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2022年09月11日15:25
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憲さん、防衛ジャーナリスト半田滋さんの講演会をききにいく！ 現在の護憲勢力に求められることとは何かを考える
※画像は講師の防衛ジャーナリスト半田滋さん
先日の金曜日、仕事が終わってから亀有までわざわざ遠征して講演会を聴きに行った。
憲さんが以前所属していた地域合同労組の友誼団体であった国鉄闘争支援葛飾地区支援協議会(葛飾支援協)の後継団体である葛飾区労働組合連絡会(葛飾労組連)が主催する、「岸田政権の改憲・戦争の道をとめよう！9・9半田滋さん講演会」である。
憲さん、不覚にもこの防衛ジャーナリストの半田滋さんという方を知らなかった。
この方、憲さんの愛読紙東京新聞の現役の記者らしい。
1955年生まれで、下野新聞社を経て現在は東京新聞・中日新聞で自衛隊、防衛政策、在日米軍など安全保障全般について社説や記事を書いているそうで、防衛省防衛研究所特別課程を修了している、軍事マニアならぬ防衛マニアらしい。
(´艸`)くすくす
参考
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【半田滋】
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知らなかった！
当日、500円で「ロシアのウクライナ侵攻と日本の安全保障政策」と題した資料を購入して講演を聞いたが、極めて専門的で一時間半の講演では内容が濃すぎて、消化するのが困難であったというしかなかった。
講演会のタイトルは「岸田政権の改憲・戦争の道をとめよう！」であったが、それについてのアジテーションというよりは、資料の表題のように、現在のウクライナ情勢の分析と、それを受けての日本政府の安保防衛政策を巡っての分析とさらにはアメリカの台湾有事を契機とした対中国戦争の現実性を説いていた。
講演が終了した後の休憩時間に著書を売っていたので買おうと思ったが、発行年度が旧く図書館にもあると思い購入をとどまった。
参考
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『安保法制下で進む！先制攻撃できる自衛隊―新防衛大綱・中期防がもたらすもの』
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休憩後、講師との質疑が行われたが、憲さんも質問をしたかったが結局は質問せずに終了してしまった。
その質問が以下である。
「自衛隊は違憲か合憲か？」
これは日本の憲法９条、さらには安保防衛政策を考えていく上で根本的な問いであり、さらにはそれらについて意見を述べる際のその人の立ち位置を図る重要な“物差し”になる。
この講師の方、あの左派的論調の東京新聞の記者であり、さらには労働組合が主催する講演会の講師を引き受ける立場であるから、少なくとも現在の政府自民党の安保防衛政策について批判的であることはハッキリしているが、憲さんとしては上記の質問についてこの講師の方がどのような考えを持っているかが大へん興味の有るところだった。
講演会がおわり、親睦会もなく、質問ができなかったモヤモヤを抱えたままその日は家路についた。
そして、次の日の休日早速図書館に彼の著作がないか調べてみたらあった！
上述の著作はなかったが、最新刊のこれがあった！
↓
『変貌する日本の安全保障』
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早速借りてきて読んでみた！
すると、そこに憲さんの質問の回答が書かれていると思われる章があった！
それが、第1回「憲法と自衛隊」である。
ここに「第1回」とあるのは、この著作が兼任講師をつとめる法政大学のオンライン授業で行った政治学特殊講義「安全保障政策」を書き起こしたものであるからだ。
なので、学生用に解りやすく書かれている内容となっている。
・・・・・・・・・
憲さんはご存知の通り日本では数少なくなってしまった「自衛隊＝違憲論」者である。
これはいくら憲さんが政治的「パラノイア」と言われようが「転向」する気は毛頭ない。
それはこちらの随筆を読んでくれればわかると思う。
参考
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憲さん随筆
「天晴れ！伊藤弘！ 防衛費の二倍など言語道断だ！ 言ってやれ！言ってやれ！」
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憲法のどこをどう読んでも、武装した自衛隊が「戦力保持」を否定した憲法９条に違反しないとは読める訳がない。
これは、まさに「黒を白」と言いくるめる詭弁に他ならない。
自衛隊でも、警察予備隊でも、軍隊でもその名称に関わらず他国との「交戦」を目的とした実力組織を持つには少なくともこの憲法９条を廃止するしかないのである。
なので、この憲法９条が有る限り自衛隊はいつまでも違憲組織なのだ。
これが憲さんの持論である。
そして、この講師の方の著書『変貌する日本の安全保障』の「第1回 憲法と自衛隊」にはこの自衛隊についての政府見解が書かれている。
それが以下の箇所である。
以下、引用する。
・憲法第9条は、我が国が主権国として持つ固有の自衛権まで否定するものではなく、いわゆる自衛権発動の3要件に該当する場合には、自衛のための必要最小限の実力を行使することが認められている。
・憲法第9条第2項では「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とあるが、自衛隊は、我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織であるから、憲法に違反しない。
(中略)
政府見解は自衛隊を「合憲」と断定しています。ただし、無条件ではありません。「自衛権発動の3要件」に該当する場合には、「必要最小限の実力を行使することが認められている」という言い方で武力行使を認めているのです。
「自衛権発動の3要件」とは以下の通りです。
�，錣�国に対する急迫不正の侵害があること
�△海両豺腓砲海譴鯒喀�するためにほかの適当な手段がないこと
�Ｉ�要最小限度の実力行使にとどまるべきこと
つまり、日本に対して、他国から武力による侵略行為(急迫不正の侵害)があり、これを止めさせるために外交など(適当な手段)では効果がなく、適切に応戦(必要最小限度の実力行使)することは日本国憲法上、許されるとしているのです。
政府は具体的に次のように説明しています。
「憲法前文で確認している『国民の平和的生存権』や憲法第13条が『生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利』は国政の上で最大の尊重を必要とする旨定めている趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条が、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を採ることを禁じているとは到底解されません」
つまり、憲法前文や憲法第18条の定めがあるのだから、第9条があったとしても「必要な自衛の措置」を取ること、すなわち適切に応戦することは許されるとしているのです。そして適切に応戦する組織である自衛隊は「我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織」なので合意であると断定しています。
以上、引用終わり。
全くもって苦しい言い訳であり、日本語として論理的に破綻しており、まさに「詭弁」としかいう他あるまい。
憲さんが一つ一つ論破していこう。
その前に憲法９条を確認しておく。
日本国憲法第二章 戦争の放棄
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
�◆〜姐爐量榲�を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
である。
では、政府見解はどうだ？
まず「自衛のための必要最小限の実力を行使することが認められている」とあるが、この「自衛のための必要最小限の実力行使」とは他国と「交戦」することではないのか？
少なくとも憲法では、日本国の「交戦権」は認めないといっているのである。
「交戦」とは文字通り「戦を交える」ことであり、実力組織が実力を行使しあうことである。
しかし、他国と交戦しない「実力行使」などあり得るはずもない。
ということで、この政府見解は明らかな「矛盾」である。
次に政府見解の「自衛隊は、我が国を防衛するための必要最小限度の実力組織であるから、憲法に違反しない。」である。
これなどはまさに小学校低学年の児童ですら「おかしい」と思う屁理屈である。
すなわち「泥棒はしてはいけません」との決まりがあるが、「あめ玉１つくらいなら泥棒とは言いません」と言っているに等しいのだ。
こんな詭弁が通じる訳があるまい。
竹槍1本、石礫1つにしても、それを他国との「実力行使」に使用すれば「戦力」であることは間違いないのである。
それが、いまや空母を持ち隊員23万人がいる実力組織はまさに「軍隊」と言わずして何と呼ぶのであろうか？
ちなみに、国際的には日本の海上自衛隊は「Navy」なのだ！
参考
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自衛隊の名、実態と合ってない？ 無線では「日本海軍」
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次に政府見解のこれである。
↓
「憲法前文で確認している『国民の平和的生存権』や憲法第13条が『生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利』は国政の上で最大の尊重を必要とする旨定めている趣旨を踏まえて考えると、憲法第9条が、わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を採ることを禁じているとは到底解されません」
これも苦し紛れの詭弁であろう。
政府が憲法前文を出すのなら憲さんも憲法前文で答えよう。
憲法前文にはこうある。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」と。
すなわち、私たち日本国憲法を戴く日本国民は「恒久の平和を念願」することと、「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼」することによってのみ「われらの安全と生存を保持し」なければならないと過去の歴史の反省の上に立って「決意」したのである。
なので、『国民の平和的生存権』や憲法第13条がいうところの『生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利』を保障するわが国の自国の平和と安全を維持する手段としても、戦争を手段とすることは言うに及ばず、交戦権をもつ実力組織も持ってはならず、ただただ「恒久の平和を念願」することと、「平和を愛する諸国民の公正と信義を信頼」すること、すなわち言論による政治と外交努力によってのみ実現しなければならないのである。
これが憲法９条に書かれている全てである。
これに対して当然なが「自衛権を持たない国家など存在し得ない」「そんなことは現状の国際情勢を鑑みたら、空想に過ぎない」などの批判があがるのは承知している。
しかし、これはいくら「空想的」であろうと仕方がないのである。
日本国憲法は世界に冠たる名憲法であり、これは前文にもあるように「人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚」して立憲されたものなのである。
なので、いくら「空想的」とか言われても、「崇高ですから･･･」としか言いようがないのだ。
なので、どうしてもその「崇高性」が気に入らないのてあれば手垢にまみれた「俗なる」憲法に変えるしかないのである。
もちろん、憲法第96条に厳密にしたがって。
なので、この政府見解の「わが国が自国の平和と安全を維持し、その存立を全うするために必要な自衛の措置を採ることを禁じているとは到底解されません」というのはこの“俗なる”作文者の内なる“願望”に過ぎないのである。
残念ながら･･･。
しかし、憲さんはその「崇高性」ゆえに日本国は戦後長きにわたり平和を維持し、まがりなりにも世界的に尊敬の念を集めてきたのではないかと思っている。
また、「自衛権を持たない国家が存在し得ない」というのも歴史的には事実に反する。
幕末において、幕府は事実上対外戦争を遂行するための軍隊を持ってはいなかった。しかし、幕末期における列強の強欲な植民地支配衝動を有能な幕臣たちの外交努力によりはね除け、独立を維持してきた事実があるではないか！
参考
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憲さん随筆
教科書の定説を疑え！日米修好通商条約は不平等条約ではなかった！−『日本を開国させた男、松平忠固 近代日本の礎を築いた老中』を読んで
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「明治維新」以降、軍隊を持ってから日本は帝国主義化し、戦争の道を突き進み内外の人民を塗炭の苦しみに突き落としたのである。
これについては紙幅の関係で論は他に譲ることにするが･･･。
実力組織＝軍隊など百害あって一利なし！
自衛権は違憲だ！日本に軍隊など必要なし！
それが、憲さんの質問である「自衛隊は違憲か合憲か？」の明確な回答である！
残念ながらこの著書にはその明確な答えが載っていなかった。
昨今の「護衛艦いずもの空母化」事実上の弾道ミサイルの「島嶼防衛用高速滑空弾」の違憲性を述べていたが、憲さんに言わせればそんなのは「言わずもがな」である。
参考
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【護衛艦いずも】
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海自最大の護衛艦「いずも」型が能力向上！ いま空母化が求められるわけ
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憲さん随筆アーカイブス 憲法なんか知らねーよっ！？ 専守防衛の日本に航空母艦は必要ない！ 海自護衛艦「いずも」の空母化に断固反対！
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島嶼防衛用高速滑空弾ブロック1が量産開始予定
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重要なのは、自衛隊そのものの違憲性をあくまでも問題にして追及する姿勢である。
憲法９条を護るということはそういうことであり、現在のわたしたちに求められていることはその原点に立ち返ることではないだろうか？
憲さんはそう考えるのであった。
どーよっ！
どーなのよっ？
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