残念ながら「○○のように」というオーダーは分かりやすい

リアルタイムで話題にしたことがあると思うのですが・・・副業で、フリーのライターをしていた頃、よく「○○みたいな感じで」という依頼を受けて、なんだかなぁ〜って思っていましたっけ。で、最近、この人でも「○○みたいに」なぁんていうオーダーで仕事していたんだと驚くことがあり・・・当時の自分の気持ちを思い出しています・・・(^^;。

当時から、お金をもらって文章を書く仕事は、自己表現活動ではないので、依頼者の要望に応えるのは当然の事だと思っていました。報酬を頂くのだから、それに見合った商品あるいはサービスを提供することは、双方合意の当たり前の事柄ですよね。ただまあ、せっかくですから、要望に応えた上で、他のライターさんではない私という個性が喜んでいただけたら嬉しいとは、思っちゃいますよね、どうしても(^^;。

けど、ライターという仕事を続ければ続けるほど、"自分ならではの仕事で相手に喜んでもらいたい"なんて考えは余分なことだと思い知りました。なんていうのか・・・もともと、依頼先は、そんなこと微塵も求めてないんですよね。その現れが「○○みたいな感じでお願いします」というオーダーです。○○の部分には、人気テレビ番組名が入ったり、時には有名雑誌の名前が入ったりするわけですが・・・正直、「モノづくりに携わる者のプライドはないのかな」と思はなくはなかったです。いえ、モノづくりじゃなく、ビジネスとしてだって、二番煎じどころか五番煎じ六番煎じ、いや、もう出し殻煎じて味なんかしやしない状態に何も疑問を感じないのかなって・・・

ああそうだ・・・当時にも愚痴ったと思いますが、地域雑誌としては、そこそこ評価されている某雑誌の編集者さんは、真正面から「個性なんかいらない」と仰いましたね。「それがうちの個性だ」って。どこかで読んだことがある感じがいいんだそうです。読後に何の引っ掛かりも残らないことを目指しているんですって。特別な情報なんて入れるな、そんなのは邪魔だと言われました。まあ、その方が楽ですから、ライターのプライドなんて生意気なことを言わず、割り切ってしまえば割のイイ仕事になるんでいいんですけど・・・お寺さんとか、老舗さんとか、けっこう皆さん、深い話、素敵な話を聞かせてくださいますから、それを文字にして伝えられず、わたしのところで止めてしまうのは申し訳ないというか、残念でならないという気持ちは、どうしても捨てきれなかったですよね・・・

ただ・・・今になってつくづく思うんですが「○○みたいに」というオーダーの仕方、伝え方としては最高に分かりやすく、だから伝わりやすいんですよね。依頼者がイメージしているものが、はっきりと視覚化されますし、何を求められいるかが非常に明確ですから。

みんながみんな、他にないもの、己ならではのモノを求めていては、ややこしくて何も進まない・・・大概の部分は「○○のように」で進んでいくことが効率的なんでしょうね。その中でも、質を求めて真面目に仕事をしている人もいるでしょうし・・・上手に流して仕事する人もいるでしょうし・・・

ただね・・・自分の中で、この部分だけは拘りたいというものを、何かしら持っているんじゃないでしょうか・・・誰でもが。仕事に関してじゃなくてもいいんですよ。仕事は割り切ってやるけど、私生活のこの部分では、些細なことだけど譲れないものがある・・・そう、ほんとうに些細で、他人はおろか、自分でも意識していないかもしれないけど・・・みたいな。あるいは、仕事の上でも、大筋では割り切ってやっているけど、他人とはかかわりなく自分だけで出来るこの部分に関しては、ちょっとした譲れない拘りがある・・・とかね。

これも、定期的に話題にしていると思いますが、小学生のころ、学校で裁縫箱の一括購入があって・・・女の子はピンク、男の子は青の裁縫箱が、自動的に注文されていたんですが・・・わたしは「ピンクなんか嫌。何で女の子だからってピンクと決めつけられるの」って文句を言って、青の裁縫箱にしてもらったことがあるんですが・・・・先生は面倒臭かったでしょうね(^^；。

そんな幼き日の自分が、とっても愛おしいですが・・・今の私なら、「はいはい、ご苦労様。ありがとう」ってピンクの裁縫箱を受け取ると思うんですよね。それは精神の堕落でしょうか・・・いやぁ〜、きっと自分というものをそんなところで主張しなくてもよくなったってことなんだと思います。自分が求めるなら、自分を表現するための場は他にいくらでもあるってことでしょうか。それとも、自己主張なんてことを意識しないでもいい、自信がついたってことでしょうか・・・ね。

で・・・何が言いたいのか・・・うむ・・・譲れないもの、それはあっていいと思うのです・・・というか、あるといいなって思います。でも、それってそんなに多くはない。ほとんどのことは、好きじゃない事でも、望んでいない事でも、"まあいいか"と受け入れられる。自分だけで生きてるんじゃないし・・・大抵のことは譲っても平気。ただ、どうしても譲れない事、譲っちゃいけないことに関しては、めちゃくちゃ頑固になっていいし、頑固になるべきなんじゃないかと思います。それは誰に反対されても、時には多くの人に迷惑をかけることになっても、それが自分にとって、数少ないどうしても譲れない事なら・・・

あれ・・・最初のテーマから、ずいぶんと離れちゃいましたか・・・少なくても、タイトルとは関係なくなっちゃいましたね・・・でもまあ、いつものことです(^^;。