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2022年10月15日20:56

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『鎌倉殿の13人』第38回「時を継ぐ者」

 北条時政は平賀朝雅に鎌倉殿を譲位するよう詰め寄るが、源実朝は応じない。いよいよ屋敷は軍勢に囲まれ万事休すとなっても、りくだけはあくまで強気に積極策を唱えるが、さすがに時政は断念してクーデターは未遂に終わる。

 時政の処遇について義時は厳罰を主張するが、政子は寛大な処置を求める。それははねつけたが、当の実朝にもとりなされ、これにはさすがに折れて伊豆へ追放ということで矛を収めた。敗残のりくはあくまで気丈に振る舞うが、政子や真衣とも結局は打ち解けて親しく語らって別れを告げる。
 一方、義時はあくまでりくを亡き者にすべくトウを遣わせたが、三浦義村に阻まれる。義村はトウと闘いながらも、「俺の女になれ」とナンパに余念がないのだった。家に帰れば堀北真希が待っているというのに。
 それはともかく、トウはもともと義村の父の祐親に使われていた善児が師匠だったわけだから、世代を経て元の鞘に戻ることを予感させるやりとりだった。義村が暗殺者を使うとなると、標的としてはあの人物を思い浮かべてしまうわけで、今後もけっこう本筋に絡んでいきそうである。

 りくは義時に別れを告げるとき、刺客を向けてきたと指摘はしたが、特に恨み言を並べるでもなく恬淡としたものだった。都でない以上、鎌倉も伊豆も同じだといい、最後まで都へ帰ることを願ってやまないまま果たせなかったが、同時に関東にどっぷり漬かっていたこともあらためて自覚していた。後妻に入って父をそそのかしたと時政の家族からは非難されてきたが、彼女にも彼女なりの思うところや目指すところがあったことが丁寧に描かれていた。

 義時は一部の御家人の不満を押さえつけながら、父の後を継いで二代目の執権となり、あわせて平賀朝雅を誅殺させる。本編終了後の紀行コーナーでネタバレされてしまっていた朝雅の最期だった。演じていた山中崇という俳優さんは、『ちむどんどん』では田良島甚内という頼りになる編集長だった。大河と朝ドラにだいたい同じ時期に登場して、退場したことになる。
 北条政範の死から、畠山重忠の謀反、時政のクーデター未遂まですべてひっかぶせて穏便に決着をつけた格好にしているが、そのことでついにラスボス後鳥羽上皇を本気にさせてしまった。そして、物語は最終章へとなだれこんでいく。


 しかし、翌週は本編ではなく主要キャストによるトーク・スペシャルなのだった。なぜこのタイミングでこういうものが挟まってくるのか、コロナ対策で設けていた予備日を使わずじまいで来たので、ここで消化したのかとか思うけど、よくわからない。メインキャストは、バラエティ対応も達者な人たちだったので和気あいあいとした楽しい番組になっていた。
 こういう番組で別撮りの個別収録によるゲスト出演では、オフショットっぽい私服姿で映るのが一般的だと思うのだけど、菅田将暉はなぜかスーツ姿だった。なにかの収録からの流れだったのだろうか、それとも、私服がスーツなのだろうか(そんなわけないと思うけど)、それとも、このケースでは滅多にスーツで出る人はいないからこそのあえてのスーツだったのだろうか。
 三谷幸喜が政敵を次々と葬った義時の過酷さをけっこう重く見ていて、その代償を課されるべきだと考えているのが興味深かった。その最期はかならずしも満ち足りた穏やかなものではないながら、しかし、泰時が新しい時代の希望を担うようなものになるらしい。こちらとしても、最後まで見届けるだけである。

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