはなさそう。たいていの場合、「いる」のほうが自然だろう。当方の考えはNo.15のコメントとかわらない。
 まぁ、辞書がこれだけ苦慮する難問なんだから、明快な回答などないのかもしれない。ムヤミに断定すると恥をかく。


【最近気になる放送用語 「けが人はありませんでした」】
https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/term/097.html
===========引用開始
Q 「乗客の中に、けが人はありませんでした」というコメントは、おかしいでしょうか。人に対して「ある」は使えないのでしょうか。
A 専門家の間でも意見の対立があるのですが、現時点でこれを「日本語として間違っている」と決めつけてしまうことはできないように思います。人間・動物の存在を表すのに「ある」が絶対に使えないというようには、必ずしも言えないと考えています。

■解説
「山田さんがここにあります」という言い方は、やはり変ですよね。このように、話題になっているのが「具体的な人物」の場合には「ある」はまったくだめですが、そうでない場合には、人によって判断が異なるようです。

まず、古い日本語で言えば、「昔、男ありけり」という言い方に表れているように、人間に「ある」を用いることが一般的によくありました。それが、時がたつのにしたがって、「人間・動物には『いる』、それ以外には『ある』」といったような使い分けの「傾向」が次第に出てきたようです。現在では、「傾向」からさらに一歩入り込んで、「厳密な使い分け」をするような方向に進みつつあるように推測されています。

「人」に対して「ある」を使った言い方について、NHK放送文化研究所ではウェブ上でアンケートをしてみました(2005年8〜9月実施、1638人回答)。その結果、どちらかといえば男性のほうがこの言い方に「厳しい」判断を下すことがわかりました。

「乗客の中に、けが人はありませんでした」
男性 女性
問題のある言い方だ 49% 43%
問題のない言い方だ 51% 57%
今後、「人間・動物」に対して「いる」ではなく「ある」を使うことには、抵抗感がさらに強くなっていくかもしれません。ただし、たとえば大型国語辞書『日本国語大辞典 第2版』(小学館、2000年刊行)にも、「現代語でも抽象的な存在を表わす場合や漠然と有無を問題にする場合には、人間を主語とする場合でも「ある」が用いられる。「相手のあることだけに」「兄弟が三人ある」など。」と明記されています。こうしたことを考えに入れると、現時点で「『ある』は『人間・動物』には絶対に使えない」と言い切ってしまうことは、むずかしいでしょう。

ご質問の言い方の場合、「事件・事故」そのものの客観的な説明(けが人の存在の「ありなし」に焦点)の場合には「ありませんでした」も使えるでしょうし、関連する人物を具体的に思い浮かべるような状況の場合には「いませんでした」になるように思うのですが、いかがでしょうか。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大) 
===========引用終了
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