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2023年04月15日16:46

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パリタクシー(Une belle course)

 終活に向かうマダムを乗せたタクシー運転手が、彼女の人生をめぐるパリ横断の旅に巻き込まれていく姿を描いたヒューマンドラマ。

無愛想なタクシー運転手シャルルは、金も休みもなく免停寸前で、人生最大の危機に陥っていた。そんな折、彼は92歳の女性マドレーヌをパリの反対側まで送ることに。終活に向かうというマドレーヌは、シャルルに次々と寄り道を依頼する。彼女が人生を過ごしたパリの街には多くの秘密が隠されており、寄り道をするたびに、マドレーヌの意外な過去が明らかになる。そしてそのドライブは、いつしか2人の人生を大きく動かしていく。

「ミックマック」のダニー・ブーンがタクシー運転手シャルル、フランスの国民的シャンソン歌手リーヌ・ルノーがマドレーヌを演じた。監督・脚本は「戦場のアリア」のクリスチャン・カリオン。(映画.comより)





<2023年4月8日 劇場鑑賞>

 今回、訳あって都会に出る機会があったので、田舎に降りて来てない作品をチョイスしました。お話は上にある通りで、人生行き詰ったタクシー運転手が、年輩の女性を老人ホームまで送り届ける依頼を”お金のため”に受ける、というものです。

 人生って、一度狂い始めると、もう本当にどうにもならなくなりますね。決して不真面目に生きてきたわけではないのに、気が付けばお金もない、免許は減点されてる、休みもない。借りた金を返す金も、当然ない。休みなく働いているのに、やっぱりどうにもならなくて、兄に電話をすると聞いてはくれるんだけれど、最初から依頼なんて予想できてる。こちらも本当は”呆れ声”なんて聞きたくもない。でも、他に方法もない。アテもない。見ていて苦しいほど。そんな中、彼のことをタクシー仲間のスタッフが見かねたのか、あるいは乗せる距離が長すぎて他の人が嫌がったのか。ともかく、老婦人の依頼を回してくれたわけです。最初はあまりの距離にシャルルも戸惑いますが、老婦人マドレーヌは「お金は払うから」と言うのでとにかく出発します。

 そして、本当はイヤだけどホームに入るしかないマドレーヌは、人生を振り返りながら、いろいろ思い出の地を巡ることにしたようです。あちこち、寄り道を頼みます。最初は面倒くさいと思ったシャルルも、ボチボチ彼女の期待に応えてゆきます。

 それにしても、波乱万丈すぎる人生。こんな上品なマダムが、まさかこれほどの人生を送って来たなんて。そしてなにより、たかだか1950年代、歴史から言えばほんのすぐ前な時代、この頃にヨーロッパ、しかもフランスで、これほどの女性蔑視が普通にまかり通っていたなんて!ここに一番驚きました。これがアジアなら驚かないでしょう。しかし、フランスでこれほどとは。夫の許可がないと、銀行の通帳も作れない?!どれほど殴られていても夫の暴力で離婚する女性はいなかった?!どれほど身勝手でも男の言い分が通った?!中東のイスラム系国家かと思いました。

 話自体は、だんだん仲良しになって行く二人のほっこり系ですし、風景も美しく切り取られていて、二人の”寄り道の旅”はとても美しいのですが、話のコアがすごすぎて驚愕でした。ラストのオチは予想できる範囲でしたが、その分安心して見ていられました。そうなるといいな、と例に漏れず思っていたので(笑)。おすすめです。
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