ジャニーズ事務所が見解を出した件

BBCの報道、カウアン氏の記者会見、もはやどうやっても逃げられないところまできて、やっと事務所として公式の見解が発表されました。

まず、ジュリー社長が顔を出し、コメント動画を出したのは、ジャニーズ事務所としては天地がひっくり返るくらいの変化。
世間的には遅すぎたくらいですが・・。
そもそもジャニーさんが顔出しを嫌がったのは、マネージャーが表に出るべきではない、という哲学があったから。他にもたぶんオーディション時に顔を知られていない方が応募者の素を知れるという面もあったと思います。
ただ、会社として不祥事を抱えた場合は、責任者が顔を出して説明するのが世の常識であり、それが今回されたことは1つの進歩であると感じます。
でも、1分ちょいは短すぎですけど・・。文書で説明した内容を全て映像内で述べてもよかったのではないかなと・・。

ジュリー社長は過去女優業もしていたようですし、表に立ってもっと発信してくれてよいと思います。
カウアン氏がYouTubeでジュリー社長のことをあまり話がうまくないように言っていましたが、そういう感じの人なんでしょうか？
ジャニーさんは表には出てきませんでしたが、新聞記者とはイベントの度に懇談をしていましたし、メリーさんは裏の作業を一手に引き受けて、色んな方々と渡り合ってきたわけですが、ジュリー社長ではまだ経験不足なのかな？
なんか、映像を見る限り、ちょっと頼りない印象も受けつつ、でも本来は気が強い人なんだろうなという印象も受けました。


文書での回答も読みましたが、タレントを守りたいという姿勢は伝わってきました。
事実関係をはっきりと認めなかったことは、悪手とも言えるかもしれませんが、今後起こるかもしれない損害賠償請求や、告訴を考えれば、今回の表現がぎりぎりなのかなという気もします。
ジュリーさんが知らなかった、ということはあり得ないとは思いますが、かといって、事実関係を認めない以上、知らなかったというよりほかにありません。
ただ、ジュリーさんがジュニアに全く関わってこなかったというのは事実だと個人的には思います。彼女の担当はあくまでも、デビュー組。ジュニアの現場にはいなかった。
カウアン氏も今回の話し合いで初めて会ったと言っています。そして、カウアン氏がジュニアだった頃、ジュニア担当だったと思われるのは、飯島氏。
今回の件でSMAPファンがかたき討ちのごとく、事務所を非難していますが、たぶんジュリー社長よりも当時の状況を知っているのは、そのSMAPのマネージャーであった飯島氏です・・。
意思決定がジャニーさんとメリーさんのみで行われていたというのも、まあその通りでしょう。ジャニーさんが好きなことをできるような環境を整えるのがメリーさんの役目。そのためであれば、記者を恫喝したり、テレビ局と交渉したり、裏の社会の人と渡り合ったりしてきたわけで・・。ジュリーさんに全く権限がなく、会社としての意思決定には含まれていなかったと聞いても全く驚きはしません。


第三者委員会を設けないことについても賛否両論でしょう。
ただ、言いたくない人相手に掘り下げたくないという気持ちもわからないでもない。
正義をふりかざすなら、全員にヒアリングして事実を聞き出すべき、なのでしょうが、その正義で傷つけられる人もいると個人的には思います。
ただ、外部識者の意見も取り入れて、徹底調査はしない、と決めたのであれば、それを第三者委員会としてきちんと立ち上げて、その上で、今回は別の方法を取ることとした、ではだめだったのかな？とも思います。

今の日本社会には、何かの種を見つけると、それを徹底的に炎上させて、叩いて、潰さないと気が済まない人たちが一定数います。
でもそれって、何のためなのでしょうか？
事実関係が明らかになり、被害者が救われる、これが目的なはずなのに、何か違う方向に誘導されている気がしてなりません。
はっきりさせなければ、疑いの目で見られますから、正直に言ってしまうことが正解なんだろうとは思います。でも、あまりにセンシティブな内容。口にしたい人はどれだけいるのでしょうか？
勇気を持って証言した元ジュニア達には敬意を表しますが、言いたくない人まで言わせられるのはちょっと違うと思うのです。
全容解明されることで救われるのは、誰なのでしょうか？
事務所が潰れることで救われる人は誰なのでしょうか？

カウアン氏のYouTubeも観ましたが、現在起きている不買運動には反対していましたし、ジャニーさんに感謝しているとも語っていました。事務所がなくなるなんてことも望んでいない、と。
親から虐待されている、でも嫌いになれない、そういう人たちの気持ちがよくわかる、とも。その感情自体、虐待の影響なのかもしれませんが、この件で刑事告訴する人が今のところいない、そして、元ジュニアの中でさえ、冷ややかに見ている人が複数いるわけです。まあ、それさえも、虐待による影響なので正さなければならないと考える人たちがいるわけでしょうが・・。
こう考えていくと、いったい誰のために今回のことがされているのかなと思ってしまったりするわけで・・。
正義って、なんなんでしょうねえ・・。

ファンが立ち上げた署名サイトが報道されていますが、それに懐疑的な他大部分のファンの声は報道されません。
賛同人の名前をみて、しらけている人たちのことも報道されません。
一部の声が、ファン全体の声のようにして報道されている。
一部の声が全体の声のようになり社会を動かしてしまうのが、ネット社会ですけど・・。

ともかく、今回の発表だけではとても収まらないでしょう。
次の展開がどうなるのか、心を痛めながら見守っています。


追記。
国分氏・喜多見氏のYouTubeを観ていたら、ジュリーさんのことが会話に出てきました。彼らがなぜ辞めたのか、を語る動画で、今回の騒動には全く触れていませんが。
退所を申し出た際の面談に親子で出てきたというのは初耳。ということは、ジュリーさんもジュニアに関わっていた時期があるということですね。
ま、メリーさんのご健在な中で、彼女には何も権限なかったというのには変わりないと思いますが・・。
ということで、ジュリーさん、被害を知らなかったというのはやはり無理があるかなあ・・。