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2022年05月29日01:57

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一度だけ乗った実験線の話

 古くは宮崎実験線でリニアモーターカーは開発されていた。
 最初に乗れそうだったのが、1985年のつくば万博。高校2年生の時だったが、初めて青春18きっぷを使って夜行列車の旅でつくばへ行った。実際に下車した駅は常磐線のひたちのうしくになるわけだが、大垣夜行からの乗り換えだとかなり早朝に到着。駅前でタクシーの運転手が5人で乗ればバスと同じ運賃になる、と提案されその辺にいた人たちと一緒に万博会場に行った。3日間野宿をしながら博覧会の会場を楽しんだが、段取りが悪くHSSTに乗ることが出来なかった。
 その旅ではいろいろな体験をした。3月の水戸駅で一晩過ごしたときは寒くて死ぬかと思った。土浦駅の駅前ビルの4階で食べたとんかつは美味しかった。その店は、つくばに赴任した2001年ごろに探してみたが見つからなかった。
 高校生の時は、将来土浦やつくばで暮らすことになる、とは余り考えもしなかった。もっともJAXSに行きたいとは思っていたので、将来的につくばで暮らすことになる、のは必然だったはずなのだが、高校生ぐらいだと夢を目指すと具体的にどうなる、というような想像力は余り働かないらしい。

 時が流れて、大学院の時に、山梨の実験線での試乗に当選した。そのころ、まじめに懸賞などに応募して暮らしていた。色々応募して分かったことは、まじめにやれば応募した経費に相当するぐらいの景品は貰える。ということ。
 今は大分違うかもしれないが、当時だと一番当たり易かったのが映画のチケット。他に音楽会とかチケットの類は当たり易い。まあ、興行側は会場が満員でなければ余った席を無料でお誘いしても損はしないで、色々宣伝できる、という意味合いがある。
 当選したものの中で面白かったのは、ある日「きび団子」が送られてきた。ってことがあった。なんでそんなものが送られてきたのか一瞬分からなかったのだが、たまたま甲子園に阪神タイガースの応援に行った日が「岡山県の日」とかで、岡山出身の選手が挨拶していたりした。その時の景品だった。私は東京に住んでいたので、わざわざ東京から応援に行った、ということで当選しやすかったのだろうか?
 当然だが、「厳選なる抽選」と書いてあっても、当たりやすい条件とそうでない条件はある。結婚もしてない独身の男性で子どももいない人が、赤ちゃん用のおむつの懸賞に応募してもまず当たることはない。
 深夜番組にハガキを出したりすることもあったのだが、「奇妙な果実」という番組で番組の内容が「本」として出版された、その記念で視聴者にその本のプレゼント、という企画があった。確か20名にプレゼント、と言っていたがハガキを出して次の週の放送を見ると、
 「こんなにたくさんのハガキが来ました。」
 と、10枚ぐらいのハガキがテレビに映った。
 当然だが、当選して本が送られてきた。
 ゴールデンタイムの番組だと、大きな箱一杯のハガキから1枚抜いて「当選」なんていう企画はいろんな番組であって、とても当たりそうにない、のは見ていて明らかなのだが、誰も見ないような深夜番組では全然事情は違うらしい。
 これはラジオなんかでも似たような状況。

 そんな感じで、当選した試乗会に乗りに行った。当時の最高時速は420km/hではあったが、新幹線ひかり号が220km/h、300系のぞみが最高時速275km/hの時代。のぞみに乗ると客室にスピードメーターが設置されていたが、見ていると最高時速に到達することは余りない、という感じであった。今とは全然違う。
 そんな時代だったから、異次元の速度、というのは乗って見て実感できた。ただ、残念なのはほとんどがトンネルの中なので、景色の流れ方、はトンネルを出た一瞬しか見えない。

 いずれは実用化する。とは分かっていても、まさか東京と名古屋を直接結ぶ路線を作るとは想像していなかった。
 リニアモーターカーとしては、磁気浮上しないものが、鶴見緑地線・大江戸線・リニモなどで実用化されていき、一定の達成感はあった訳だが、磁気浮上型はそういう地下鉄的なものでは実現できないのだろうか?
 恐らく、成田空港と東京駅あるいは羽田空港を結ぶ路線、とか都心で丸の内と新宿を結ぶ路線、とかそんな感じで実用化に持っていくのかな? と思っていた。
 特に成田空港には元々新幹線計画があったし、世界でも都心から余りにも遠い不満満載の空港なだけに、政府が汚名返上で成田新幹線をリニアで実現するのでは、なんて想像していた。
 成田空港の問題は、全く別の形。羽田で国際線を運用する、という技で形式的に解消された。これはこれで酷い話だとは思う。成田空港を作るときには戦争までして作ったのにね。今でも住民との問題は解決されていない。


 もっとも、この路線の開通の目途が立っていない。
 静岡県が、トンネルに流れた水を、大井川に返してくれ、と言っているのは至極まっとうな話で、それはちゃんとやるべきだろう。折しも、東海地方で工業用水が確保できずにとばっちりを受けて水田でも水がないとか被害が拡大している。人間の生活に水は必須であって、今ある分より「減る」とかは根本的に困る。
 その話ばかりがクローズアップされがちだが、そもそも南アルプスを貫くトンネルは「本当に掘れるのか?」に関しては、やれるとは言っているけど懐疑的な人も多かろう。
仮に掘れたとして、掘った後で断層がずれる、ということは当然だがある。南アルプスが今でも隆起を続けている山脈だという事は言うまでもない。

 飛行機だと、着陸が難しければほかの空港を使う、というのは頻繁にあって、目的地以外に降りた経験のある人も多いはず。待っていれば航空会社は目的地までの飛行機をいずれは飛ばしてくれるけど、そういうケースでは陸路移動を選択したり、新たにチケット買いなおして別の飛行機を使ったりしている人の方が多い。
 しかし、リニアは、敷設された軌道上を走るしかない。地震に強い、と言っているのは揺れても浮いている物に対してはダメージが小さいと言っている話で、軌道自体がずれて壊れたら、長大なトンネルの中で取り残される危険性はある。

 JR東海が「危険性がある」なんて言葉を絶対に使わないのは当然だよ。当たり前。そんなこと、思っていても絶対言わない。言うはずはない。

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■リニア、来年のアセス開始目指す=岸田首相が実験線視察
(時事通信社 - 05月28日 12:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6974060

 岸田文雄首相は28日、山梨県都留市のリニア中央新幹線の実験線を視察した。首相は記者団に、名古屋―新大阪の未着工区間の環境影響評価(アセスメント)に関し「全線開業の前倒しを図るため、来年から着手できるよう、沿線自治体と連携しつつ指導・支援していく」と表明した。

 リニア新幹線は、工事に伴う水資源への悪影響を懸念する静岡県が県内の着工を認めておらず、JR東海が目指す2027年の開業が遅れる見通しとなっている。首相は県が要望する環境保全に関する国の有識者会議について「速やかに設置する」と語った。

 首相は、今月から一般の体験乗車が始まったL0(エルゼロ)系改良型試験車両に試乗。JR東海の金子慎社長の説明を受けながら、最高時速500キロに達すると「安定性もあるし、地震にも強い」と感想を述べ、性能をアピールした。 
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