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2022年05月30日01:06

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「帰ってきた義経」〜「鎌倉殿の13人」が100倍楽しめるコラム

 5月22日放送の第20回「帰ってきた義経」を28日(土)の再放送で視ました。結論。この脚本はいたるところに三谷幸喜ならではの仕掛けが散りばめられています。たとえばかつて源頼朝(大泉洋)が脱出する際に女装していたことが後に木曽義高(市川染五郎)の除草という伏線回収がなされていることが挙げられます。また、この義高の死が頼朝の除名という命令が遅れてしまったことや、土佐坊(村上和成)の襲撃を義経(菅田将暉)が兄・頼朝の指図だと思っていたところに正妻の里御前(三浦透子)が自分によるものだと告白しても手遅れだったというボタンの掛け違いなど…。
 しかしいちばん凄かったのは第20回です。これはもう「神回」といっても差し支えありません。…というのは、北条義時(小栗旬)が平泉の義経の最期を訪れたとき(これもフィクション)、義経はいざとなったら鎌倉を襲撃するさいの青写真を義時に語って聞かせました。それは三方から鎌倉を攻め落とすというものです。こういう計画を義経が立てていたというのもフィクションではありますが、見事な計略ではあります。しかし、なんと!
 鎌倉幕府滅亡から南北朝に至る研究・執筆をしている私はすぐに気づき、驚きました。これは144年後に新田義貞が実際に鎌倉を攻めて北条高時が切腹して鎌倉幕府が滅亡したときの先取りではありませんか。三谷氏は『吾妻鑑』や『玉葉』『平家物語』ばかりでなく、『太平記』までも研究していたことにほかなりません。
 さらに驚いたことに…。このドラマのこの回の本放送が5月22日。そして鎌倉幕府滅亡も5月22日だったのです。うーむ、三谷幸喜おそるべし。
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