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2023年05月22日05:53

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広島サミット

 原爆の投下が太平洋戦争の終結を早め結果として双方の死傷者を抑えたとか、核兵器による相互確証破壊「恐怖の均衡」が超大国同士の熱戦を防いだという言説も根強いなか、G7首脳による記念館視察にこぎつけた日本のロジックは、「ロシアが核による威嚇をなにかと持ち出すから」だった。
 もちろん、「みんながそろって言うから、核兵器を使うのはやめよう」とロシアが思うほど、国際政治は優しい世界ではない。
 むしろ、「核兵器を使わざるをえないほどに追い詰めることはしないように、当事者のゼレンスキーも一緒になって合意を取りつけたから、停戦の交渉に入ろう」というメッセージなのだと思う。

 ロシアとしても、相手の言い分がまとまらなければ、交渉のしようがない。ようやく話し合いのできる準備が整ったということではなかろうか。逆にいえば、ロシアが対抗する各国の思惑のずれをついて状況を有利に進められる可能性はほぼないという通告でもあると思う。

 具体的にどの線でまとめるかということになれば、ある程度までロシアが昨年に押し進めた国境を黙認せざるをえない気がする。それでは、とりあえず軍隊を動かし占拠して、後は国連が騒ごうがなにをしようがだんまりを決めこめばある程度まで領土を広げられるという前例を作ってしまうことであり、たとえば中国が尖閣諸島とかに出てきた時、対抗できないじゃないかという話になりそうだけど、キーウの飛行場占拠に失敗し、頑なに中立を守っていたスウェーデンとフィンランドがNATO加入を表明し、それに対して有効な対策を講じられなかった時点で、今回のロシアの軍事的な冒険は大失敗に終わってしまっている。
 その後の戦闘は、実はプーチン政権が損切りもできない脆弱な基盤によってしまっていることを延々と提示していたにすぎない。独裁政権といえば、とにかくなんでも無理矢理に抑えこめるようなイメージを持ってしまいがちだけど、実際にはいったんタガが外れた時に大混乱が生じてしまうので、些細な異議の申し立てすらすべて封じこめないと維持できない脆さを意味していることも少なくない。

 これを機会になんらかの合意がとりつけられ、和平か少なくとも停戦にこぎつけてくれないかなと思うのだけど、さて、どんなものだろうか。

■G7サミット閉幕 岸田首相が会見「核軍縮に向け機運高められた」
(朝日新聞デジタル - 05月21日 22:03)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7419786

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