9月10日・11日、N響は、ファビオ・ルイージの首席指揮者就任記念として、ヴェルディ・レクィエムを演奏した。
英国エリザベス女王が亡くなり、また、9・11ということで、それぞれの人に、いろいろな思いがあったことでしょう。もちろん、コロナで家族や友人を失った人も多いし、あるいは、あべし首相を追悼した人もいたかもしれない。「国葬偽」よりはよい。
イタリア・ジェノヴァ出身の俊才指揮者も、63歳の働き盛り。オーストリア、ドイツ、スイスで活躍し、最近はデンマークや米国ダラスなど、ちょっと本流を外れた場所にいる。日本には札幌PMFに来たこともあり、近年N響と関係を深めていた。
見た目は水谷豊さんの杉下右京役、春風亭昇太さんをまじめにした感じで、日本人受けがよい。
当日の公演は、90分の大曲をバランスよくまとめた上、迫力も十分。4人のソリストも新国立の合唱団も見事だった。
この日は、NHKホールの改装後初お目見え。多少の変化はあったようだが、改装部分の説明もなく、あまりよくわからない。
長い曲ということで、開演前と終演後にトイレの行列ができていた。ロビーの人目から見える場所にご婦人方を行列させるのはどうかという意見もあったが、あまり改善されなかったようだ。
よかったのは、終演後に限り写真撮影が解禁されたこと。これはN響にしては進歩的かつ大いに賞讃される変革だ。
ファビオ・ルイージ。名前と顔を覚えてください。まずは極めて順調な船出となった。
ログインしてコメントを確認・投稿する