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2023年01月31日07:11

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小噺0396 一事不再理

憲法第39条に「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任は問われない」という一文があります。つまり、ひとつの事件は再度審理されて有罪になることはない、ということで「一事不再理(いちじふさいり)」と呼ばれます。

この規定が適応されることはそうそうありませんが、沖縄県宮古島市で比較的近年(2008年11月)起きた事例があります。軽自動車がバイクに衝突、バイクを運転していた17歳の少年が死亡した事案です。
当初は44歳の介護士の女性が起こした事故として、その人は自動車運転過失致死の罪に問われました。しかし女性は同乗の長女(15歳)が運転していたと主張し、それを事実だと判断した福岡高等裁判所那覇支部は女性に無罪を言い渡しました。検察は上告せず、この無罪判決は確定しました。

ところが、後にこの女性は警察に「事故を起こした車を運転していたのは 自分。これが真相です」と述べたというのです。既に無罪が確定していたので、一事不再理の規定にのっとって再審理は行われませんでした。過失とはいえ人を死に至らしめておいて「お咎め無し」です。遺族はどうにもやり切れません。

どうしてこのような規定が存在するのでしょうか。
それは「被疑者の人生が左右されるので徹底的に審理を尽くした(一発)判決を」という訓戒のためです。無罪でホッとしているところに「アンタやっぱり有罪でしたわ」(=再審有罪)は無いのです。

誰かが罪を犯して逮捕された後、検察が2つ以上の罪状で起訴することが度々あります。一事不再理の規定があるから、一旦軽い判決が下ってしまうと後で重い刑罰を課そうにもそうできないからではないか、と想像します(あくまで私見です)。
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