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2022年06月08日11:41

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ロシア軍得意の物量作戦がウクライナに通用しないw

ロシア空軍が弱いのは何もかも時代遅れだったから
ロシアが撃つミサイルは10発のうち2、3発は飛ばないか途中で失速
PRESIDENT Online
2022/06/07 12:00

<ロシア空軍は物量だけで、精度や作戦はベトナム戦争以後兵器も戦術も飛躍的に進化させた米軍の30年前のレベル。ウクライナからルーマニアに続くザトカ橋を10回近く空爆して破壊できなかったのがその証拠だ:ウィリアム・アーキン>

ロシア軍がウクライナ攻撃に使ったミサイルの数は第2次世界以降の最多を記録している。だが、航空戦の専門家が指摘するように、投じた物量の割に、ロシア軍の挙げた戦果はあまりに乏しい。本誌が独占的に入手したデータもそれを裏付けている。

「この恐るべき数字を見てほしい。わずか2カ月余りで、ロシア軍はわが国の都市や町や村に2154発ものミサイルをぶち込んだ」ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先週そう訴えた。「ロシアの爆撃は昼も夜もやまない」

しかし、見境のない重爆撃はプーチンの戦争を勝利に導くことにほとんど貢献していない。そこから将来の戦闘に役立つ貴重な教訓を引き出せそうだ。

米軍とロシア軍が行った2つの橋に対する攻撃が参考になる。1つは50年前の北ベトナムの橋、もう1つは先週起きた黒海に臨むウクライナのリゾート地ザトカの橋への攻撃である。

制空権が奪えない
ロシア軍がミサイルの使用数で最多記録を打ち立てたちょうどその頃、ゼレンスキーはウクライナ軍が破壊したロシアの軍機が200機に上ったと発表した。これは、ウクライナと比べて15倍もの規模を誇るロシア空軍にとっては、あまりにも不名誉な記録だ。

同時期に打ち立てられたこの2つの記録を見て、世界中のコメンテーターがウクライナの強固な抵抗をたたえ、ロシアは数の上で圧倒的に有利であるにもかかわらず、その強みを生かせていないと指摘した。ロシアの失敗は、ウクライナ上空の制空権を確立できなかったことにあり、ロシアは既に精密誘導兵器を使い果たし、補給もできない状態に陥っていると見られている。

名誉挽回のためか、ロシアは22日、「特殊軍事作戦」の開始以来、ウクライナ軍機165機を破壊したと発表した。しかし、この数字はどう見ても疑わしい。165機はウクライナが保有する飛行可能な戦闘機数のほぼ3倍に当たるからだ。

「ロシア空軍はいまだに制空権確保のための作戦を実行する気がないようだ」と、英空軍の元中将であるエドワード・ストリンガーは言う。

この場合の「作戦」とは、ウクライナの防空システムを破壊するための組織的な攻撃のことだ。早期警戒システムと通信網を徹底的にたたけば、ウクライナは、ロシア軍機がいつどの方角から飛来するかを察知することも、地対空ミサイルを飛ばすこともできなくなる。

米軍は1991年の湾岸戦争で、こうした作戦のための黄金律を打ち立てたと、ストリンガーは言う。これは「何度も実行された戦術的プロセス」で、どこで戦う場合も欠かせない、という。

イラク、コソボ、アフガニスタンで米軍の航空戦を指揮した元米空軍の上級将校によると、その黄金律とは、「敵のレーダーを破壊し、通信を妨害し、戦闘機を撃墜し、飛行場を使用不能にし、SAM(地対空ミサイル)を無効化すること」だ。

「まずは制空権を確保すること。それが絶対条件だ。敵の空爆から米兵を守るためにも必要だが、2度のイラク戦争で米軍が実証したように、敵を弱体化させるためにも不可欠だ」

イラク戦争では「米陸軍の地上部隊が敵を追い詰めたが、それを可能にしたのは空軍の作戦だ」と、この将校は作戦上の話をするため匿名を条件に語った。

「貧者が空を制す」事態
ロシアが制空権の確保をあきらめたことは、ウクライナ戦争の顕著な特徴だが、西側の観測筋はその理由を解しかねている。侵攻開始から48時間は、ロシア軍もウクライナの防空システムを猛攻したが、それで終わり。その後は米軍が必須条件と見なす制空権の確保をあっさり断念してしまった。

飛行場や防空拠点を攻撃したのは最初の2日だけで、これらの施設を徹底的にたたこうという考えはなかったようだ。ウクライナの小規模な飛行部隊はおおむね戦闘不能になったが、ロシアの攻撃が中途半端に終わったおかげで、すぐさま防空体制を立て直せた。特に携行型の地対空ミサイルは広域の防空に威力を発揮し、ストリンガーの言葉を借りれば、「貧者が空を制す」状況となった。

ウクライナの地対空ミサイルを恐れて、ロシアは爆撃機の出撃回数を極端に減らした。本誌が検証した米情報機関のデータによると、ロシア軍は出撃可能な軍用機のわずか1割強しか使っていない。インフラ施設などの「戦略的なターゲット」に向けた長距離のミサイル攻撃は継続しているが、ウクライナの領空に戦闘機や爆撃機を飛ばすことはできる限り避け、空と海と陸からの攻撃を組み合わせる形、つまり地対地ミサイルや、艦船と潜水艦からのミサイル発射で空爆を補完する形態をとっている。

ということは、ロシアも攻撃方法を調整したのだろうか。自軍の損害を極力減らして、ターゲットを破壊する方法を編み出したのか。

その答えを探るため、ウクライナ南部の黒海に臨む港湾都市オデーサ(オデッサ)から60キロ程のザトカの橋を見てみよう。ザトカは、ロシアの河川を除いてヨーロッパで3番目に長いドニエストル川の河口に細長く突き出した2つの陸地にまたがる、のどかなビーチリゾートだ。

この2つの陸地をつなぐ橋は、オデーサ港とブジャク地域を結ぶ橋でもある。ブジャク地域は、15世紀半ばからオスマントルコの支配下にあり、1812年にロシア領となったベッサラビア地方の南部に当たる地域だ。現在はウクライナ領で、人口は60万人。ウクライナ南部からルーマニアに向かう玄関口となっているが、ルーマニアに入るためにはザトカの橋を渡らねばならない。50キロ程北にも国境を越える橋があるが、モルドバからの独立を主張しているトランスニストリア地域(自称「沿ドニエストル共和国」)に通じる橋であるため、検問が厳しく、治安上も問題があって、輸送には不向きだ。

ドニエストル河口の2つの細長い陸地をつなぐザトカの橋は長さ150メートル余り。鉄道の線路と道路が敷設されている鉄の跳ね橋で、旧ソ連時代の1955年に建設された巨大な構造物である。ドニエストル川と黒海を行き来する船を通すために1日に5回、左右の橋桁が垂直に上昇する。

ロシア軍が最初にこの橋に照準を定めたのは、侵攻開始から8日目の3月3日で、近くの軍事施設に対する攻撃だった。ウクライナにおいてロシア軍機によるクラスター爆弾の投下が報告されたのはこの時が初めてで、ウクライナは投下したロシア軍機を撃墜し、パイロットはパラシュートで脱出したと発表した。

その12日後の3月15日、ロシア軍は再びザトカをねらい、今度は艦砲射撃でザトカと近くの3つの沿岸の町を攻撃した。

オデーサの南60キロのザトカが2度にわたって攻撃されたのは、大規模な水陸両用作戦の準備ではないかと、多くの西側コメンテーターが指摘した。だが、実際にはロシアの攻撃目的はもっと単純なものだった。かつてはウクライナの貿易の7割を占めていた黒海に臨む複数の港湾が使えなくなった今、ルーマニアに通じるこの橋経由のルートは西側の物資をウクライナに運ぶ重要な輸送路になっていた。それを破壊しようとしたのだ。

侵攻開始から62日目の4月26日、ロシアは午後12時35分に再びザトカに舞い戻り、今度は巡航ミサイル3発を発射して橋そのものを攻撃した。米諜報当局によれば、このうち1発は技術的な故障により着水。2発目は標的を外し、3発目が橋の東端に着弾し、小規模な被害をもたらした。

翌27日の午前6時45分、ロシア軍が再び巡航ミサイルで橋を攻撃し、オデーサ軍政部のセルゲイ・ブラチュク報道官が、橋が破壊されたことを明らかにした。ロシア政府はこの攻撃について、西側諸国からウクライナへの兵器輸送に使われている「鉄道の関連施設や飛行場」を破壊する「作戦」の一環だと主張した。だがこの翌日、交通網は復旧した。

5月3日、ロシア軍はまたもやザトカの橋に向けて3発の巡航ミサイルを発射。ブラチュクによれば、「橋は完全に破壊され、使用できない状態になった」と述べた。この直前にロシアは、オデーサ地域を含むウクライナ南部全域の奪取を目指すと宣言していた。さらに1週間後の5月10日にも、ロシアはザトカを攻撃した。ウクライナ軍南部作戦司令部は、「敵はドニエストルの河口にかかる既に損傷している橋を、繰り返し攻撃し続けている」と述べた。

ロシア軍は、ザトカの橋を8回にわたって攻撃した(固定標的に対する攻撃としては最も多い部類に入る)。攻撃が打ち切られた頃には、この橋を標的としたそもそもの理由は忘れ去られていた。

米ロが攻めた2つの橋
5月16日、ザトカの橋にさらに2発の巡航ミサイルが着弾し、米諜報当局によれば、もう1発は発射に失敗したため海に破棄された。ウクライナ当局は、道路や鉄道網が寸断され、2週間以上も使えない状態のままだと訴えた。南部作戦司令部は、「橋は損傷が大きく、修復にはかなりの時間と費用がかかるだろう」と述べた。

ザトカの橋の破壊を狙うロシア軍のやり方は、ベトナム戦争時にベトナム北部のタンホア鉄橋(ハノイから約112キロ南に位置)の破壊を狙ったアメリカのやり方を思い起こさせる。1964年に改修工事を終えたマー川にかかる全長約164メートルのその鉄橋(鉄道と道路の併用橋)は、交通量の多さから統合参謀本部により標的に決定された。北ベトナム側はそのことを知っており、複数の防空部隊で橋を防衛し、また複数のミグ17戦闘機を配置してアメリカを撃退した。

米空軍は、大規模な航空作戦「ローリング・サンダー」の開始から間もない1965年4月3日に、戦闘機と迎撃機あわせて67機を動員し、タンホア鉄橋への攻撃を開始した。使用されたのは、主に重力爆弾(無誘導の自由落下型爆弾「ダムボム」)だったが、誘導式空対地ミサイルのブルパップも合計で152発発射された。ブルパップはその大半が標的(橋)から逸れ、着弾したものも大した被害をもたらすことはなかった。翌日も同様の作戦が繰り返されたものの、橋を崩落させることはできなかった。

アメリカはその後、3年間にわたってタンホア鉄橋を寸断させようと、攻撃を試みたものの、橋は攻撃に持ちこたえた。アメリカの爆撃機が橋を損壊するたびに、北ベトナム側は橋を修復して交通を再開させた。1968年にアメリカが北爆の全面停止を宣言したことで、鉄橋への攻撃も一時停止された。その後、1972年5月に米空軍のF4ファントム戦闘機が第一世代のレーザー誘導弾「ペイブウェイ」26発をタンホア鉄橋に投下し、鉄橋の西側を使えなくした。そして同年10月6日に、最後の攻撃が実行された。4機の米海軍機から発射された誘導ミサイル「ウォールアイ」が、遂に鉄橋を完全に寸断することに成功した。

タンホア鉄橋の空爆は、アメリカにとっての近代戦のはじまりだった。当時のアメリカは、優先標的を破壊するのに十分な精密兵器も爆発規模も持っていなかった。タンホア鉄橋の破壊に苦労した反省から、爆発規模がより大きく、より精密な誘導が可能な複数の兵器が開発された。「一撃必殺」が新たな信念となった。1991年湾岸戦争での「砂漠の嵐作戦」までには、投下される爆弾の7%は精密誘導爆弾となっていた(ベトナム戦争時は1%未満だった)。同年のコソボ紛争における空中戦では、新たな(そして安価な)衛星誘導爆弾が、使用された兵器の35%を占めていた。2003年のイラク戦争までには、投下された爆弾の70%が誘導弾だった。

空軍は補佐役
誘導爆弾と並行して長距離巡航ミサイルの開発も進められ、アメリカはこれらの兵器を好んで使用するようになった(ミサイル1基あたり100万ドル超と効果なために使用は制限されるが)。イラクのサダム・フセイン大統領(当時)を罰する目的で始められたイラク戦争から、旧ユーゴスラビアでの空爆、そして2018年のシリア化学兵器施設に対する攻撃に至るまでの32年間で約2300発の巡航ミサイル「トマホーク」が使用された。

ロシア軍は、今回のウクライナ侵攻開始から85日間で、これとほぼ同じ数(5月23日時点で2275発)のミサイルを使用した。ロシアがウクライナの防空網を突破できない理由が、これらの(やはり高額な)長距離ミサイルに頼っているからなのかどうかは、まだ分からない。

ロシア空軍は地上部隊の補佐役の意味合いが大きく、より大きな戦略目標に資する独自の存在というよりも、各ミッションにおいて現場司令官の支援を行う存在だ。ロシア軍には、戦場の外にある「戦略的」な標的――本部や軍事施設、工業施設、石油・発電関連施設や輸送網――を攻撃する爆撃部隊があるが、そのような標的を確実に破壊するために、大量に使える比較的低コストの兵器(アメリカの衛星誘導弾のようなもの)の開発を行ってこなかった。

ロシアはウクライナに複数のダムボムを投下し、数発のレーザー誘導弾を発射してきたが、戦場以外の場所を攻撃するのに使ってきたのは、多くがミサイルだ。ベラルーシとロシアの地上から発射されたのはいずれも、ミサイルシステム「イスカンデル」から発射された弾道ミサイルや巡航ミサイル(合わせて630発)だ。艦船や潜水艦から発射されてきたのは、巡航ミサイル「カリブル」(ロシア版トマホーク)。クリミア沿岸からは、一握りの標的に向けて地対艦ミサイル「オニキス」が発射された。

空からは、戦術戦闘機や中型・大型戦闘機が、Kh-22/32、Kh-55/555、Kh-59やKh-101など複数の空対地ミサイルをランダムに投下してきた。このほかに、極超音速ミサイルの「キンジャール」も12発発射した。

ウクライナ西部の標的を攻撃するには射程距離の問題があり、補給がうまくいかないために兵器を変更しなければならないこともあった。だが全体的に見れば、最大の問題はロシア軍があまり洗練されていないことだ。

ミサイル命中率は4割以下
「全体的に見て、ロシアのミサイルの命中率は半分をかなり下回る」と、米国防情報局(DIA)の匿名の職員は言う。この職員によれば、ロシアが撃つミサイルは10発のうち2、3発は飛ばないか、飛んでる途中で失速する。あとの2発は標的に到達しても起爆せず、さらに2、3発は照準に命中し損なう。「ロシアのミサイルの命中率は、40%にも達しない」

ウクライナ軍によれば、ウクライナの空域に入ったロシアの巡航ミサイルの10%近い110発撃ち落としたという。

「命中したとしても、狙いが何だったのかが問題だ」と、DIA職員は言う。「2日ほど飛行場と対空システムを攻撃してきたかと思えば、次は弾薬貯蔵庫、そして石油施設、工場、輸送網と、次々に目標が変わる。大した打撃はないし、後続の攻撃もない」

米軍流の戦略的空爆作戦は一度も試されていない。ウクライナの対空システムを破壊し損ねただけでなく、電力供給網や民間通信網も狙ってこないという。

「なぜゼレンスキーを黙らせないのか」と、空軍を退役した元軍人はいぶかる。「インターネットや通信を遮断するのは簡単ではないかもしれないが、試してみもしない」

彼によれば、ロシア空軍は米軍より30年遅れている。「彼らはここまで長引く作戦の準備ができていないし、量的な破壊ではなく効果を基準にした標的の選択の重要性がわかっていない。戦闘による損失の評価(BDA)も、動的ターゲティングのノウハウも持っていない」

だからロシア軍はザトカ橋の攻撃と攻撃の間に1週間もかかるのだ。戦果のほどを評価し、次の作戦を練るまでに1週間を要するからだ。

これまで約2万回の出撃があったうち、ウクライナの空域に入ったのは3000機程度で、それも戦場の上には飛んでこない。ロシア軍はウクライナの対空システムを恐れているのか、それとも空爆は長距離ミサイルの役目だという考えなのか?

これは将来の戦争のために重要なポイントかもしれない。未来の戦争では、航続距離1000マイル(約1600キロ)のミサイルが主力になり、その正確性と信頼性で「一撃必殺」の最優先兵器になるのだろうか。航空機による制空権争いはもはや重要でなくなるのか。いずれは誰もがこうしたミサイルを手にし、さらには中国さえが遠くの標的を正確に破壊する能力を獲得するのだろうか?

現時点でわかるのは、ウクライナ戦争がロシアにもたらす思いもしなかった結果だ。もう誰も、ロシアの兵器を買おうとしないだろう。ロシアはアメリカに次いで世界で2番目の兵器輸出国だが、ウクライナ戦争の展開を見る限り、ロシアに有利な点は一つもない。

「問題は物量ではなくなった」と、空軍の元軍人は言う。「アメリカもこの教訓を学ぶべきだ」
https://president.jp/articles/-/58277
>もう誰も、ロシアの兵器を買おうとしないだろう。

中共軍の兵器は基本的にロシア製又はロシア製のパクリです。
台湾侵攻の前に見直すべきだけど、習近平はどうするだろう^^;

日本は航続距離の長い一撃必殺のミサイルを開発するための防衛費増が急がれます。
出来るなら、湯水のように防衛費を使える中共よりも早く^^;
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