ある日ニューヨークのペットショップに、日本人の親子が犬を買いに来ましてね。
店員が一番可愛い犬を出すと、日本人の親子は、
「確かに可愛いわね。でも、肉付きが悪いから、美味しくなさそうね」
「何を言ってるんですか、これは食用じゃありません」
「あら、でも、ここは犬を売ってるんでしょ?だったら、その犬を買うわ。いくら?」
「五十ドルです」
「五十ドル?何よ、それじゃ、ビーフの方が安いじゃない!」
と言って目を丸くしたって話がありましてね。
これはアメリカで一九六〇年代に流布した話なんですが、
凄いのが【ジョーク】ではなくて【実話のエピソード】として語られていたという事なんですね。
犬食文化というと、中国や韓国が有名ですが、
日本でも犬を食べる習慣があると思われていたようですね。
これは明らかに【誤解】のわけですが、以前はこういった類の日本人に対する誤解が、幾つかあったようですね。
日本人というと、お辞儀をする民族として有名ですが、
日本人は人と会った時に、家族の間でも九十度に頭を下げてお辞儀すると思われていたそうですね。
また、日本の女性は夫に何か頼み事をする際、床に手をついてのお辞儀、
要は土下座をする義務があり、毎晩エッチをする前も、妻は必ず夫に対して頭を下げ、
エッチをしてもらうと思われていたそうですから驚きですよね。
実際の日本人は逆ですよね。
結婚前から変わり果てた妻に対して夫が土下座をして
『エッチは勘弁してくれ』と涙ながらにお願いするわけですからね。
ビジネスに関しても、日本人ビジネスマンは初めて会って挨拶する時、
自分の名前ではなく、会社の名前のみを名乗ると思われてましてね。
また名刺交換の際、名刺には氏名が記されておらず、
会社の名前だけが書かれているとも思われていたんですが、
その理由は恐らく、企業間ではお互いを個人名でなく
【ソニーさん】とか【トヨタさん】といった会社名で呼び合う習慣を誤解されたんでしょうね。
そしてその名刺は、パンツの中から出すと思われてましてね。
これを【名刺股間】と呼んでいるという・・・これは嘘ですけどね。
日本の企業の新入社員研修は宗教の洗脳のようなもので、
ひたすら社長の名前を連呼させられたり『ありがとうございます!』と、
一日千回叫ばされたりすると思われてるようですね。
課題をクリアしなければ、トイレすら行かせてもらえないし、
もし仕事に失敗をして会社に損害を与えたら、即座に切腹をさせられるとも思われているそうです。
やはり日本人は【ハラキリ】をすると思われてるんですね。
ですから飲み会で上司が『今日は俺が自腹を切るから』と言ったら
大騒ぎになったって話がありましてね・・・実際の日本の会社は、
腹は切らずに首を切りますけどね。
そんなビジネスマンたちを含めた日本人の死因第一位が
【過労死】だと思われている誤解もありましてね。
何しろ日本人はみんな、一日十八時間以上働いていると思われてますからね。
「営業マンなんかは、契約を取るために、色んな家を
『こんにちは〜!』と言いながら回りまくって、それが原因で死んじゃう事が多いんですよ」
「へえ〜、それも過労死ですか?」
「いえ、過労死ではなくて【ハロー死】です」
海を越えた誤解というものは、なかなか解けないものなんですね。
微笑亭さん太
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