12月1日(映画の日)、ハシゴ2本目。シネリーブル梅田にて。観客20人ほど。
淀川長治 解説「サタデー・ナイト・フィーバー」懐かし〜
SNF - wiki
https://ja.wikipedia.org/w/index.php?&oldid=92167672
黒いスーツに赤の開襟シャツと「先が尖ったワイン色の革靴」を合わせた洒落者。
主人公トニーがブルックリンの街を闊歩するオープニングから、目は釘付けだった。
彼があまりにもスリムなので「画面に長体かかっているの?」と勘違いしたほど。
(昔、深夜のシネスコ映画はTVサイズに強引に合わせた結果、絵が変になった)
劇伴はビージーズの「ステイン・アライブ」。
昔から耳に染み付いた名曲だが、字幕を見て初めて歌詞内容を知った。
歌詞和訳
https://fudego.net/stayin-alive-bee-gees/
Stayin Alive(映像はあらすじ)
https://youtu.be/YxvBPH4sArQ
君は厳しい社会を生き抜いているのさ。こんな歌だったとは…。
プリンスの「サイン・オブ・ザ・タイム」を連想した。あれも世相を歌った曲だ。
路上でバスケする子供にボールを返してやるトニー。歩きながら、右手に持ったボールを頭ごしにシュッと投げる。ジャケットが翻り、脇腹のしなやかな動きが一瞬見える。
美しい。この男は只者じゃない。歩き方からして優雅なのだ。踊りへの期待が膨らむ。
トニーは19歳(トラボルタは当時23歳、設定より老け見え)、イタリア系移民の子。
彼はペンキ屋の店員だ。口うるさい両親、祖母、妹と同居している。
親子喧嘩はするがすぐ謝るし、家に生活費も入れている。真面目で優しい青年だ。
土曜の夜ディスコキングになることだけを生き甲斐に、彼は地味な日常を耐えている。
父は失業中。母はこっそりパート仕事。親子関係は悪い。友達はロクデナシばかり。
差別用語で挑発したプエルトリコ人に返り討ちされ大怪我した奴は、不確かな話で
トニーたちに報復をけしかけたり。(後で人違いかもと言い出して揉めていた)
彼女を妊娠させて結婚を迫られ、弱り果てた挙句、発作的に自殺してしまう奴も。
(トニーが好きなブルックリン橋でふざけているうち、頭がおかしくなった)
敬虔なカソリック信者である両親の期待を一身に背負ってきた兄は神学校を辞めた。
(あからさまな兄弟差別をされてきた割に、この兄弟は互いを理解して仲が良い)
兄もしっかりした青年で、「強くなれ。自分の道を行け」と弟を励ましていた。
若い女はロクなのが出てこない。SEX目的でトニーにしつこくまとわりつく女とか。
近日開催のダンスコンテストで優勝するため、トニーはパートナーをスカウトするが、
この女が根性悪い。マンハッタンでPRアシスタントの仕事をしていることを鼻にかけ、
トニーを見下し、自慢ばかり。顔も美人とは言えないし、踊りもたいしたことない。
だが、トニーはこの女から「向上心を持って自分の運命を切り開く」姿勢を学んだ。
そう、SNFには「美しく気立ての良いヒロイン」が1人も登場せず、恋愛そのものより
その周辺にある厄介な現実問題(妊娠を盾に結婚を迫られるなど)をシビアに描いている点が画期的だった。青春映画というより社会派作品だと感じさせる所以だ。
500ドルもの優勝賞金がかかったダンスコンテストには、他所から黒人やプエルトリコ人のカップルが乗り込んできた。彼らのダンスはインパクトがあって上手かった。
他方、トニー組のダンスは選曲も振付も大人しく、女は下手で、パッとしなかった。
プエルトリコ組のダンスを眺める観衆の中で、トニーだけが顔を強張らせていた。
彼は踊りが上手いからこそ見る目も確かだった。
だから、身贔屓の感情に引きずられずに、誰が本物の勝者なのかを悟った。
彼は貰ったトロフィーと賞金をプエルトリコ人カップルに押しつけ、逃げるようにディスコを去った。インチキな高評価を得ることを潔しとしなかったのは彼のプライドだ。
大好きなブルックリン橋を越え、トニーはマンハッタンに引っ越そうと決めた。
掃き溜めみたいな今の境遇と決別し、自分の夢に挑戦する一歩を踏み出そうとーー。
トニーの部屋には「ロッキー」「ブルース・リー」「オリビア・ニュートンジョン」のポスターが貼ってあった。1976年の若者文化を想起させる印象的な小道具だった。
ダンスシーンは多かった。1970年代のディスコダンスは社交ダンスに近かった。
フロアにいる全員が同じ向き・同じ振付で踊る様子は、盆踊りみたいだった。
ダンスシーンはたくさんあったものの、ビージーズの「You Should Be Dancing」が流れる中、トニーがソロで観客を魅了するシーンが圧倒的に良かった。
このシーンはなぜかプリンスの「KISS」等を思い出させる。影響を受けたのかも。
Prince & The Revolution - Kiss
https://youtu.be/H9tEvfIsDyo
そういえば、トニーが黒ビキニ一丁で鏡の前に立ち、支度する様子を見た時は
「Dirty Mind」(1980年。黒ビキニ&トレンチがTMの時期w)を思い出した。笑
Dirty Mind
https://youtu.be/c3GPPnVz1fw
Uptown
https://youtu.be/ZiuSRQHLv88
映画SNFが、プリンスに影響を与えていたなんて、今まで思い付きもしなかった。
だが、よく考えれば時代的にも音楽トレンド的にも「影響を受けて当然」だよね。
https://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=1833905&id=5312275
https://mixi.jp/view_item.pl?id=184353
ドキュメンタリー映画『ビー・ジーズ 栄光の軌跡』の前にハシゴ。
日本公開は1978年、世界中でディスコブームを巻き起こした「とてつもない作品」。
10代のころTV放映で観たはずだが、決めポーズしか記憶になかった(爆)ので、初の劇場鑑賞。
いやー、これは観て本当に良かった!!
昔観た作品を見直すって大事なことだと再確認した。
SNFは「苦い青春映画」だった。
若いイタリア系移民二世の鬱屈した日常を、シリアスに描き出していた。
19歳の主人公トニーは葛藤を乗り越え、成長していく。
イタリア系とプエルトリコ系の人種間対立、マンハッタンとブルックリンの地域格差、毒親、職業選択の悩み、カソリックと中絶、ドラッグ、レイプ、不倫、アメリカンドームなど、様々な問題をビージーズ・サウンドに乗せて訴える「社会派作品」だった。
トラボルタは「19歳」にしては老けていた。が、猫のようにしなやかな動きはセクシーでエレガントだった。ダンスシーンは多いものの、彼がソロで踊るフロアのシーンが一番良かった。
【秀作!】映画『ビー・ジーズ 栄光の軌跡』 2022年12月23日
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1983989676&owner_id=1833905
【INDEX】映画/舞台 関連日記(2)2019〜
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1979079540&owner_id=1833905
【INDEX】音楽関連日記 / 2011〜
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1668576988&owner_id=1833905
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