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2023年05月29日09:37

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「北斎漫画」と「浮世絵師の見た甍」

5月28日

刈谷市歴史博物館で「北斎漫画」(後期展示)を観て、その後 高浜市かわら美術館で
「浮世絵師の見た甍」を観た。

江戸文化を代表する浮世絵師・葛飾北斎(1760〜1849)による傑作として「北斎漫画」があります。「北斎漫画」とは、北斎がありとあらゆるものを描いた絵手本であり、全15編を数える大作です。北斎の没後も刊行され、まさに幕末から明治初期にかけてのベストセラーと言えます。
本展では、世界一の質と量を誇る「浦上コレクション」より、摺りが早く保存状態の良い、厳選した約200点をご紹介いたします。自ら画狂人と称した北斎の世界をご堪能ください。(刈谷市歴史博物館)

浮世絵は人々の日常が描かれており、当時の日本の風景や流行を知ることができます。江戸時代から明治時代にかけて、屋根を舞台に繰り広げられる歌舞伎芝居や、変わりゆく瓦屋根の風景など、日本の瓦をテーマとして浮世絵を楽しむ展覧会です。
 本展では、日本各地の名所や、歌舞伎の演目「南総里見八犬伝」の名場面を描いた浮世絵を展示。
また、江戸時代のベストセラー北尾政美の「諸職画鑑」や、葛飾北斎の「北斎漫画」も紹介します。(かわら美術館)


「北斎漫画」は、長野県の水野美術館でも観たが、何度観ても 素晴らしいな。と、思った。こういうお手本になるものがあって、いろんな職人さんの仕事を支えていたんだ。と、分かった。

高浜市のかわら美術館では 「諸職画鑑」という版本を観た。
北尾政美が 寛政6年に制作したもので、やはり絵の手本になるものであった。
「諸職画鑑」というものの存在を 初めて知った。
北斎の「北斎漫画」は こんなに有名なのに、「諸職画鑑」は 知られていないのは どうしてだろう?
版本の展示は、本を開いた箇所しか分からないので、何とも言えないが、「諸職画鑑」も 素晴らしいものかもしれない。

午後2時から かわら美術館で ギャラリートークがあり、学芸員さんの話を聴いた。
「北斎漫画」は、元々は 北斎の弟子が増えすぎて、いちいち指導できなくなったので、手本となるものを描いて示したものであった。「これを見て、勉強しろ。」ということか。
それが出版されて、人気になった。
今 見ても、何か 参考になることがあるかもしれない。

「諸職雛形 北斎図式 初編全」というものがあり、葛飾為一老人が作者になっているものも展示されていた。(明治15年制作)
北斎漫画から ピックアップして 見やすいようになっているものである。
また、「萬物雛形画譜」・・・小林永灌 (明治15年制作)というものもあり、いろんな図案が載っている。
こういうものが 瓦職人の家にあった。

かわら美術館なので、浮世絵の所蔵はしているものの、全部 家の瓦が描いてあるものであった。(瓦の描いてある絵しか 所蔵してはいけないらしい。)
北斎の浮世絵は、「富嶽三十六景 東都浅草本願寺」と「諸国瀧廻 東都葵ヶ岡の滝」の二枚しか所蔵していないと聞いた。偶然 5月27日に 「美の巨人たち」で観た絵であった。
そのどちらも瓦が描かれていた。

北斎漫画は 江戸版が 展示されていた。

今回の展示は、刈谷市歴史博物館とコラボしたもので、両方観に行ったので、いろいろ観れた気がした。

私は 一時期 「南総里見八犬伝」にハマったことがあり、犬養現八信道と犬塚信乃戌孝の屋根の上での戦いの場面のことを知っていたから、親しみやすかった。
月岡芳年の「芳流閣両雄動」(1885年)は、カッコいいなあ!と思った。
歌川国芳の「犬飼現八信道 犬塚信乃戌孝」は、描いた人数が多くて、主役の二人が紛れてしまっているように思えた。

小林清親の「上野東照宮積雪之図」「虎乃門夕景」「川口善光寺雨晴」の説明は無かったのが残念だった。
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