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2022年11月14日06:03

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【映画叙景】心の多様性映画

『窓辺にて』('22/143分)…11/14(MOVIXあまがさき)

ストーリー説明、ネタバレなし

上映時間は鑑賞後に知ったのだが、あっという間の143分でした。(もっと浸っていたいという鑑賞後感)
今泉力哉監督って調べたら今年41歳でしたが、作風的にもはや巨匠の手触りの様な肌感がありました。そういう意味で私の中では濱口竜介監督に近い存在かも知れません。
監督の作品自体はそれほど多く観ている訳でもないし、観た作品全てが好きな訳でもないのですが、その作家性には惹かれますし、本作に於いては大いにシンパシーを感じました。
本作があっという間に感じられたのは、恐らく醸し出す空気感が私にとって非常に心地よかったからでしょうね。

で、何が心地よかったのか?を見つけることによって今泉力哉監督の謎を解くことが出来るような気がして、結論から言うと、私が一番心地よかった部分は“決めつけへの密やかな反抗”の様な気がします。
今や、家庭内で、教育現場で、会社内で、各メディアで、SNSで、各々が各々の“常識”をひけらかしている時代であり、それらの“常識”は本来答えのないモノである筈なのに、凄まじく各々の“常識”を押しつけてくる時代になっている様に感じられます。
特にネットが進化した今、更にその押しつけ度合いが増し、最近では“マウントする”という言葉まで流行り、ただの個人のつぶやきや日記に対してまで反論や押しつけがましい意見や誹謗中傷まで書き込まれる時代になってしまい、人々は常に他者に対して自分の常識を押しつけたい生き物なのか?と思ってしまうほどです。
冒頭の、久保留亜の授賞式の記者の陳腐な内容の質疑応答シーンで、上記した“今”を簡単にまとめ表現していました。そこで、主人公の市川茂巳と留亜の共感が生まれたのと同じく、私も主人公に珍しく感情移入してしまったキャラでした。
“好き”の形って人によって違うんだよ、喫茶店のパフェのように。

恐らくこの作品、好きな人と嫌いな人、分かる人と分からない人、両極端に分かれる様な気がします。(その比率は今の社会なら2:8位と個人予想)
上記したよう社会の中で、元々答えなんかないモノに対してあまりにも他人とは違う感覚に悩み、答えを探す様を理解できる(嘘の常識を押しつけられる)人と、理解できない(自分の常識を人に押しつける)人に別れるのと同じように…(しかし、この私の意見自体が人によっては私個人の“常識”の押しつけと捉える人もいるかも知れませんが…)
答えのない、結末のない映画があっても良いじゃないか!! 喫茶店のパフェみたいに“完璧”なんて人によって違うんだよ。

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