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2022年05月28日01:37

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特殊能力 1

 …と書くと、SFの超能力が想起されるかと思いますが、本稿で扱うのは普通の人間でも持ち合わせているちょっと変わった能力なんです。それらのうちには役に立たないものもあれば、人もうらやむ便利な能力もあります。学校では教えてくれないこれらについて考察してみたいと思います。

「絶対音感」
 なーんだ、それなら知ってるよという方も多いと思います。音楽以外でも物音が音階のどこに位置するか判別できる能力のことです。音楽以外にはほとんど役に立ちません。フライパンを床に落としても、それがナニ長調のドなのかミなのかが分かる能力です。聴覚の能力が優れているだけでなく、音を的確に分類することができるのです。サイレンやエンジン音など日常的な音を聞いて、そのまま音がひろえ、なぞらえて歌ったり、コードをとったりすることができます。つまり再現できるというのがポイントです。絶対音感は遺伝的なものなのか、訓練によって得られる能力なのかについてはさまざまな意見がありますが、現在では訓練次第では身につけられるという説が有力になってきました。しかし5歳以降では無理なのだとか。
 絶対音感がある人の率は、アメリカとヨーロッパの一般人口では3%、セミプロまたはプロの音楽家では8%だそうです。日本では音楽家の70%が絶対音感をもっていると言われています。この高い割合は、音の調子(標準中国語、広東語、ベトナム語)や音の高低のアクセント(日本語)がある言語環境で育ったせいだという説もあります。生まれながらにして盲目の人や、ウィリアムズ症候群、自閉症スペクトラム障害の人たちが絶対音感をもっているケースも多いようです。モーツァルトはグレゴリオ・アレグリの『ミゼレーレ』を一度聴いただけで暗唱できたそうです。なお、歌のうまさと絶対音感とには因果関係はありません。
 ハモったり耳コピができるのは相対音感といいます。ある音を基準とした時に他の音と比べて高低を認識できるからです。学校で「ドミファソラシド」を勉強していた人たちは相対音感があります。この能力は鍛えて手に入れられます。成人になってからでも可能です。

「スーパーテイスター」
 普通の人より味覚が鋭い人をスーパーテイスターといいます。味覚のセンサーである舌先のキノコ状乳頭突起がほかの人より特殊で、味覚の刺激に強い反応を示します。甘み、塩辛さ、苦味、すっぱさ、うまみの5種類の味覚の中で特に苦味に敏感で、芽キャベツやコーヒー、グレープフルーツジュースなど苦味のある食品はあまり好きではないことが多いようです。現代では4人に1人がスーパーテイスターであると言われています。スーパーテイスターの人は一般的な人より3倍舌が敏感だとも言われています。
 これは、フェニルチオカルバミド(PTC)が関連しています。フェニルチオカルバミドとは、味覚に対して特異な性質を持つ有機化合物で、TAS2R38という苦味受容体に反応する苦味物質ですが、この受容体は遺伝的に持っている人と持っていない人がいます。スーパーテイスターは女性、アジア人、アフリカ人に多く見られます。しかしこういう味覚は経験を重ねることでかなりカバーできるようです。料理人になるのに必須というわけではありません。

「映像記憶能力」
 かつて「笑っていいとも」という番組でMCのタモリがゲストに「おっ、髪切った?」と驚いたり、観覧席の客に「このあいだも来てたよねえ」などと話しかけたりしていました。これが映像記憶能力です。タモリはこの能力の持ち主なのです。見た物を写真のように記憶できるのです。
 幼少期にこの能力に目覚め大人になるにつれて能力がなくなっていくそうです。本当に見た物をそのまま覚えているのか疑問に思ってしまいますが、実際に映像記録能力を持っているイギリスのスティーブン・ウィルシャーという人がテレビで実験したそうです。この実験はヘリコプターでロンドンを一周して、その後ロンドンを上空から目線で描くというものでした。実際にスティーブン・ウィルシャー氏はロンドンを上空から見た通りに描きました。見ながら描いているのではなく、覚えてある風景をそのまま描いたのでした。
 この能力は生まれつき持っていなくても、後天的に努力次第では身につけることもできます。幼少期に映像記録能力の特殊な訓練をすると身につくと言われています。
 きょうは3っつ紹介しましたが、まだまだ続きます。人体のことはまだ不思議なことが多いので、これからもっとすごい能力者が出てくるかもしれません。
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