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2023年05月10日20:02

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本を買う

 昨日の日記に書き忘れたのだけど、ゴールデンウィークの特別ミッションとして「本を買う」というものがあった。

 職場で祝いごとがあって、QUOカードが社員に配られたのである。調べてみたけど、実はけっこう使いどころが難しい。たいていのコンビニでは使えるけれど、額面が大きいと逆にこまごましたものは買いにくい。家電量販店あたりで使えると便利なのだけど、残念ながらそうではない。

 さっさと金券ショップで換金してしまうという人もいたけど、少しとはいえ額が目減りするし、なにより味気ない。もうちょっと丹念に使えるチェーンを見てみると、意外と書店が多かった。
 本はめっきり買わなくなった。綱島は駅前に有隣堂があったし、他にも書店はあったけど、こっちに越してくると本当に本屋がない。越してくる時に本棚を3つから1つに減らしたし、もっぱら電子書籍ばかりで紙の本とはまるで縁のない生活になってしまっていた。

 とはいえ、こうなるとせっかくなので紙の本を買ってみることにした。

フォト


 とりあえず、購入したのが『三国志』。いわゆる元末から明初にかけて成立したといわれる小説でなくて、正史『三国志』の完訳本である。地元にいたころに図書館で借りて読んでおもしろかったけれど、渡邊義浩の著作もいくつか経由した今ならもっと楽しめるのではないかと思った。
 特別定額給付金の時に買おうと試みながら、アパートの更新と重なったため、舌打ちしながらそっちへ振り向けたといういわくつきの物件でもある。けっこうボリュームもあって、入手しがいもあるのだけど、なんとすでに文庫本しか販売されていないのだった。仮にも中国の国史なのに。安いのはありがたいといえばありがたいけど、予算がまた少し残ったので、ゴールデンウィーク中にふたたびJR川崎駅の駅ビル・アゼリアの中にある有隣堂を訪れ、今度は使い切るまで帰れまテンという企画が急きょ実施の運びとなった。

 最初はプログラム関係の書籍を視野に入れてみた。変化の激しい、最新の情報は常にネットで確認しないといけないジャンルだけど、枯れた分野もあるし、手元に参照しやすい情報が編集されて並んでいるのは確実に便利なのである。しかし、奇妙な貧乏根性が頭をもたげ(だって、検索すればいいじゃん)、結局は歴史系に回帰した。
 しかし、研究の最前線では常に既存の学説が否定され続けるという、こっちはこっちでITなみにせわしない界隈なので、「ここまでわかった!」みたいな本を買うとあっというまに陳腐化してしまう(別にそれでなにが困るのかといえば、どうでもいいわけだけど)。
 とりあえず、一次資料も押さえる系ということで、『地図と読む現代語訳信長公記』と『石山合戦を読み直す』を選んでみた。歴史ものを読んでいると、タネ本として『信長公記』はよく出てくるので、まずまず無難なところといえる。
 あと、『雑兵物語』とか『名将言行録』とか、成立はずっと後世だけどそれっぽいのも他にもあると思わないでもないけど、その時に有隣堂に並んでいた本の中から選ぶとこんなもんでしょ、というところなんである。

 石山合戦については、これは完全に仮説というか憶測なのだけれど、信長があれほど本願寺とか延暦寺と敵対したのについては、楽市楽座との絡みがあるような気がしている。座というと、いってみればギルドみたいな商人たちの組合を思い浮かべてしまうけど、実態はそうだとしても表向きの権威づけとして、こういう集団が寺社と結びついて看板を借りる一方、名義料を収めるという関係はそんなに突拍子がなくもないと思う。
 だから、楽市楽座を押し進めた結果、寺社勢力と対決する羽目になったのではなかろうかということなのだった。一方で土地だけの収益からにこだわると、領国を一定以上に増やせない気もする。その場合の上限は、せいぜい北条や毛利あたりで、信長の前に京を押さえ足利幕府や朝廷ににらみをきかせた三好は地元の四国が不安定化しては、そこと京との行き来で疲弊していたように見える。
 信長が本国である尾張・美濃をかためつつ、京への影響力を維持したことについては、域内流通を刷新し、旧来の座と決別して新興の商業資本(いわゆる豪商・堺衆など)と結びついた結果でないかと思うので、そのあたりを石山合戦についての本で迫れるかと思って買ったけど、そういう本ではないっぽい。別にいいけど。

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