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2023年05月04日10:01

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5月連休5日目

 連休5日目、後半に突入。
 今日は、午前中、部屋でホムペ更新などぼちぼちやり、昼前から渋谷へ出かける。
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 昼食は旧・文化村前の「ひものや」でサバの干物。
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 その後、渋谷のユーロスペースで映画。

 1本目は、
 「独裁者たちのとき」

 これは、「エルミタージュ幻想」のアレクサンドル・ソクーロフ監督による映像詩。第35回東京国際映画祭にて「フェアリーテイル(お伽話)」のタイトルで上映された。
 
 深い霞に覆われた色のない廃墟の中で男たちが蠢いている。アドルフ・ヒトラー、ヨシフ・スターリン、ウィンストン・チャーチル、ベニート・ムッソリーニ――かつて世界を牛耳っていた独裁者たち。お互いの悪行を嘲笑、揶揄し、己の陶酔に浸る、この煉獄で、彼らはただ“天国”へと続く扉が開くのを待っている………

 この映画が写し出す独裁者たちの姿は、膨大な量のアーカイヴ素材からのみで構築され、すべて彼らの存命中に撮影された実際の映像を使用しており、ディープフェイクなどの加工は施されていない、と言う。また、独裁者たちの語るセリフはいずれも過去の手記や実際の発言を引用している。
 そうして作り上げられたのは、ソクーロフが作り上げた煉獄そのもの。物語らしきものはなく、独裁者たちの、傲慢で汚らわしい言葉が延々と続くこれは、正に悪夢の再現と言っていいだろう――もっとも、そんな展開に途中、眠気に襲われてしまったのだが……

 この映画の中で、唯一の創作部分が、天国の門の向こうから聞こえる、謂わば“神の言葉”だ。
 その門が開き、チャーチルを迎え入れた際、ヒトラーやスターリンなど、「他の彼らにはまた地上で出番がある」と言うのには、ぞくっとさせられたし、それが現在のロシアから生み出された事を意味を考えさせられる。

 
 「独裁者たちのとき」を観た後、次の映画まで2時間以上の間があり、せっかくなので久々に来た渋谷の街を散策。
 久々の渋谷は、またちょっと変わっていて、知っていた店がなくなったり、テナントが入れ替わっていたりと変化が目立つ。
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 (東急百貨店も閉店してしまった)
 一時問題になったマリオカートも復活していたし、行き交う人々には外国人も多数……今や目立つのは中国人ではなく、インド人だけど。
 あと、目についたのは違法電動自転車――そりゃ、ペダルも漕がずに車道をクルマの流れに乗って走っていればすぐ判る……勿論、警官のいそうな交差点の付近なのでは、わざとらしくペダルを漕いで歩道に戻ったりしているのだが。

 その後、ルノワールに入って、日記を書いたりして、次の映画を待つ。

 その2本目の映画は、
 「J005311」。

 これは、独学で映画制作を学んだ河野宏紀が初監督を務め、出演・脚本・編集・整音・製作を兼任。製作も兼任した野村一瑛が主演を務めて共に本作を作り上げた。
 第44回ぴあフィルムフェスティバルのグランプリ受賞作。

 ある朝、思い詰めた表情で街へ出た神崎は、ひったくりをしていた山本と出会い、100万円の報酬で、ある場所へ送ってほしいと依頼する。こうして始まった二人の奇妙な旅の行き着く先は……

 この映画のタイトル、「J005311」は、光ることなく浮遊していた二つの天体が、奇跡とも呼ばれる確率で衝突し、星と輝き出して名づけられた事に基づくと言う。

 本作は、殆ど最小限の人数で作り上げられたロードムービー。主演の神崎を演じた野村一瑛に、監督の河野宏紀が共演の山本を演じ、後は撮影と録音のスタッフ2名の4人とクルマ1台によるロードムービー。
 面白い原作、名の知れた俳優、派手な演出やアクション、感動のドラマ……と言う、映画と言うものに必要な多くを省いた本作は、ある意味、映画の本質へ迫ろうとする、野心的かつ真摯な取り組みだろう。
 ドラマよりも現実を切り取ろうとするドキュメンタリー的な撮影、最小限の台詞に、背景説明の一切の省略と言うのも、有意義な取り組みだが、それでもかなり早い段階で、神崎の目的が判ってしまうのはちょっと残念。

 あと、本作はPOV映像でこそないものの、全篇手持ちカメラで、映像は事実上カメラマンのPOVであり、揺れる映像でゲロ酔いしてしまった……気持ち悪い。
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