阪神淡路大震災は、殆どの方がまだ眠っている早朝に起きました。亡くなった方の多くは、動く間もなかったでしょう。全壊した親族の話ではあまりの強い揺れで、動こうにも動けなかったといいます。本来、動けるなら、危険な家具から身を離し、火を消して、避難に備えるのです。
重い本棚、大きな家具が凶器になるのは事実ですが、本当に危ないのは、寝ているときに倒れてくるということです。これに対しての防御策は家具を固定させることです。日本の住宅事情を考えれば、家具を減らせとか、避難路をふさがないようにといわれても、出来る事は限られています。
書棚から本が飛び出したとか、観音開きの食器棚が開いて落ちて割れた食器が部屋に飛び散ったと言うが、そのせいで命を落とすことは殆どないでしょう。タンスの上に重いものを置かないのは、地震のあるなしにかかわらず常識であり、火の近くに燃えそうなものを置かないのも当たり前です。
強い揺れは長くて30秒くらいしか続かないでしょう。強い揺れが一旦収まったときに、家が潰れていなければ、まずは生き延びたということです。部屋中がめちゃめちゃだと嘆いている人は、生き延びた証拠です。死ぬことと、ガラスで足を切るだけで済むことの違いは大きい。部屋の惨状を見れば、大変な地震かどうかは、およそ見当がつくでしょう。
さあ、落胆している場合ではない、火の始末、避難の準備です。消火器は備えておきたい。備える以上、使えるかどうかのチェックを忘れずに。ここまでやっていたら、いざ避難までの準備です。現金、通帳、水と食べ物、ラジオ、懐中電灯、スマホ、最小限の持ち物を、出来ればリュックに詰めて、避難の指示を待つのです。
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