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2022年08月17日07:16

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きつね

昔わたしの住まう村、
住まう者大半人に非ず、
狐に在りました。

狐に在らぬ者にとり、
誰が人で狐に在るかは識るに難いことでした。

わたしの祖母と叔母のひとりは狐に在ると、
わたしは早くに祖母から聞かされました。

故に他の狐もわたしを身内と見なして下さり、
狐の集う河原で晦日の晩に、
城から参る藩主共の振舞う、
宴の恵みに授かりました。

さて昨今、
わたしが憂いているのは、
巷に至れば人にも狐にも在らぬ者、
まこと多く見かけるやうになったことです。


































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