お金持ちのお嬢様が口にする言葉、【お嬢様言葉】というのがあります。
『ごきげんよう』とか『ごめんあそばせ』『綺麗なお花ですこと』なんて言葉は、
ドラマやアニメの中でしか聞いた事がないという方がほとんどじゃないかと思いますが、
実際に使いこなすのは、なかなか難しいようですね。
「私、お嬢様言葉をマスターしたいんですけど、
言葉の語尾を『〜ですわ』とか『〜ますわ』とか『〜ですの』等に変換すればいいんですか?」
「いえ、それだけでは足りませんね。
最も大切なのは『できるだけ婉曲表現を心がける』という事ですね」
「婉曲表現ですか。具体的にはどのように」
「例えば『ぶっ殺してやる!』という言葉をお嬢様言葉に直すと、どうなりますか?」
「え〜っと・・・『殺して差し上げますわ』ですか?」
「それでは不十分ですね」
「では『楽にして差し上げますわ』とかは?」
「さっきよりはいいですが、まだまだですね」
「では『辞世の句を聞かせてくださる?』なんてのは?」
「あ〜いいですね〜。もう一歩です。
理想的なのは『墓前のお花は何がよろしいかしら?』ですね」
お嬢様言葉も、なかなか奥が深いですね。
日本語の中には、海外でも同じ発音、同じ表現で利用されている単語があり、
日本文化が世界に広まるにつれて、そういった単語が増えてるんですね。
例えば『可愛い』とか『漫画』『津波』『スキヤキ』といった物がそうですね。
そんな日本語の単語の中でも、英訳しにくい、日本独特の言い回しというのがありましてね。
例えば【渋い】なんて言葉がそうですね。
『華やかではなく、落ち着いた趣』といった、良い意味での【渋い】という単語ですが、
雰囲気を表現する言葉は、なかなか英語では訳しにくいものみたいですね。
それから健康法としても知られ、
森林の中に入って清々しい空気にひたる様子を表す【森林浴】なんてのもそうですね。
この単語も、なかなか英語では訳しづらいようですが・・・
【フォレスト・シャワー】とかではダメなんですかね。
他にも、家にいながら不在を装う【居留守】もそうですね。
居留守を使うというのは、あまり外国では見かけないシチュエーションなのかもしれませんね。
「家に引きこもってパソコンばかりやってて、人が訪ねてきても居留守を使う人は何て言うのかな?」
「【コンピューター居留守】だね」
この【引きこもり】というのも、英訳できない言葉なんですね。
長期間にわたり自宅や自室にこもり、社会的な活動に参加しない状態が続く事を指すわけですが、
引きこもりは世界中で問題視されており、
実際に英語圏でも【引きこもり】という言葉は、使われ始めているようですね。
「アメリカやイギリスでは【引きこもり】で通じるみたいだけど、フランスでは何て言うんだろうね?」
「【エスカルゴ】だろう」
確かにイメージ的にはカタツムリですよね。
「落語家の名前なんてのは、絶対に英訳できないだろうね」
「そうかな?できるのもあるんじゃないの?」
「じゃあ【三遊亭】ってのは?」
「【プレイステーション3】だよ」
これは言いえて妙ですよね。
微笑亭さん太
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