江戸時代。
とある店の主人から、赤と黒の楽茶碗を注文された瀬戸物屋が
茶碗を届けに行った。
主人は「よい茶碗だ」と大変に喜んで、夕食をいっしょに、と誘った。
夕食の席には3人分の膳があり、
ひとつの膳は床の間に飾られた美人画の前に置いてあった。
主人は「家族がいないのでこれを相手に暮らしている」と言い、
赤楽茶碗もこの美人画のためのものだとのこと。
食事中も、主人は瀬戸物屋に話すのと同じように美人画に話しかけ、
笑ったり同意を求めたりしていた。
十数年後、同じ主人から「茶碗を割ってしまった」ので
同じようなものが欲しい、とまた注文があった。
瀬戸物屋は前と同じ感じの赤楽、黒楽の茶碗をもって訪ねた。
主人は「よく同じくらいよいものを探してくださった」と喜んだ。
使っている茶碗が割れるのはあることだが、絵は茶碗を使わない。
赤楽も割れてしまいましたか?と尋ねると
「自分のが割れたのであれの茶碗も割った」と答えた。
床の間の美人画を見ると、着物の色や化粧の仕方が前と違っていた。
若い美人画だったのが、今は顔が同じでも妖艶な年増女になっていた。
瀬戸物屋が驚いていると、主人は言った。
「自分が年を取ったら同じだけ描き足していっしょに老いている」と笑った。
その後は注文がないので、あの絵がどうなったかはわからない。
…という話を読んだことがある。
お店に飾った美人画が日に日に変わっていく、その理由は…… 絵の中の女性をめぐる不思議な物語
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=7409925
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