カラカラと音がして 当然のように網戸を開けて灯籠猫の奴が出奔していく後ろ姿を見送る 間なしにガラガラと鉄パイプが崩れるような音が外から響いてきて おいおい 何かに巻き込まれていないだろうな… 一抹の不安が過るも もう5年この界隈をテリトリーに日常を過ごしているのだから大丈夫だろうと高を括る が、帰ってこない 5時間くらいの出奔は年何回かの恒例なのだが… それを過ぎると次第に不安感が募ってくる 1時間後チャリを出し近所を廻る 一度我が家に向かう猫道の前にボス猫が香箱座りしているのを追い払った途端帰ってきたことがあったが 野良の姿は何処にもないし何より轢死体も無かった 発情の声も出していなかったし周りにフリーの雌はいない気配 遠出のナンパか… 10時間を過ぎると鉄パイプの音の記憶が不安を煽る 自由に生きた結果なのだから本望だろうと妙に諦観な心情も過る… 更に1時間の11時間後に何事も無かったように帰って来て 悪びれるそぶりもなく膝に乗る 腹減っているだろうと餌前に置くも チョこっとだけしか食べず 水を飲んでトイレ その後は定位置のテレビ上でまったりで寝もしない… その後も1日おきに長時間出奔と自宅で延々爆睡の繰り返し どこかに別宅見つけたかな?… 更にその後 耳に切符パンチの逃げないキジトラが網戸の向こうに… 原因確定だな…
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